不倫サレた妻、通称"サレ妻"。類語として"サレ夫"(不倫サレた夫)もある。そして今、SNSにはサレ妻(夫)アカウントがあふれており、こちらの想像を超えつつもリアリティのあるサイテーな話が読めると人気コンテンツになっているのだ! そんな"サレ妻"のかのんコマぱんだの3名が元気に(!?)語り合った――。

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■三者三様のサレ妻エピソード

●サレ妻歴2年 かのん(仮名) 
約1年の別居の末、今月に離婚が成立し1歳児のシングルマザーになったサレ妻。GPSを夫のクルマに仕掛けて現場に乗り込んだ。
Twitter【@mk__dt】 

●サレ妻歴10年 コマ(仮名) 
夫の不倫が発覚後に探偵を雇って離婚。その後探偵事務所で働いたサレ妻。夫婦カウンセラー資格所持。
Twitter【@koma_tantei2】 Instagram【@sarezuma_koma】 

●サレ妻歴2年 ぱんだ(仮名) 
子供がふたりおり、2番目の子供の出産のために里帰りしていた際に不倫発覚。再構築がうまくいかず、離婚協議中のサレ妻。
Twitter【@sarezum_panda】

リモート座談会は参加者の方々が子供を寝かしつけた後の23時からスタート。開始時間のリアルさに息をのむ......。

――遅い時間にお集まりいただきありがとうございます! まずは皆さんの〝サレ妻歴〟を教えてください。

ぱんだ こんばんは~。私は2年前にサレ妻になって以来、別居と同居を繰り返し、関係の再構築を目指してきました。が、最近諦めて、今は離婚に向けて準備を進めています。子供はふたりいます!

かのん 私もぱんださんと同じく、1年半前に元旦那の不倫が発覚して、再構築しようか迷っていたんですが、結局最近離婚しました。子供はひとりです。

コマ 私は約10年前にサレ妻に。離婚を経て今は再婚もしています。離婚後は探偵事務所で働いたり、夫婦カウンセラーをしたり。今はSNSで自分の実体験やフォロワーさんから寄せてもらった実体験を発信しています。

ぱんだ コマさんの発信、よく見てます~! お話しできるの楽しみにしてきました!

コマ え~! うれしい! ありがとうございます!

夫の2回目の浮気の際に探偵を雇ったサレ妻のコマさん。専業主婦だったため、離婚後の働き口に困っていたところ、依頼した縁もあり、経験を生かして探偵に

――皆さん、いろんなサレ妻歴をお持ちなんですね。なかでもコマさんはサレ妻から探偵に......? どういう経緯があったんですか?

コマ 自分が不倫されたときに探偵さんに調査をお願いしたんですけど、その方が本当にいい方で。離婚して慰謝料請求してっていう一連のことが終わったとき、当時専業主婦だったので路頭に迷っちゃったんです。そんなときに担当してくれた探偵さんが「自分の経験を生かせる仕事だよ」って探偵事務所の相談員に誘ってくれたんです。

ぱんだ 自分の経験が生かせる究極のお仕事だ......。

コマ そうそう(笑)。もうちょっと深掘りすると、私は2回不倫されてるんです。1回目はなんとか再構築して、「もうしないでね」って念押ししたんだけど、懲りずに2回目が発覚し、離婚しちゃいました。相談員の経験から見ると、再構築って思ったよりたくさんの人が目指すんですけど、結局成功するのは15%くらいなんです。

私も再構築した1回目の後より、離婚した2回目の後のほうが自分らしさを取り戻せたし、笑顔で過ごせるようになったし。だからそんな経験をサレ妻やサレ夫さんたちにもしてほしくて、今は不倫相談を受けています。

――ぱんださんとかのんさんも一度は再構築を考えられたんですよね?

ぱんだ 不倫が発覚してから1年半くらいは再構築を目指してましたね。当時は子供が小さくて、上の子が2歳、下の子は生まれたばかりで育休中でした。......というか、ウチは発覚の仕方が最悪で。

下の子を里帰りで出産して、少し落ち着いたときにちょっと服を取りに行こうと自宅に行ったら、最中の元旦那と女と鉢合わせ。なんか逆に冷静になっちゃって、「どちらさまですか?」って聞いちゃいましたもん。

コマ 強い......。写真とかボイスレコーダーとか、証拠は押さえてたんですか?

ぱんだ 今思えば写真でも撮っておけばよかったなって思うんですけど。ふた言目には「とりあえず免許証見せてください」って口から出てきましたね。「今日持ってきてない」ってシラを切ってきたので、「ああ、そう」って切り上げちゃいました。でも鉢合わせたっていう動かぬ証拠がありますからね(笑)。

子供を里帰り出産した後に服を取りに自宅に帰ったら、家族で寝ていた布団で最中だった元夫と相手女とドラマのような鉢合わせ。かなり冷静に免許証の提示を求めたという

――衝撃が大きすぎる......。まるでドラマですね。

かのん その点、私は証拠集めに必死でしたね。結局は元旦那のクルマにGPSつけて、相手女性の家に止まっているってわかった日に動画回して突撃しました。

ぱんだ 突撃......やば......。すぐ出てきたんですか?

かのん もちろん、インターホンで私が来たってバレるので、全然出てきてくれなくて。最後は元旦那に「会社に伝えるけどいい?」って言ったら不倫相手も一緒に出てきてくれましたね。

――「不倫してるかも?」みたいな兆候はあったんですか?

かのん スマホを手放さなくなったのと、LINEが鳴りやまなかったことが大きいかな。あとはちょっと気持ちワルいんですけど、急に足やワキの毛を整え出したんですよね。今までそんなことしたことないのに。

急に爪や髪の毛や服装など、身だしなみに気をつける男は不倫し始めた可能性が高い!? サレ妻のかのんさんも整ったワキ毛を見てピンときたとか

――整ったワキ毛で不倫がわかったんですか!?

コマ あ、でもウチもそんなもんでしたよ。急に身なりに気をつけ出すよね。髪とか爪とかそんなに整えてたっけ? みたいな。

ぱんだ 私、不倫発覚までは全然そういった兆候を感じてなかったつもりなんですけど、よくよく考えたらそういうのあったかも......。結婚した当初とは扱い方が全然違うし。妊娠と出産の時期にかぶってたので、自分が相手にされないとイヤに感じる男性だったのかも。

かのん 私、不倫が発覚してから理由を聞いたとき、「妊娠中の体に魅力を感じられなくなった」って言われましたよ。

コマ サイテー! おなかにいるのはあんたの子だろって言いたいね。

かのん ホントですよね。実際言っちゃいましたもん。そしたら「俺の子かはわかんないし」って言われて。衝撃でしたね......。

■不倫×SNSの化学反応

浮気相手のSNSをのぞき見するために作ったアカウントの名前は、夫の名前を入れた「○×の嫁」。当然フォローの許可は下りず、そのアカウントをサレ妻アカウントに転用した

――その後皆さんはツイッターなどのSNSで「サレ妻アカウント」を始めるわけですが、そのきっかけは?

ぱんだ 私は最初、不倫相手の女性がどんな人なのか気になって、その人のアカウントをのぞくためにアカウントを作ったんです。当時ちょっと「サレラリ期」で。

――サレラリ期?

ぱんだ サレてラリっちゃった期間のことです(笑)。もう自暴自棄だったので、旦那の名前を入れて「○×の嫁」ってアカウント名で相手女性をフォローしようとしたり(笑)。

そこからちょっと落ち着いて、自分の元旦那への思いをつづっていったら経験者から意見とか共感がもらえるかもしれないって思って、今に至ります。

かのん 私もぱんださんと同じで、サレ妻アカウントではなく見る専門のアカウントだったんです。でも「不倫された」って友達とかには言いにくいじゃないですか。だから吐き出せない気持ちをツイートし始めたんです。次第に共感してくれる人が増えてきて、今ではDMで同じ境遇にいるサレ妻さんの相談に乗ったりしてます。

ありがたかったのは先日離婚手続きをしたとき、公正証書の書き方をフォロワーさんに教えてもらったこと。「公正証書ってどう書けば......」って困ってたら、サレ妻の先輩たちが教えてくれたんです。

コマ 私が不倫された10年前は〝サレ妻〟なんて単語もない時代。ネットで不倫の情報を集めていてもわからないことだらけでした。そこで、同じ状況の人に何かできないかと2年前にサレ妻アカウントを開設しました。こんなに見てもらえるとは思いませんでしたが。

今はSNSを通じて、年間2000件弱の相談を受けてます。それだけ悩んでる人も多いんですよね。

――ちなみに一番反響が大きかった投稿は?

かのん 先日ツイートした離婚報告です。私のツイートはこれまでの近況報告や自分の考えが主でしたので、フォロワーさんも今どういう状況なのかとか、どうなったのかが気になっていたのかもしれません。

反応として一番多かったのは「お疲れさまでした」や「おめでとうございます」などの今後の幸せを願ってくれるようなもの。なかにはスタバのギフト券をくれる方もいました。

■〝シタ夫〟は嘘つきのスポーツ好き?

――皆さんの元夫さんに共通する、いわゆる〝シタ夫〟のあるあるってありますか?

コマ えー、なんだろ、嘘つきなところかな......。

ぱんだ わかる! タチ悪い嘘とかじゃなくて、「なんでそんなところで嘘つくんだろう」ってところで嘘つくんですよ。行ってないのにコンビニに行ったとか、お昼にしたことを夜やったとか。

――その嘘で何を隠そうと?

ぱんだ それがわからないんですよ(笑)。そんな嘘つかなくてもなんの不利益にもならないじゃないですか。何を守るために嘘ついてたのかは今でもわからないですね。

コマ あと論点ズラすのが上手だったり、どこかモラルが欠けてたり。かのんさんの元夫の「俺の子かわからない」発言はまさにそうだと思う。

かのん モラハラって言われるとなんか納得できる気がします......。モラハラな言葉を言われているときって感覚がマヒしちゃうというか。これがこの人の普通なんだなって思うしかないんですよね。今思い返せばヒドいことを言われていたなあ。

ぱんだ これは余談ですけど......。スポーツは好きでしたよ。もともとサッカー部で、女のコからちやほやされる立場にいましたね。

――スポーツ男子、シタ夫なりやすい説......?

コマ あ、それはウチもそうですね。女のコと一緒にスノボによく行ったりとか、カッコいいところを見せるためにいろいろしてた気がします。

かのん それをいうと、実は元旦那は元スポーツ選手で......。

ふたり えええ!?

かのん 女のコのファンとかもいたと思いますし、今聞いてちょっと思い当たるところはありますね。自分をカッコよく、大きく見せるのが得意なんだと思います。

――ちなみに芸能人の不倫報道を目にしたときはどういう感情になりますか?

かのん 当時の思い出がフラッシュバックするので見たくないです。やはり、奥さまがどれだけツラい思いをしたのか、お子さんがいたらお子さんの気持ちを考えてしまいます。一般の方と違って公にされることで家族がより傷つくことがあると思いますし。

コマ 私自身、不倫された後、再構築期間中に芸能人の不倫報道が流れると吐き気がしました。息子のことが大好きだった元しゅうとめはそういうニュースを見て「不倫は誰でもするのよー」と言う始末。芸能人の報道が出れば出るほど不倫という罪が軽いものになっている気もします。

余談ですが、東出昌大(ひがしで・まさひろ)君のように、それまで不倫しそうもないと思われていた人の不倫報道は、相談員の仕事では役立ちましたね。自分の夫がそんなことするはずないと信じていても「東出君でもやってたんだから」と言うと納得してもらえたりする。

――最後に、今不倫に悩むサレ妻・サレ夫さんに向けてひと言お願いできますか?

コマ 探偵としてアドバイスするなら、「怪しいと思ったら問い詰めないで泳がす」ですね。疑わしきは罰せずが日本の法律です。

怪しいなって思っても、準備もせずに問い詰めすぎると、その場ではぐらかされ、その後、ガードが堅くなってなかなか証拠が出てこなくなることも。私はサレ妻さんには、「がんばって役者になってね、その先は幸せが待ってるよ」とお伝えしてます。