秋も本番、これから冬に向けて寒さが厳しくなる季節ーー行楽の旅先で裸になれば、心も体も一夜の温もりを求めたい!

というわけで、週プレ・風俗担当を長年務めた本誌・K山がベテラン風俗誌編集長・N野氏、現役風俗ライター・S本氏と、昨今の"いい湯だね?"事情を語る!

■地方情緒あふれる湯の花が消失していく!?

K山 N野さんとはもう15年くらいのおつきあいで、あちこち色街を求めて歩きましたよね。

N野 よく一緒に取材行きましたね。10~15年前で、まだ温泉街でも各地に名残(なごり)があって元気だった。

K山 こんなに温泉場と風俗がペアだったのかと勉強させてもらいました(笑)。なかでも最初の驚きは片山津(かたやまづ)温泉(石川)で。

S本 山中山代(やましろ)なんかと加賀三湯とも呼ばれる古くからの名湯のひとつですよね。

K山 各ホテルをワゴンが回って客をピックアップ、街中から離れた道沿いにあるビジネスホテルの部屋に入れられると、そこに女のコが来るという。

N野 ホテル丸ごとそれ用で、普通の宿泊客がいない。加賀三湯は近いんで全盛期にはそういうのが6、7軒、そこらで兼ねてて、どこも同じ感じでした。

K山 女のコも若くて金沢あたりから来てる日本人で。でも最近はなくなったとか?

S本 何年かごとに手入れがあって、最近もドカーンとやられて壊滅状態みたいです。ただ、ソープがあるんでそちらに……。

K山 年配の仲居さんが斡旋(あっせん)してくれて、自分もちょっとしたストリップ風の芸を見せたり。味わい深かったですけどね。

S本 どこもだいたい、仲居やタクシーの運転手、スナックのママさんが紹介、それとぽん引きってパターンですよね。

ピンクコンパニオンに置屋の芸者

K山 九州の嬉野(うれしの)温泉(佐賀)も印象深くて。90年代後半に佐世保からスーパーコンパニオンってのを呼んで、別料金払えば最後までって話だったけど交渉が成立せず。そしたら……。

N野 地元の置屋(おきや)や芸者でしょ? 昼間でも呼び出したら一緒にご飯食べて、その後、郊外のモーテルでお相手してくれる。

K山 そのモーテルもコテージ風に分かれてて立派なんです。しかもツルッツルッの美肌湯で、女のコと入った風呂場の床でステーンと転ぶほど(苦笑)。そのときも相手は若い日本人のコで忘れられない思い出ですね。

S本 今はそういう置屋も消滅したみたいですよ。その分、やっぱりソープが充実してますけど。ほかでピンクコンパニオンといわれる存在もマニアックな温泉では残ってたりします。

N野 関東近辺では笠間(茨城)とかがそうだよね。

S本 主に泊まりのゴルフ客を相手にコンパニオンで来て、延長2回以上でロングタイムのお遊びになるという。普通のコンパニオンより衣装もセクシー系なので、そこを見分けてタッチありのゲームをしつつ(笑)。

N野 ただ、周辺とか栃木の温泉でもあったけど、震災以降は影響受けたのか聞かなくなった。

K山 それでいうと、いまだに元気なのは連れ出しスナック系が主流の温泉だとか?

N野 なんといっても上山田(かみやまだ・長野)、月岡(新潟)、天童(山形)でしょうね。上山田なんて、あの規模にしては異常なスナックの多さですから。

K山 そういう所は逆にソープがなかったり?

S本 だから代わりにスナックが発達してるという。ピンクコンパニオンもですけど、基本は当人たちとの同意の上で自由交渉が建前ですから裏で生き残りやすいんでしょう。

N野 月岡は2001年に映画化された『新・雪国』という作品の舞台にもなってましたが、まさにその世界を再現してますよ。芸者と客の関係とか。

K山 芸者というと置屋系?

S本 いや、スナックの連れ出しが基本で一応、和服を着てるんで芸者さんって呼ぶんです。

K山 それは日本人ですか?

S本 日本人だけど、年齢は30代後半から40代メインのお姉さま方(苦笑)。それに比べると、上山田や天童はタイ語や韓国語の看板も多くて国際的に彩(いろど)り豊かですが、女のコは若い!

北の温泉地は壊滅的…?

■活気を残し生き残るメジャー温泉の裏で……

K山 しかし、人肌恋しいのか雪深い地域が多いような……。

N野 ところが、今一番変わらずハデにせめぎ合ってるのが別府(大分)と道後(どうご・愛媛)という西のメジャー温泉なんです。

K山 どちらも超観光地化してファミリーからカップル、女連れまでの有名温泉なのに!?

N野 昔は社員旅行とか男の団体客相手に温泉場でソープやストリップが大繁盛したワケですが。ファミリーや女性向けになりつつもしぶとく生き残ってると、それ目当てに人も来ると。

S本 道後のネオン坂なんかは裏風俗ということで完璧に一掃されて廃(すた)れちゃいましたが。

N野 その代わり、『坊っちゃん』で有名な道後温泉本館に向かうアーケード通りは両横の裏道に一本入ればソープ街にヘルスのビル、ストリップまで。

K山 どこも表向き健全化してるなか、そんな昭和の風景が!

N野 西でいうと、そこまでじゃないけど皆生(かいけ)温泉(鳥取)なんかも高級志向に見せてソープが頑張ってます。まぁ、あそこは自衛隊の駐屯地がそばにあって元気だって話もあるけど(笑)。

S本 下呂(げろ・岐阜)もメジャーですけど、いまだに枕芸者はいますね。タクシーの運転手に聞いたら「わかりました!」って和風旅館風の置屋に連れていってくれて直接交渉するんです。

K山 まだまだ日本の旅情にはそういう色街も隠れてると。

N野 そういう意味では、北国はほんと廃れて寂しいですね。浅虫(青森)、花巻(岩手)、福島の東山温泉に飯坂(いいざか)温泉……昔は大勢でにぎわって華やいでた。

S本 ストリップの芸なんてのも楽しかったんですけどね……。

K山 うーん、時代とはいえ、いかがわしさが失われるのもツマらん!