芸人コンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、日々「ゴミ清掃員」としても働く滝沢秀一が、ゴミの捨て方を指南する連載「ベンキマンの捨て方」。ただし、ここで扱うゴミたちは、架空のものばかり。あの漫画で出てきたあの道具や、映画で見たあんな機械など......。実在しない架空のゴミを、現実世界ではどう捨てればいいのか? 前代未聞の"ファンタジーゴミ連載"!

【捨てるもの第12回】ロボコ(僕とロボコ)
週刊少年ジャンプで2020年から連載中の漫画。作者は宮崎周平。超高性能メイド型ロボット「オーダーメイド」が大人気となった世界で、主人公・平 凡人(タイラ・ボンド)の家にやってきたロボット「ロボコ」。ロボコとボンドと彼らを取り巻く人々が、ハチャメチャな出来事を巻き起こすギャグマンガ。



いきなりロボットとは違う話になってしまいますが、"大きな機械"という共通点でいうと、車が廃棄される場合はスクラップされ、ほとんどの部分がリサイクルされます。金属やプラスチックなどそれぞれの素材に分類され、車のリサイクル率は99%とも言われます。

金属部分は圧縮され、ひとつの金属の固まりになります。そして橋に生まれ変わるなど、様々なものへと作り変えられリサイクルされるのです。

そもそもロボコはどんな素材で作られているんでしょうね? 涙やよだれを出してますけど、基本的に液体はゴミとして回収できませんので、捨てるのであればちゃんと"涙抜き"して、中身をカラカラにしてもらわないと困ります。

あと、動力源に石油ガソリンが使われているとしたら、廃棄するときに気をつける必要があります。

以前、石油ストーブを粗大ゴミとして回収していて、担ぎ上げたら中に残っていた石油がこぼれて体にかかってしまいました。そのまま放っておいたのですが、しばらくしたら皮膚がただれて、皮がベロンベロンにむけてしまったのです。

化学やけど」と言うそうなんですが、そういえば以前にベテラン作業員から「ストーブは石油が入ってるか必ず確認しろ!」って言われたことを思い出しました。

石油を捨てる場合は、ガソリンスタンドに持って行くといいです。近くにガソリンスタンドが無い場合は、いらない布に石油をしみこませ、それをベランダなどで乾かせば、その布自体は可燃ゴミとして捨てられます

ペンキも同様です。もし、ペンキの缶が中身が入ったまま捨てられていた場合、我々は「回収できません」のシールを貼ってその場に置いていきます。なので、ペンキを布にしみこませたり新聞紙に塗って乾かせば、可燃ゴミで捨てられます。外側の缶は不燃ゴミになります。

マニキュアも捨てるのに困っている人が多いようですが、紙に書いたりしみこませたりすれば問題ありません。とにかく、水分が入った状態で捨てるのはNGだということを覚えておいてください。

まあ、ロボコは目からビームを出したり宇宙まで行けたりするくらいですから、石油で動いているとはとても思えませんが(笑)。コンセントで充電しているシーンがありましたから、リチウムイオンバッテリーが使われているのかもしれませんね。

以前も話しましたが、手に入れたはいいけれど捨てられないというものはかなりあります。そういうものはメーカーが自社回収し、リサイクルするシステムを今後の社会で作っていくべきだと思います。作っておしまいではなく、リサイクルに至るまで企業が責任を持つべきです。

「オーダーメイド」は返品ができるようなので、おそらく不必要になったら製造元が回収してくれるのでしょう。企業としてそれは素晴らしい姿勢ですよ、ロボコにとっては地獄でしょうが(笑)。

ロボコ本人にとっては、リサイクル=死ですから。ロボットが当たり前になる未来では、「反リサイクル」という今とは真逆の概念が、ロボットたちから生まれることもあるのかもしれません。

★『僕とロボコ』がテレビアニメに! 12月よりテレビ東京で放映スタート予定、乞うご期待!

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

★マシンガンズ・滝沢秀一の『ベンキマンの捨て方』は毎週木曜日更新!