独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、冷やし中華をあえてラーメン化した「冷凍冷やし中華のラーメン」!

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【今回の食材】
・冷やし中華(ニチレイフーズ) 1個 ・味覇(廣記商行) 適量 ・にんにく背脂(エスビー食品) お好みで ・食べるラー油 お好みで

野島 今年ニチレイフーズから登場した冷凍の冷やし中華、これすごいぞ。レンチンをしたら麺が冷たい状態で仕上がるんです。

助手 スゴッ! 日本人の食の探究心は、ある意味バカレシピよりもよっぽどバカ!

野島 でもこれにはひとつだけ弱点もあって。麺が冷たく仕上がるのは麺と一緒に氷が入っていて、レンチンしても氷はマイクロ波の影響を受けずに残る特性を生かしているからなんですが、なんといっても今年は猛暑。買って帰るまでの間に氷が溶けたら、冷たく仕上げられなくなってしまうのです。

助手 それは困るッスね。

野島 そこで今回はこの冷やし中華をあえてラーメン化させてみようかと思います!

助手 なるほど、台なしなようで氷を溶かしちゃった人の救済措置になるし、意外と人の役に立つかもッスね!

野島 それでは、まず冷やし中華をレンチンしますよ。

助手 本当にレンチンしても解凍されるのは麺と具だけで、氷はそのまま残ってるッス!

(1)移す! ニチレイの冷やし中華を手順どおりにレンチンしたら、麺だけを丼に移す。溶けた具材はまだそのまま。残った氷は技術の結晶。敬意を込めて麦茶にでも入れ、有効活用しよう

野島 麺は丼に移しましょう。溶けずに残った氷は麦茶にでも入れればフードロスゼロ!

助手 さすがに氷を無駄にしたって怒る人はいないだろ!

(2)味つけ! 麺を入れた丼に冷やし中華のタレと味覇を入れる。味覇の量はチューブタイプならひと絞り程度、とぐろを巻くように入れてみよう。通常タイプなら小さじ1~2杯程度が目安だ

野島 続いて丼に冷やし中華のタレと味覇を入れます。味覇はチューブタイプがオススメ。麺の上にチューブでまきぐそを作れば背徳感を味わえますから。

助手 そんな理由でチューブを勧めるんじゃない!

(3)熱湯! (2)に熱湯を注いで味覇を溶かし、よくかき混ぜたら具材を盛りつけて完成。最初は濃いめに作るつもりでお湯を注いで味見し、少しずつお湯を足してお好みの味に調えるのがコツ

(4)完成!「冷凍冷やし中華のラーメン」

野島 ここに熱湯を注いで混ぜ、具を盛りつければ完成です。

助手 うおおっ、これ想像をはるかに超えてウマいッスね! たとえるなら酸辣湯麺に近い味。さっぱりとしたタレの味を鶏ガラがちゃんと下支えしてるッス! 麺の喉越しも最高!

(5)味変! 酸辣湯麺のようにさっぱりとウマいラーメンに仕上がるが、にんにく背脂や食べるラー油での味変もオススメ。さっぱり系とガッツリ系による奇跡のイリュージョンだ!

野島 さりげなくこのタレも実にいい味なんです。あとは味変でにんにく背脂や食べるラー油を入れると、さっぱりガッツリの融合を味わえますよ。

助手 わっ、マジでウマい! さっぱり味とにんにく背脂とかラー油がこんなに合うとは!

野島 酢醤油+ニンニク+豚の脂+ラー油って、要は餃子と同じ原理なんですよね。

助手 納得! そりゃあウマいわけだ。このラーメン、夏に食べるのも完全にありッスね!

野島 ニンニクとラー油の刺激で発汗できるのも夏向けです。しかし暑いな。こうも暑いと冷やし中華を食べたくなりますね。そうだ、これに氷を入れて冷やし中華に戻してみるか?

助手 そんなことするなら最初から冷やし中華のまま食え!

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』

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