キューバンサンドはクバーノとも呼ばれます!

こんにちは! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第21回は、キューバの名物料理でありフロリダのソウルフードとしても有名な「キューバンサンド」をお届けしたいと思います!

キューバンサンドは、「キューバンブレッド」というパン(バケットを柔らかくしたようなシンプルなパン)にマスタード、ローストポークまたはプルドポーク(豚肩肉をほぐしたもの)、ハム、チーズ、ピクルスをはさみ、ホットサンドメーカーなどでプレスして焼いたもの。

ホットサンドやパニーニと言っても遜色なさそうですが、2014年の映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』で話題となるなど、市民権を得ているものなのです。

発祥は諸説ありますが、キューバ移民がアメリカ・フロリダに持ち込んだと言われ、1860年代から、キューバやフロリダ・キーウエストの葉巻工場、砂糖工場の労働者たちの胃袋を支えてきたそう。ある歴史家は「キューバで生まれ、キーウエストで学んだサンドイッチである」と言ったとか。

2015年キューバの旅の思い出

キューバンサンドらしきものが売られています

2008年アメリカを車で一周した時にキーウエストまで足を伸ばしておりました。海を渡ればキューバまで90マイル!?

ちなみに私がキューバンサンドを食べたのはアフリカ大陸にあるナミビアという国。

ナミブ砂漠やヒンバ族などワイルドそうなイメージがありますが、実際に旅をしてみるとドイツの植民地だったこともあってか、ビーチフロントには高級住宅地や別荘らしき一戸建てがズラリ。ブラピ&アンジー夫妻がクリスマス休暇に訪れたり出産場所に選んだのも納得です。

約8千万年前に生まれた世界最古の砂漠「Dune7」

ナミビアの街中。ビーチフロントには高級住宅が並んでいる

ビーチエリアのキッチンカー「Fork'n Nice」

キッチンカーで食べたキューバンサンド。中身はジューシーなプルドポーク! キューバンブレッドではなくポルトガルロールを使用

今回はプルドポーク作りとして、豚肩肉に下味をつけるところから挑戦したいと思いますが、使用するスパイスはなんと10種類ほど! 塩胡椒だけでも作れますが、スパイスを使うことで肉の臭みを消したり風味が加わり本格的な味に仕上がります。

特に注目したいのがパプリカパウダー。唐辛子の仲間ですが辛みはなく、ほんのり甘い香りを持つスパイスです。世界の料理では彩りや隠し味に使用されることが多く、またビタミンB群や鉄分が多いため、ダイエット効果や免疫力向上も期待できちゃうんです。

スパイス調合は一見ハードルが高そうですが、実際は混ぜるだけなので簡単! よくスパイスからカレーを作ると「こじらせ男子」なんて言われたりしますが(誰が言い始めたんだろう)、喜んでこじれようじゃないか(でも面倒な人は市販のミックススパイスやシーズニングを使ってもOK!)。

それではレッツクック!

<材料> 2~4人分 (サンドイッチに適量の具材を挟んでください)

*サンドイッチの材料

(上段左から)パン、バター、マスタード、ピクルス、(下段左から)ハム、チーズ、プルドポーク

・パン...人数分(バケット、パニーニなどお好みで)

・バター...20g

・マスタード...適量

・ハム...1つのサンドイッチに1、2枚

・チーズ...適量(スライスでもシュレッダーでもOK)

・ピクルス...適量

・プルドポーク...適量(作り方は以下)

*プルドポークのベースの材料(市販のローストポークで代用可)

・豚肩ロース...400g

・水...100cc

・ローリエ...1枚(省略可)

*プルドポークの下味用スパイス (市販のBBQシーズニングで代用可)

(上段左から)砂糖、パプリカパウダー、塩、胡椒、チリパウダー、味の素、(下段左から)クミンパウダー、オールスパイス、オニオンパウダー、ジンジャーパウダー、ガーリックパウダー、オレガノ、タイム

・砂糖...大さじ1/2

・パプリカパウダー...大さじ1/2

・塩...小さじ1

・胡椒...小さじ1

・クミンパウダー...小さじ1/2

・オールスパイスパウダー...小さじ1/2

・オニオンパウダー...小さじ1/2

・ジンジャーパウダー...小さじ1/2

・ガーリックパウダー...小さじ1/2

・オレガノ...小さじ1/2

・タイム...小さじ1/2

・チリパウダー...小さじ1/4

・味の素...小さじ1/4

*プルドポークを煮込むBBQソース (市販のBBQソースで代用可)

(左から)ケチャップ、ソース、醤油、砂糖かハチミツ、すりおろし生姜、すりおろしにんにく

・トマトケチャップ...大さじ1

・ソース...大さじ1

・醤油...小さじ1/2

・砂糖 or ハチミツ...小さじ1/2

・すりおろし生姜...小さじ1/2

・すりおろしニンニク...小さじ1/2

<下準備>

1.下味用スパイスを全て混ぜ合わせ、肉に揉み込んだらラップなどで密封して一晩寝かす。

2.調理直前にBBQソースの材料を全部混ぜておく。

<調理>

*まずはプルドポーク作りから

1.鍋に油(分量外)をひき、スパイスで下味を付けた肉の表面を中弱火で焼く。

2.水、BBQソース、ローリエ(あれば)を加え、蓋をして2時間弱火で煮込む。(肉がヒタヒタになるくらいの水量が目安)

3.煮込まれた肉をフォーク2本で細かくほぐす。

*ここからサンドイッチ作り

4.パンに具を挟めるように切り込みを入れる。

5.フライパンにバターを半分入れ、中弱火でパンの内側軽く焼く。

6.パンの内側にマスタードを塗り、ハム、プルドポーク、チーズ、ピクルスを挟む。

7.フライパンに残りのバターを入れ、サンドイッチの外側を押し付けながら、チーズが溶けるまで焼いたらできあがり!

キューバンサンドできあがり! 半分にカットすると断面映えするよ!

★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!

<実食>

ナミビアで食べたものとはパンのスタイルが異なるけども、バケットを使って見た目は一般的なキューバンサンドになりました。

日を浴びて美しいキューバンサンド

平たく潰れたホットサンドイッチは私の感覚だとやっぱりパニーニといった感じで、半分にカットすると断面からはチーズが美味しそうにとろけています。

熱々のサンドにかぶりつくと、パンがカリッとサクッと! ハムとチーズに包み込まれたプルドポークからは肉の旨みとBBQソースの相まった汁がジュワ~!

わざわざスパイスを揉み込んで寝かせた甲斐があってか、ハーブの香りや複雑な風味を感じます。時折、顔を見せるピクルスもいい仕事をしていますし、シンプルながら満足感の高いサンドです。

夢中でかぶりついております

スパイスの調合は我ながら上出来でしたが、種類や比率を変えても個性が出ておもしろいかも。みんなもオリジナルの秘伝スパイスを研究してみてね!

キューバのビーチで口も手もベタベタにしながら食べたら最高に美味しいだろうなー!

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew

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