"ホリエモン"
こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

金足農業高校の快進撃に沸いた今夏の甲子園で、物議をかもした投球数問題の解決方法を考える。

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ホリ 今年の夏は甲子園が盛り上がったよね。決勝で負けてしまったけど、公立の金足農業高校の快進撃にみんなが大注目していた。

ひろ 堀江さんって、高校野球見るんすか? なんか野球好きなイメージがあんまないです。

ホリ たまに見るよ。

ひろ へー。じゃあ、地元の福岡の高校が勝ち進んだりすると、やっぱり応援するんすか?

ホリ うん。ついつい応援しちゃうね。オリンピック日本代表を応援している感覚に近いかも。実家からめっちゃ近くにある西日本短期大学附属高校が甲子園で優勝したとき(92年)とか、もうお祭り騒ぎだったよ。

俺が小学校のときは"底辺校"なんていわれていたけど、突然、野球に力を入れ始めて数年で優勝。阪神タイガースとか北海道日本ハムファイターズで活躍した新庄剛志さんもそこの出身だし。

ひろ なんか金足農業の地元・秋田でも大フィーバーだったらしいですけど、東北勢が優勝したことって一度もないみたいですね。

ホリ 東北って"野球不毛の地"なんていわれていたけど、強豪校は関西とかから選手を集めてたりしている。そこで全員が地元出身の公立高校が準優勝ってのは、人をひきつけるストーリーがあるよね。

ひろ 決勝で戦った大阪桐蔭高校は、私立校で全国から優秀な選手をガンガン集めてるんですもんね。だから、エース級のピッチャーが何人もいる。

一方で金足農業の吉田輝星君は、決勝の途中までひとりでずっと投げ抜いていた。ストーリーとしてはいいんですけど、そんな酷使が批判の対象になってたりします。

ホリ 甲子園で881球投げたらしいけど、投球数も投球間隔もプロの世界ではありえないよね。

ひろ プロは100球投げたら中5日とか空けるんですっけ? それなのに高校生に連日投げさせるとか正気の沙汰じゃないですよね。

ホリ 確かに、ちょっと残酷ではあるよね。でも、そうしたストーリーがあるところが甲子園の醍醐味(だいごみ)でもあるから難しいところだったりする。

ひろ エンタメとして見るなら選手が故障するぐらいのほうが、ストーリーに深刻さが出て面白いですからね。プロレスラーの大仁田厚さんだって、有刺鉄線デスマッチとかしていましたけど、あれは血だらけだからエンタメとして成立したわけですから。

ホリ 「過酷な真夏の短期決戦トーナメントに高校生が人生をかけて挑む」というストーリーが、多くの人々の心を揺さぶるわけだからね。高校球児にとっては大変だけど、エンタメコンテンツとしては最上でしょ。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが甲子園の投球数問題に「マネタイズできれば、球児たちが野球しやすい環境整備もできる」

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮装通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)