AVブームのキッカケについて語るバクシーシ山下(左)、カンパニー松尾(右)両氏

日本にAVが誕生してから、まもなく35周年――。

社会現象を巻き起こした映画『テレクラキャノンボール2013』でおなじみの監督ふたりが、その歴史をプレイバックする連載企画『カンパ ニー松尾とバクシーシ山下のAV史講義1981-2016「なぜAV女優は憧れの職業になったのか?」』が週刊プレイボーイ本誌でスタート!

今回は、AVブームが一気に加速した80年代中盤の様子をたどる。

■宇宙企画と童貞マインド

――まず、本格的にAVが人気を獲得するのって、いつ頃なんでしょうか?

山下 83年にビデ倫(日本ビデオ倫理協会)加盟メーカーが50社(非加盟含むと約90社)を超えて、全国でAVのレンタルが始まるんですね。で、87年にレンタル店が全国で2万店を突破して、それまで1千円を超えてたレンタル料金が一気に500円以下になるタイミングがあるんです。そこはひとつ、ポイントとしてあるんじゃないかなぁと。

――レンタルAVの一般化が人気を後押ししたということですか。

山下 それは間違いなくありますけど、TVの力はここでもデカかったですね。

松尾 83年に『オールナイトフジ』が始まったんですよ。あの番組は確実に導火線になってますね。

山下 深夜とはいえ地上波の番組にAVを紹介するコーナーがあってね。オールナイターズのコ(高野みどり)がAVデビューするっていうクロスオーバーもあったりして。

松尾 全国的なブレイクっていうのは85年から86年あたりだと思います。村西とおるさんが軍団を引き連れてTVに出まくって人気が爆発したっていう感じです。AV女優ってホントに深夜番組でよく見かけましたから。

――それぞれ、印象に残ってるAV女優っていますか?

松尾 僕は、宇宙企画からデビューした秋元ともみですね。本番もフ○ラもないけど、とにかくカワイくて、その後の美少女ブームっていうのを牽引していくわけですけど。

山下 宇宙だと、かわいさとみもスゴかった。デビュー作の『ぼくの太陽』なんて、カラミすらないのにオリコンでベスト10に入るほど売れちゃってね。

松尾 当時の宇宙企画の人気って本当にものすごかったんですよ。

カンパニー松尾×バクシーシ山下の“AV史”白熱教室 ~80年代編【1】~カンパニー松尾×バクシーシ山下の“AV史”白熱教室 ~80年代編【3】~

80年代、AV嬢はフ○ラを避けていた…

――何か秘密があったんでしょうか?

松尾 とにかく女優が服脱ぐのをもったいぶるんです!

山下 ブラ外すまでに何分かかってんだっていう(笑)。

松尾 それまでのAVって、すぐオッパイを服の上から揉んじゃうみたいな雑な撮り方が大半で。だから宇宙少女(宇宙企画所属の美少女)たちがもったいぶる姿は、逆に新鮮なエロとして映ったんじゃないかと。宇宙は女性を神格化するようなとこがあって、その世界観もまたよくて。

山下 要するに、童貞が喜ぶ作りになってたんですよ(笑)。

――童貞マインドをくすぐる、ある意味でのファンタジーというか…。

山下 そうです。ちなみに、童貞でも宇宙が「疑似(本番)」だっていうのはわかった?

松尾 いや、そこまでたどり着けずに、パンチラやオッパイ揉み揉みシーンでイッちゃってたから(笑)。

山下 そう(苦笑)。俺、学生の頃からAV男優として宇宙の作品に出演してた経験があるんで、疑似事情には詳しいんですよ。

――疑似事情(笑)。

山下 当時の宇宙は本番だけじゃなく、なぜかフ○ラまで疑似(笑)。男優は女優の顔の前で張形をボヨヨ~ンって持ってたもんです。

――それはやはり当時の女性たちがセックスに対してあまり積極的ではなかったからですか?

松尾 当時はフ○ラって特殊なプレイでしたよ。ちょっと後の話になりますけどね、僕が林由美香と付き合ってた時、一切フ○ラしてくれなかったですからね。何度も頼んだんですけど、「フ○ラは違う」って(苦笑)。

山下 サービス悪い女だなぁ。

松尾 (無視して)今とは違って、フェラにコンプレックスを抱えてる女のコは多かった気がしますね。

山下 まあ、腰をグラインドさせるような女もまずいなかったしね。騎乗位で腰振ったら、男から「コイツ玄人か?」って疑われる、そんな時代でしたから。素人は正常位かバック。それ以外はなかったんじゃないですかねぇ。

●この続きは9月12日(土)配信予定。また、この連載と連動したイベントの開催も決定しています。詳細は以下をチェック!

カンパニー松尾×バクシーシ山下の“AV史”白熱教室 ~80年代編【1】~カンパニー松尾×バクシーシ山下の“AV史”白熱教室 ~80年代編【3】~

(取材・文/黒羽幸宏 撮影/井上太郎 協力/ハマジム http://www.hamajim.com/)

イベント開催決定!!週刊プレイボーイ連動企画『なぜAV女優は憧れの職業になったのか?』「カンパニー松尾×バクシーシ山下 公開ナマトーク VOL.2」

【日程】 2015年10月26日(月曜日)【時間】 開場18:30/開演19:30【会場】 阿佐ヶ谷ロフトA【出演】 カンパニー松尾、バクシーシ山下ほか、ゲストあり!【料金】 前売2500円/当日3000円(共に飲食代別)

【問い合わせ】 阿佐ヶ谷ロフトA (03-5929-3445)

【イベント内容】週刊プレイボーイで好評連載中『カンパニー松尾とバクシーシ山下のAV史講義1981-2016』の内容に沿い、その当時のAVをカンパニー松尾とバクシーシ山下がナマプレビューする大好評トークイベント第2弾!!

今回はオタクやギャル、テレクラ、エンコー、風俗など、時代の流行を取り込んだ企画もの全盛期である90年代中盤から00年代前半までを松尾&山下両監督が腕をふるったh.m.p作品群を中心に振り返ります。●カンパニー松尾1965年生まれ、愛知県出身。87年に童貞のままV&Rへ入社し、翌年に監督デビュー。代表作は『私を女優にして下さい』シリーズ。『劇場版テレクラキャノンボール2013』『劇場版 BiSキャノンボール2014』が社会現象的大ヒット

●バクシーシ山下1967年生まれ、岡山県出身。大学在学中にAV業界へ。90年に各方面で物議を醸した『女犯』で監督デビュー。以降、社会派AV監督として熱い支持を受ける。『ボディコン労働者階級』ほか代表作多数。著書に『セックス障害者たち』(幻冬舎)など