フィンランドの伝統料理サーモンのスープ「ロヒケイット」を作ります!

こんにちは、旅人マリーシャです。

みなさんの家の「おふくろの味」ってどんな料理ですか? 味噌汁だったり卵焼きだったりカレーだったり家庭によっていろいろあると思いますが、私の家ではあまり料理が得意ではない母(母よ、すまん)がお正月に作るお雑煮が、唯一「あ、これうちの味だわ」となるホッとする味でした。

さて、おふくろの味というのは世界のおふくろの数だけその味がありまして。今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第27回は、フィンランドの伝統料理でありおふくろの味とも言われている「ロヒケイット」に挑戦です!

フィンランド語で「ロヒ」はサーモン、「ケイット」はスープという意味。作り方は簡単で「切る」「炒める」「煮る」だけ!

ヘルシンキ大聖堂

ヘルシンキの街中。ストックマンデパート前の広場

フィンランドは世界幸福度ランキングで常に上位の国で、2021年も堂々の一位。消費税が24%と高め設定ではあるものの、教育や医療など社会保障が充実していることで国民の幸福度を維持できているようです。

また、かつて他国に支配されてきた歴史を持つ同国は「平等な社会」を目指し、「多くの人が共有できるデザイン」の発展に力を注いできました。環境や自然に寄り添った北欧デザインは、テキスタイルや食器、インテリア、雑貨などの形で人々の暮らしに密接しており、これもまた人々に安心や幸福を感じさせるもののひとつになっているのではないかと思います。

買い占めたくなるほどかわいい北欧デザインの代表マリメッコ

映画『かもめ食堂』のロケ地でもあり実在するカフェ

『かもめ食堂』の内部は北欧系インテリアで癒されます

そして人々を幸福にさせるものといえば「食」も欠かせませんね。レストランでウォッカをショットで飲みながら盛り上がる隣の席のおじさまたちにおすすめを聞くと、

「トナカイ肉は食べたかい? サーモンは必食だよ! シナモンロールやブルーベリーパイも人気さ!」

と、フィンランドらしい食べ物のラインナップを教えてもらいました。特にサーモンはマーケットなどで新鮮なものが売られていたり、レストランや屋台でもバター焼きやキッシュ、ハンバーガーなどに調理され、街中の看板やメニューでも度々見かけます。

家庭ではスープ「ロヒケイット」にするのが定番なので、おふくろの味とも言われているんですね。それではさっそくその味を堪能してみましょう! レッツクックです!

フィンランドといえばサーモンは必食!

ヘルシンキの港のマーケットや屋台では新鮮なサーモンが売られています

フィンランド料理と共にウォッカのショットを積み上げる幸福度の高い人々

黒板に書かれたおすすめはサーモンスープ!

材料:サーモン、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、牛乳、生クリーム、バター、コンソメ、塩胡椒

<材料> 2人分

 ・サーモン...2切れ

 ・玉ねぎ...1個

 ・にんじん...1本

 ・じゃがいも...2個

 ・牛乳...400ml

 ・生クリーム...100ml

 ・バター...少々

 ・コンソメ...1個

 ・塩胡椒...少々

 ・ディル...少々

<調理>

1.野菜とサーモン(皮があれば剥がす)を一口大に切る

2.鍋にバターを入れ玉ねぎが色付く程度に炒めたら、にんじんとじゃがいもも軽く炒める

3.牛乳を入れ、沸騰直前でコンソメ、サーモン、生クリームを入れたら弱火で5分煮込む

4.塩胡椒で味を整え、ディルをトッピングしたらできあがり

★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!

<実食>

せっかくなのでフィンランドからバックパックに詰め込んで持って帰ってきたマリメッコの食器や紙ナプキンと合わせてみましたが、やっぱり北欧料理は北欧デザインにマッチしますね。これだけでも北欧気分が上がるので、ひとつは持っていると便利(?)です

肝心のスープの見た目はシチューのようで、口に運ぶとサラサラしたクリーム系スープといった感じ。味付けはコンソメと塩胡椒しかしていないのに、にじみ出たサーモンの旨味が牛乳や生クリームでまろやかにまとまって絶妙なバランスを生み出している。じゃがいもやにんじんはホクホクで優しい食感。ディルがアクセントになっていてサーモンとの相性は言わずもがなバッチリです。

「これがフィンランドのおふくろの味かぁ」

どこの国のおふくろの味も、やはりホッとする仕組みなのでしょうか。温かいスープが体と心を癒してくれます。

ところで作っている時、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを炒めていくと「なんか、これカレーだな」って思う瞬間がありました。カレーの基本の具と一緒。なので、親近感を感じながら気軽に作ることができました。

他にもニンニクやセロリなどを入れるアレンジがあったり、おふくろの味にも個性を出せるようなので、いつか私がおふくろになった時のためにもこれからもロヒケイットの研究を続けようと思います。

フィンランドのおふくろの味は、日本の食卓にもピッタリな幸福度の高い一皿でした。

この具材、カレーを作っている気分になります

かもめ食堂でホッと一息つく旅人

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew

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