(写真奥)旧型Z650ザッパーをオマージュした新型Z650RS。(写真手前)グリーンのボディカラーはゴールドホイールを装備する。フロントフォークはインナーチューブ径41㎜の正立式。フロントブレーキは300㎜ディスクがダブルで備わり、足まわりにも隙がない

川崎重工業は9月28日、ウワサの大型二輪モデル「Z650RS」を、今秋からヨーロッパ、アメリカ、日本などで順次発売することを発表した。丸目のヘッドランプという古典的なデザインだが、早くも世界中のファンを熱狂させているという。いったいなぜ? モーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏がガッツリ解説する。

■日本デビューは来春を予定!

青木 大変です! バイクファン大悶絶のマシンが発表されました!

ーー具体的には?

青木 2018年の登場以来、3年連続大型クラス販売トップを誇るカワサキの「Z900RS」。その弟分となる「Z650RS」がついに出ます! 出ちゃうんです! 実は9月27日にカワサキのティーザー動画が出たんですが、世界中のファンが狂喜乱舞です!

ーー熱狂のワケは?

青木 「Z900RS」が1970年代の名車「Z900SUPER4」、通称Z1(1972年発売)の再来なら、「Z650RS」は〝ザッパー〟の復活となります。 

ーーザッパーってなんスか?

青木 正式な車名はZ650ザッパー。デビューしたのは1976年です。風を切る擬音「ZAP」を由来にZAPPERと名付けられ、切れ味鋭い軽快な走りがウリでした。ファンの間では「Z1ジュニア」という位置づけで、当時のライバルだったホンダ「CB750」と激熱の販売バトルを繰り広げた伝説のモデルです。

ーーなるほど。 

青木 しかもスタイリングは、兄貴分である「Z900RS」譲りのいかにも〝Z〟という佇まいで、ダックテールのシートカウルやサイドパネルは旧ザッパーをオマージュしたモノに仕上がっている。丸いLEDヘッドライトや、デジタルパネルを埋め込んだ砲弾型のダブルメーターなど、レトロなスタイルに最新技術も融合。エンジンはかつてのような4発ではなく、細身でコンパクトな並列2気筒をスチール製トレリスフレームに搭載。最高出力68㎰と十分すぎるパワーで、ショートタイプのマフラーや、200㎏を切った車体重量187㎏の軽快な車体は見るからにすばしっこそう。取り回しの良さもセールスポイントです。 

ーー日本デビューはいつ頃? 

青木 来年春に導入される予定です! 日本では100万円切りの価格ではないかと。

ーーどんな人が買うべきバイクなんスか? 

青木 大型バイクビギナーやリターンライダー、そして重すぎる車体やパワフルすぎるエンジンを持て余してしまい、もっと〝人車一体〟になってバイクを自在に操りたい人にはうってつけ。

ーーズバリ、推し度は?

青木 120パーセント激推しです! 冗談抜きに青木はもうびんびんですから! コイツは爆売れ確定。チョー注目の1台ですよぉぉぉ!

青木タカオ takao AOKI
モーターサイクルジャーナリスト。YouTubeチャンネル『バイクライター青木タカオ【〜取材現場から】』。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み』(秀和システム)など。現役の二輪専門誌編集長