"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、お粗末すぎる五輪関連システムについて議論する。

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ホリ 東京オリンピックの観戦チケットの抽選申し込みが、クソみたいなサービスで大炎上したね。オンラインなのにチケットを買うために1時間近く待たなきゃいけないというヘンな状況で(笑)。

ひろ ほんと、どうしようもない感じっすね。

ホリ おそらく世界規模のクラウドサービスを使わず、昔の日本のやり方でシステム構築した感があるよね。過去にやってきたゼネコンの仕組みが、そのままITにも引き継がれているんだろうね。

ひろ きっと、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会側の仕様策定がヒドいんでしょうね。

ホリ お役所仕事だから、業者の選定方法が古いのは仕方ないけど、いつまでもこんな非効率がまかり通っているのはどうなのよ?

ひろ 結局、政治的な思惑とかどうでもいいこだわりを仕様に入れて、現場はその夢を実現し、誰も望んでなかったモノが出来上がるといういつものパターンっすよね。

現場「初日にアクセスが殺到しちゃいます」→偉い人「欲しければ並んで待たせればいいだろう? 人気チケットなんてそういうものだ」→現場「仰せのままに!」みたいな?

ホリ そんな感じだろうな。

ひろ パソコンを触ったことのない人がサイバーセキュリティ担当大臣になる国ですし、しかも、その人が五輪担当大臣でしたし。

ホリ しかも、オンライン使っているのに1年以上も前に予約しなきゃいけないってなんなんだよ。急遽(きゅうきょ)行けなくなる人とか絶対いるじゃん。それで高額転売を防ぐための公式転売システムを作るみたいだけど、それもITゼネコンあたりに法外な価格で外注してクソシステムができそうな予感しかしない。

たぶんダイナミックプライシング(需要と供給に応じて価格を変動させる)を導入しないサイトが運用されるだろうから不幸でしかないよね。

ひろ チケットの抽選申し込みでこのザマっすから、転売サイトも推して知るべしと。

ホリ てか、転売は普通にメルカリとか利用すればいいのに。メルカリをオフィシャルパートナーにすりゃ協力体制もできるじゃん。

ひろ 新しく転売用のシステムを作っても、大会が終わったら使わなくなって終わりですからね。それなら既存のところに任せて、そのノウハウを生かして事業を続けてもらったほうがよっぽど世の中のためになるのに。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが東京五輪の自撮り制限に「動画サイトにテレビ画面を撮ったものが出回るので、意味ない」

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『堀江貴文の誰がなんと言おうと、僕が認めた旨い店』(ぴあMOOK)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)

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