フレッシュなバジルで「ペスト」を作ります！
みなさん、こんにちは。あ、今日は私の誕生日だっけ。「人生１００年時代」にまだ半分も生きていない未熟者ですが、ハーブの自家栽培などを楽しむ落ち着いたお年頃にはなりました。
この夏はバジルを栽培しましたが、太陽の恵みを受けてグングンと成長！ ツヤツヤと輝く鮮やかな緑とフレッシュな甘い香りにイタリアのジェノバを思い出しました。
というわけで、今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第３８品目は、愛を込めて育てたバジルちゃんたちを収穫し、イタリア伝統料理「ペスト・アッラ・ジェノベーゼ」、通称「ペスト」のパスタを作りたいと思います！
イタリア最大の貿易港であるジェノバ港
街の中心・フェッラーリ広場
コロンブスが幼少期を過ごした家
「ペスト」はバジルや松の実などを使用した、イタリア・リグーリア地方起源の伝統的な緑色の調味料のこと。日本では「ジェノベーゼ」という名で浸透していますが、そう呼ぶのは日本人だけだとか。本場イタリアで「ジェノベーゼ」と言えば、肉と玉ねぎを基本とするナポリ料理の茶色いソース「スーゴ・アッラ・ジェノベーゼ」のことを指します。
また、「ペスト」はイタリア語で「砕いたもの」という意味であり調味料の一般名詞となっています。ドイツ語の病名や英語のペースト（練ったもの）とは無関係。
私はこれらの知識を得てから、イタリア料理店で緑のパスタが出てくるとついつい、「イタリアではこれはジェノベーゼではなくペストと言ってね......」とウンチクを語ってしまうのですが、友人には「でた、旅人マウンティング」と若干うざがられています。
ジェノバのマーケットで売られるペストたち
そして、ペストに合わせる定番のパスタは「トロフィエ」というねじれた手打ちのショートパスタ。緑のソースに絡められたその姿はまるで青虫......？ お口に入れるとクニクニとした食感がクセになる最高に美味しい青虫です！（褒めてます！）
人気レストラン「Ｉｌ Ｇｅｎｏｖｅｓｅ」のトロフィエのペスト・アッラ・ジェノベーゼ
２０１６年、私がイタリアのジェノバを旅した時のこと。
「この街で一番美味しいペストのパスタが食べたいんや！」
と鼻息荒く、観光客に人気のレストラン「Ｉｌ Ｇｅｎｏｖｅｓｅ」や行列のできるレストラン「ＣＡＶＯＵＲ２１」へ向かうと、メニューは期待通りペストだらけ！
「トロフィエ」はもちろん、イタリア最古の生パスタ「テスタローリ」、断面が楕円形のロングパスタ「リングイネ」、三角形や菱形をした平たい麺「マルタリアーティ」などさまざまなタイプのパスタでペストを堪能しました！
行列のできるレストラン「ＣＡＶＯＵＲ２１」
（左上から時計回りに）「Ｉｌ Ｇｅｎｏｖｅｓｅ」のテスタローリ、「ＣＡＶＯＵＲ２１」のリングイネ、マルタリアーティ、トロフィエ
それでは作ってみましょう。ペストの定番の具材はジャガイモとインゲンですが、今回私はインゲンをオクラで代用。また、トロフィエの手打ちはいつかの目標にするとして、オンラインで評判の良い「ＰＡＳＴＡＩ ＧＲＡＧＮＡＮＥＳＩ」のトロフィエをポチりました！
「ＰＡＳＴＡＩ ＧＲＡＧＮＡＮＥＳＩ」のトロフィエ
＜材料＞ 約１～２人分
＊バジルペースト
・バジル．．．３０ｇ
・松の実．．．１５ｇ
・オリーブオイル．．．６０ｇ
・ニンニク．．．１片
・塩．．．５ｇ
・粉チーズ．．．１５ｇ程度（お好みで）
＊パスタ（１人分の分量）
・パスタ（トロフィエ）．．．８０ｇ
・ジャガイモ．．．半分
・オクラ．．．１、２本
材料：バジル、松の実、オリーブオイル、ニンニク、塩、粉チーズ、パスタ（トロフィエ）、ジャガイモ、オクラ
＜ワンポイントメモ＞
＊松の実は炒っておくと香ばしさがでます。
＊ニンニクは軽く茹でておくと味がマイルドになります。
＊バジルは熱に弱いので調理用具は冷やしておくと良いです。
＜調理＞
１．ボウルにオリーブオイル、松の実、塩、ニンニクを入れて、ブレンダーですり潰す。（フードプロセッサー、ミキサー、すり鉢でもＯＫ）
２．１にバジルを加えて絡めたら、ブレンダーですり潰してソースのベースができあがり。保存する場合はここまで。すぐ食べる場合は粉チーズを加える。
３．鍋で湯を沸かし塩を適量入れ（分量外）、パスタ、一口サイズのジャガイモ、オクラを一緒に茹でる。オクラのみ２分程度で取り出し、一口サイズにカット。
４．２のソースを半量ほど、茹でたパスタと野菜類に絡めてできあがり！
★ＹｏｕTｕｂｅで実際の料理シーンも見てみてね！
＜実食＞
さすがは天下のイタリアン！ 間違いのない材料と簡単レシピでお味は完璧。世界の料理には日本人の口に合わないものもあるけれど、私たちがよく食べるパスタはやっぱり安定です。さらに、わが子（自家栽培バジル）で作ったペストは美味しさ倍増に決まってる！
緑鮮やかなペストのパスタのできあがり！
私は個人的に麺タイプのパスタが好きなのですが、トロフィエのモチモチクニクニとした食感は別物！ ホクホクの柔らかいジャガイモも相性が良く、インゲンの代用で入れたオクラも良いアクセントになりました。
自家製ペストとのマッチング、成功です！ こんなに美味しいペストは初めて（自画自賛）。来年の夏もまたバジルを育てることをここに誓います......！
青虫みたいな見た目だけどモチモチクニクニしてて美味しいトロフィエ
ところで当コラムのジェノバの回で、「いつかバジルを育て自家製ペストで素敵な男性の胃袋を掴んでやろう」などと豪語していた私ですが、遅ればせながら、ついに良いご縁に恵まれ身を固めました。しれっとご報告ですが、これからも応援いただければうれしいです！
●旅人マリーシャ（旅人まりーしゃ）
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴１２年、１２５ヵ国訪問。地球５周分くらいの旅。２０１４年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
Twitter【marysha98】
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