「ママリガ」はイタリア料理でも「ポレンタ」という名で親しまれています!

今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第34回は、ウクライナ周辺国から、モルドバやルーマニアの国民食として愛されている「ママリガ(ママリーガ)」を作りたいと思います。

ウクライナの南に位置するモルドバは、面積が九州くらいの小国で公用語はルーマニア語。欧州最貧国と言われ経済的に苦しいながらも、ウクライナから40万人以上の避難民が流入しています。避難民はルーマニアなど近隣国にも移動していますが、約10万人がモルドバに留まり生活をしているようです。

私がモルドバを訪れたのは2018年。ウクライナ南部オデッサからミニバスで国境越えをして、首都のキシナウという街に到着しました。噂通り素朴で何もないところでしたが、基本的なインフラは整っており、街は碁盤の目状に作られ整然とし、治安も良い印象でした。


マクドナルドの前を歩く迷彩服を着た女子たち

19世紀後半の露土戦争の勝利を記念して作られた「勝利の門」

公園の中心にある「キシナウ大聖堂(ナスレテア大聖堂)」

街中に観光資源は少ないものの、モルドバはワインの名産地として有名です。郊外にはギネスにも登録されているワイナリー、世界最大の200km越えの貯蔵庫を持つ「ミレスチミーチ」や、全長120kmの貯蔵庫を持つ「クリコバ」などがあります。クリコバはプーチンも御用達で、彼の50歳の誕生日が行なわれたりワインコレクションもあるそうです。

そしてモルドバといえばもうひとつ。2005年に一世風靡したルーマニア語で歌われる『恋のマイアヒ』はモルドバ出身の音楽グループO-zoneの楽曲。「のまのまイェイ~♪」のフレーズが懐かしいですが、ここでワインを飲まないわけにはいかない。私は地元料理が食べられるレストランへと走りました。

モルドバの国営ワインメーカークリコバ社のワイン

メニューを開くと私は安定のペリメニ(餃子)に惹かれつつも、サルマーレというロールキャベツ風のものと赤ワインを注文しましたが、付け合わせに「ママリガ」を頼むべきでした。

メニューの一面を飾るママリガとペリメニ

サルマーレというロールキャベツ風のもの

ママリガはトウモロコシ粉のお粥のことで、文化も言語も近いルーマニアでもポピュラー。イタリアでもポレンタと呼ばれ親しまれています。

トウモロコシの粉を水や塩と練り合わせて煮るだけの素朴な料理ですが、牛乳やバター、ブイヨンなどを入れるレシピもあり味がまろやかになるので、今回は水に牛乳半分とバターを入れて作ってみたいと思います。それではレッツクック!

材料:水(牛乳)、塩、バター、トウモロコシ粉。トッピングはお好みで!


<材料> 2~4人分

 ・トウモロコシ粉(コーングリッツ)...100g

 ・水(牛乳)...500ml

 ・塩...小さじ1/2

 ・バター...25g

*トッピング

 サワークリーム、パセリ、パルメザンチーズ、オリーブオイル、塩胡椒など


<調理>
1.鍋に水、塩、バターを入れて沸かす


2.バターが溶けたら弱火にし、泡立て器で混ぜながらトウモロコシ粉を少しずつ入れる

3.底が焦げないようにかき混ぜながら20分ほど加熱してできあがり

★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!


<実食>トッピングにオリーブオイルやパセリをかけてみました

でっぷりぼってりとした黄色い塊ができました。例えて言うなら、粘度のあるマッシュポテトやねっとりしたコーンスープでしょうか。食感はモチっとしていて、イモ餅バターや大根餅を思い出します。

優しいコーンの香りが特徴的なシンプルな味わいで、サワークリームを付けて食べるのが現地流。塩胡椒やオリーブオイル、チーズやパセリなどもよく合います。ママリガは単品で食べても良いですし、肉料理や魚料理の付け合わせとしてもポピュラーです。

また冷めると固まるので、それを一口サイズに切って揚げ焼きにするとこれがまた美味しい。カリッとサクッと中ふんわり。香ばしいコーンのフライドポテトのようなものが出来上がります。個人的には揚げ焼きした方が好み。ワインのお供に......、いやビールのお供にもピッタリです。ぜひお試しを!

ママリガをカットして揚げ焼きにしました

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew

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