30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第3回のお悩みは「睡眠の質」について。

【今週のお悩み】毎晩夜11時に寝て、7時に起きるという規則正しい生活を心がけているのですが、これだけの睡眠時間を確保していても翌朝疲れが抜けていないことがよくあります。夜中に目を覚ましてしまうことも多く、うまく寝付けないこともあります。何か解決策はありますか?(46歳・自営業)

* * *

私なりに、うまく眠れない原因を4つ、考えてみました。

①血行不良 
②寝る直前に、熱いお湯につかっている
③スマホやパソコンなどの画面の見過ぎ
④水分不足

①の『血行不良』が原因の方に試してほしいのが、お風呂に入って体をしっかり温めてあげることです。40~41度くらいのお湯にゆっくりつかって、血行を良くしてから眠ってみてください。ただ、②のように熱いお湯につかりすぎると、交感神経が上がるので眼が冴えてしまいます。そうすると眠りが浅くなり、疲れが取れるタイミングがなくなってしまいますので気をつけましょう。

③の『スマホやパソコンなどの画面の見過ぎ』については、もうご存じの方も多いと思います。人は寝るときに、メラトニンというホルモンが分泌され、それによって深い眠りにつくことができます。寝る直前までスマホやパソコンなどのモニターを見続けていると、メラトニンが分泌されるタイミングが遅くなってしまい、そうなると深い眠りに入る時間も遅くなります。結局、睡眠時間はしっかり確保していても疲れが取れず、夜更かしをしているのと同じにことになってしまうんです。

最後に④の『水分不足』についてですが、人間の体というのは酸素が供給されることで筋肉や脳の疲れを取っているんですが、水分量が落ちることでそういった機能も落ちます。水分が不足しているために、寝ている間に酸素の供給がなく、いつまでたっても疲れが取れない、というパターンも考えられます。

「活性酸素」という言葉を聞いたことがありますか? 活性酸素って、もともと人間が持っているものなんですが、疲れてくると筋肉から大量に放出されます。それが除去されないでいると、自分の筋肉や肌を攻撃し始め、そうすると筋肉や肌は徐々に老いていきます。医療業界では今「活性酸素との戦いが老いとの戦い」と言われてます。

活性酸素をいかに除去するかが健康寿命にもかかわってくる、ということです。これを除去するのに、お水やビタミンなんかの抗活性酸素、抗酸化物質というものが重要になります。今はストレス社会で、体内の活性酸素が多くなっているといわれています。それなのに、さらに肉類やファストフードなどの過剰摂取で栄養が偏りがちになり、活性酸素を除去する栄養素を食事から摂取しづらくなりました。そんな悪循環のせいで疲れが取れず、結果的に老いが早くやってくる、という展開も考えられます。

ちゃんと野菜を食べてお水も飲んで、正しい食生活を心がけるようにすると、睡眠の質も上がるかもしれません。

あと、眠れないからと言って寝酒を飲む方もいると思いますが、これはあまりよくありません。中枢神経が人の眠りをつかさどっていますが、アルコールはそこにダイレクトに届きます。そうするとレム睡眠、ノンレム睡眠がばらばらになっちゃって、しっかりとした睡眠がとれなくなります。一瞬気持ちが落ち着くこともありますが、お酒は最終的には覚醒に向かうので、やめた方がいいかもしれません。

今週の教訓:バランスのいい正しい食生活で、活性酸素をやっつけちゃって♡

■福井セリナ(ふくい・せりな)
1994年5月23日生まれ、新潟県出身。
慶応大学薬学部を卒業。
現在は都内某所の薬局で現役の薬剤師として勤務中


【『福井セリナの「健康サディスティック♡」』は毎週月曜日更新!】