30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第16回のお悩みは「サプリの選び方」です。

【今週のお悩み】年齢的にも健康に気を遣おうと思い、ドラッグストアでサプリを買っては飲んでいますが、少しずつ種類が増えて、毎日5、6種類は飲んでいます。"サプリの飲み過ぎ"ってこともありますか?(39歳・フリーランス)

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これ、みなさんにお話したいと思ってました! まず大前提として、表示量をきちんと守っていれば大丈夫。つまり成分や表示量を見ないで手あたり次第飲んではダメということです。良かれと思って飲んでいても知らず知らずのうちに成分が被っていることもあるので、自分が飲んでいるものの種類はしっかり把握しておきましょう!

成分によって身体への影響は違いますが、サプリの飲みすぎによる健康被害はさまざまな症状が報告されています。例えばコレステロール値を下げてくれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は、魚の油に含まれる成分。なので、魚を普段からたくさん食べる人がこのサプリを飲むと過剰摂取になってしまう可能性があります。そうなると、出血したときに血が止まりにくくなるような副作用が出ることもあるんです。

カフェインの入った栄養ドリンクやサプリを飲んでいる人も注意してほしいですね。コーヒーやお茶にもカフェインが含まれているので重複しやすいです。風邪薬にもよく含まれているので、気づかないうちに過剰摂取して脈が早くなったり、吐き気、不安感などが生じた事例は数多く報告されています。

割と一般的なビタミンのサプリにも注意が必要です。特にビタミンA、D、E、Kは過剰摂取が危険とされる代表的なビタミン。薬学生は「アデック」って呼んで覚えてます。ビタミンの過剰摂取時に起こりうると言われている症状をそれぞれ挙げるとこんな感じ。

ビタミンA→悪心・嘔吐・脱毛・発疹
ビタミンD→食欲不振・頭痛・口の渇き
ビタミンE→血が止まりにくくなる・骨粗しょう症
ビタミンK→貧血・血圧低下(かなり多く飲んだ場合)

ちょっと怖い話ばかりしちゃいましたが、自分が過剰摂取になってしまっているかどうか、判断するのって難しいですよね。そこで簡単な解決策をお伝えしますね♡

それは、薬剤師さんに聞くこと。処方薬をもらいに調剤薬局に行ったときに、飲んでいるサプリとの飲み合わせが問題ないか聞いたり、サプリを売っているドラッグストアの薬剤師さんに聞いてもOK! 特に病院でもらっているお薬がある人は飲み合わせは必ず聞くようにしておきましょう!

例えば血液をサラサラにしてくれる「ワーファリン」というお薬は、ビタミンKと一緒に摂ることで効果が減退して血栓ができてしまう危険性があります。また、メンタルのお薬を飲んでいる人がカフェインを含む栄養ドリンクを飲むと、これも効果が減退してしまうことがあります。

「自分に必要なサプリをきちんと知りたい!」という人は、薬剤師に聞くのもいいですが、中にはサプリをカスタマイズしてくれるサービスもあります。マツモトキヨシの「SUPPLEMENT Bar」だったり、FANCLの「パーソナルワン」だったり。これらはアンケートや簡易的な検査の結果から、自分に合った組み合わせで1日ずつ分包してくれるんです。画期的ですよね!

ちなみに私は調剤薬局で働いていますが、患者さんの飲み合わせはきちんと知っておきたいので毎回聞きますし、相談してもらえるのは危険を防ぐことができるのでむしろありがたいと思ってます♡

今週の教訓:サプリは表示量を守るべし! 飲み合わせは薬剤師に気軽に相談しちゃいましょ♡

【『福井セリナの「健康サディスティック♡」』は毎週月曜日更新!】