「カワサキ Z900RS SE」 ヨーロッパで先行発表され、話題騒然となったイエローボールカラーのZ900RSの上級仕様が11月12日に発売。しかし、瞬殺的に完売したというウワサが!! 価格は160万6000円
3年連続大型二輪販売トップ! 今、売れに売れているカワサキのネイキッド、「Z900RS」の人気がハンパない。老若男女を虜にする秘密とは? さらに今年は隠し玉も登場? 二輪専門誌『ウィズハーレー』の現役編集長で、モーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏が特濃解説する。

青木 皆サマ、今年こそバイクに乗りませんかぁぁぁ!

ーー新年早々熱いなぁ。なぜバイクに乗るべきなんスか?

青木 昨年、バイクが爆売れ! 2021年上半期の新車販売台数(排気量51㏄以上)は14万台超! この数字はコロナ前の2019年の同期比で28.2%増です。実に13年ぶりに上半期に10万台超えをマークしたんです。ついに空前絶後のバイクブームが到来したんですよぉぉぉ!

ーーバイクが売れたワケは?

青木 新型コロナの感染拡大の影響が大きいと思いますね。いわゆる3密を回避する移動手段として通勤やレジャーでの需要が高まりました。もちろん、二輪メーカー各社からチョー魅力的な新型が続々とデビューしたことは言うまでもありません。

ーーそのなかで特に大人気のバイクがあるらしいスね?

青木 カワサキのネイキッドバイク、Z900RSです。

2017年12月の国内発表以来、3年連続大型クラス販売トップに君臨する〝絶対王者〟です。ちなみに11月にZ900RSの上級モデルが発売されましたが、即完売したというウワサがアオキの耳に届いています。

ーースゴ! どこがユーザーに刺さったんスか?

青木 見た目は旧車っぽいんですが、走りはチョー最新! 要は誰もが憧れるカワサキのシルエットやカラーをそのままに、最新の技術がブッ込まれているんです。

ーー具体的には?

ブレンボ製のフロントブレーキパッケージ(ディスク、キャリパー、パッド)を採用。小径のニッシン製ラジアルポンプ式マスターシリンダー、ステンレスメッシュブレーキホースも装備
青木 ABSユニット、トラクションコントロール、LEDライトなど現代の装備をまとい、ライディング性能はもちろんのこと、速さも安全性も超一級品に仕上がっています。この往年の名車をオマージュしながら最新技術を惜しみなくブチ込んだ〝ネオクラシック〟の火つけ役はBMWなどの老舗の欧州勢だったんですが、そこにわれらが〝漢(おとこ)〟カワサキが参戦! 伝家の宝刀である「Z」のブランドを復活させ、世界中で大ヒットを記録!

ーーZ900RSの魅力は?

青木 いろいろありますが、特に〝音〟は秀逸です。新車時からついている集合管の排気音がマジでド迫力! 「えっ、ノーマル?」と思うほど重低音が効いており高回転まで引っ張るとシビレます。カワサキの開発陣も「バイクは音が重要です」と語っており、開発では音を徹底的に磨き上げたそうです。

オーリンズ社製のS46リアショックを装着することで、快適な乗り心地などを実現している。リアショックに合わせて、ゴールドカラーのアウターチューブとフロントサスペンションのセッティングも実施

ーー気になる乗り味は?

青木 普段のチョイ乗りでも扱いやすく、気持ち良く走れるストリートバイクに仕上がっています。

ーー購入時の注意点は?

青木 基本、〝漢〟カワサキのバイクですからね。とにかく前後サスのセッティングはどこを攻め込んでも音を上げないようハード寄り。その味つけはバイク初心者や、ゆったり走る感じの人にはチト硬い印象を受けるかも。

ーーなるほど。ズバリ、今年もZ900RSの快進撃は続く?

青木 もちろん! 今年はZ900RSのご先祖サマであるカワサキの名車「Z1」の生誕50周年です。アオキの予想ではサプライズ的な仕掛けがありそうだなと。

青木タカオ takao AOKI
モーターサイクルジャーナリスト。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み』(秀和システム)など。『ウィズハーレー』(内外出版社)編集長。YouTubeチャンネル『バイクライター青木タカオ【~取材現場から】』