"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、先日ツイート休止を宣言したばかりのZOZO前澤友作社長のツイート活動。前編では年始に注目を浴びた「1億円お年玉キャンペーン」について、「1億円でこれだけの広告効果を上げるって、どんなに優秀な広告代理店に頼んでも難しい」「これからの広告は、こういうあからさまに金をばらまくみたいなカタチが多くなってくるのかも」とその宣伝効果について認めた。

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ホリ あと、現金じゃなかったけど、昨年末にPayPayが100億円のキャッシュバックをやってバズっていたよね。それで、今回の前澤さんのキャンペーンとPayPayのキャンペーンを比べている人もいるみたい。

ひろ PayPayは加盟店を増やす必要があるので、リアル店舗でサービスを使わせることに意味があったと思うんです。もしPayPayのあのキャンペーンがなかったら、加盟店にならないって店は多かったはずです。

決済手段が増えるのって、オペレーションコストが上がりますから。ってことで、あのキャンペーンは成功だったと思います。一方で、前澤さんのキャンペーンは"新しいPRのカタチ"っていう意味で考えると、かなり特別なケースだと思うんですよ。

ホリ なぜ?

ひろ 今から前澤さんレベルのお金持ちがお年玉キャンペーンをやっても、あれ以上は盛り上がらないはずです。二番煎じはそこまで効果ないので。仮にソフトバンクの孫正義社長がやっても前澤さんほどのムーブメントにはならないかと。

ホリ なるほどね。その後も前澤さんは、ツイッターで心臓移植への支援を発表して、そっちでもまた話題になったよね。

ひろ お年玉キャンペーンよりはバズっていないみたいですけど、フォロワーが増えた分、RT数はすごいことになっているみたいですね。

ホリ まあ、有名人による支援要請というのは前からあるけど、前澤さん的には前回のバラマキ企画へのアンチ対策という側面もあったんだと思うよ。

ひろ お年玉キャンペーンを批判していた人も、この支援に対しては「この金持ちはけしからん!」とは言いづらいですからね。命を救おうとしているわけで。

ホリ ただ、こういった支援で臓器移植を待っている人に影響が出るのも事実だよね。

ひろ そうっすね。それで前澤さん批判している人もいるみたいですから。堀江さんはどう思います?

ホリ そういうのは個人の考えだから別にいいとは思うけど、俺は移植支援はやるつもりはないかな。

ひろ まあ、今回のお年玉キャンペーンは、投資家からすれば「フォロワーを増やすより、株価を上げろ」というのが、まっとうな意見なんでしょうね。前澤さんが使ったお金を事業の研究開発などに使っていたら、業績がもっと良くなっていたかもしれないですから。

ホリ ZOZOSUITも、プライベートブランドもうまくいってるとは言い難いからなあ。

ひろ なので、「月旅行とかお年玉とか、本業と違うところで目立つのはどうなんだ?」って思っている投資家は多いと思います。

ホリ ま、そりゃそうだ。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)

*この記事は『週刊プレイボーイ』6号(1月28日発売)に掲載されたものを配信しています。情報は、その時点のものとなることをご了承ください。

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