『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、米山隆一氏と室井佑月氏の結婚について語る。

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本来、このコラム欄は政治、経済をテーマとしているが、今回はまったく別のテーマで書くことをお許しいただきたい。

私の共通の友人である作家の室井佑月さん(50歳)と、医師で弁護士の米山隆一前新潟県知事(52歳)が5月10日、米山さんの地元である新潟県魚沼市に婚姻届を提出し、めでたく夫婦となった。

ただ、まったく意識はしていなかったが、ふたりの仲を取りもつキューピッド役を務めたのは、どうやら私らしい。『週刊文春』の取材に米山さんがそう答えていたのだ。

そこで、私の記憶を遡(さかのぼ)ってみよう。室井さんと米山さんが交際するきっかけになったのは、昨年11月17日のことだ。それ以前から折に触れて、「ネットを使って、何か面白いことをしたいね」と、ふたりとは個別に話をしていた。

たまたま、室井さんの親友の女性プロデューサーがその手伝いをしてくれるということで、彼女と米山さん、室井さん、私の4人で東京・青山のレストランで食事しながら、相談することになったのだ。ふたりはすぐに打ち解けて、楽しそうに冗談を言い合う姿が印象的だった。

その後、12月19日の私の勉強会にもふたりは参加。大塚駅前で帰りのタクシーを待つ間、室井さんがすごく上機嫌だったのをよく覚えている。

もっとも、積極的だったのは米山さんだ(出会う以前から室井さんのファンだったとも聞いていた)。室井さんの誕生日に30本のバラを贈るなど、実に熱心に"アタック"をかけていた。

一方、室井さんは離婚や乳がんの闘病なども経験している苦労人だけに、「あの人(米山さん)、どこまで本気なのかしら」と、当初は戸惑いを見せていたが、米山さんは恋の駆け引きなど一切せずに、ぐいぐいと真正面から押してくる。

次第に室井さんも彼に信頼を寄せるようになった。米山さんは、私に、「がんで闘病中の彼女のそばにいれば、支えになれるかもしれない」と語った。私は、「大人の純愛」だなと思った。

室井さんから「結婚することになった」と聞かされたのは、今年3月末頃のこと。室井さんには「米山さんはいいよ。結婚したら?」と勧めていたが、まさか本当のことになるとは――。

室井さんは、明るいキャラで人気だが、最近は安倍政権を一貫して批判するなど、歯に衣着せない論客として知られる。米山さんも出会い系サイトで知り合った女子大生と交際した件で県知事を辞職したものの、現在では過去の政治体験をもとに弁護士らしく理詰めの政権批判をブログなどで展開し、注目を集めている。

新型コロナ問題でもふたりは政権批判で意気投合し、盛り上がることもしばしばのようだ。その意味ではこのアラフィフ婚は現政権の劣化した政治がもたらしてくれたと言ってもよい......というのは冗談。

ふたりとも、裏表のない真っすぐな性格でお似合いのカップルだ。コロナ感染拡大の最中だが、ネットには「おめでとう」のメッセージが溢(あふ)れている。社会の「分断」の状況ばかりが目につくなかで、人の幸せを手放しで喜べることがどんなに幸せなことか。改めて実感させてもらった。 

そんなおふたりには心からおめでとうと言いたい。室井さん、米山さん、どうぞ末永くお幸せに。

●古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。『日本中枢の狂謀』(講談社)など著書多数。ウェブサイト『DMMオンラインサロン』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中

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