橋本ゆき(本名/橋本侑樹)1992年生まれ。3月まで仮面女子の桜雪(東大卒アイドル)として活動していた

4月に行なわれた統一地方選で、予想外の初当選を果たした"キャラ立ち議員"を直撃する連続インタビュー。

第3回目は、東京・渋谷区議に当選した、東大卒の元地下アイドル・橋本ゆき氏に聞いた。

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──アイドルが、なぜ政治家に?

橋本 私は東大生アイドルとして、政治の勉強をしながら若者に「政治に参加しよう」「20代、30代の政治家が必要です」とずっと発信してきました。

そして、若い、しがらみのない、特に女性の政治家が現れるのを待っていたんです。でも、なかなか現れない。それなら、もう自分がやるしかないと思ったんです。

──選挙運動は大変でした?

橋本 何から始めればいいかネットで検索しました。でも、あまりにも私が手探りでやっていたので、途中から公認を受けていた「あたらしい党」(代表・音喜多駿/おときた・しゅん)から経験のある方が手伝ってくれました。

それでもわからないことばかりで、街で「夜7時以降は街頭演説しちゃダメなんだよ」って言われて、「私が間違っているのかな」って混乱して選挙管理委員会に聞くと「午後8時まで大丈夫ですよ」って教えてもらったりもしました。

──くじけそうになった?

橋本 心ないことを言う人もいました。「アイドル気分でやろうと思ったら大間違いなんだよ」「おまえには絶対に入れないからな」とか。ビラを配っているときに腕をつかまれて「飲みに行こう」って引っ張られたり......。

──落ちることも考えた?

橋本 ずっと考えてました。当選の最低ラインが1500票といわれていたんです。私はアイドル時代に劇場で毎日ライブをやっていて、そこの定員が400人なんです。仮面女子約30人でも満員になることはまれなのに、私ひとりの力で1500票を集めるのは難しいんじゃないかなと思ってました。

──でも、結果は2376票を獲得しての4位当選。

橋本 ありがとうございます。区議としてやりたいことは、まずは教育です。テクノロジーを使って教師の負担を少なくして、教育の質を上げる。多様性教育も必要。

それから、区や市単位で日本を変えるメンバーを増やしたい。性別にこだわっているわけではありませんが"渋谷区議女子"みたいなものもつくりたいですね。