ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

先週は、連載のタイトルにもなっている「金持ちのゴミはなぜ少ないのか」についてお話をさせていただきましたが、今週も「金持ちのゴミ」についてのお話です。

「ゴミは消費したものの出口」と言われます。ゴミを見れば、その人の生活がある程度わかってきます。

お金持ちの家から大量のたばこの吸いがらが捨てられているのは、ほとんど見たことがありません。一般的な家庭からは、水を入れたペットボトルを灰皿代わりにしているものが結構出てきたりします。

「年収が低くなるにつれて喫煙率が上がる」という統計を見たことがありますが、ゴミの回収でまさにそれを実感しています。

毎年お正月明け、1月4日に空き缶の回収があります。いつもだったら午後2、3時くらいにすべての回収が終わるんですが、この日だけは夜8時ごろまで回収が終わりません。発泡酒や高アルコール系チューハイの空き缶が多くの家庭から大量に出されている光景は、われわれにとってお正月の風物詩のようなものです。

しかし、お金持ちの住む地域でその光景はほとんど見られません。いつもと違うのは、高級そうなワインの空き瓶が出ていることくらいです。年末年始に安いお酒をガブガブ飲むのではなく、いつもよりいいお酒を空けようか、ということなんでしょう。

ちょっと話は逸れますが、お金持ちって食事のときにワイン飲みません? 1杯目からいきなり赤ワインを飲む人もいました。遠慮していたので「同じものを頂きます」と言ったら赤ワインが出てきて。こっちはのどが乾いてるから、うまくもなんともなかったですけど(笑)。

紙は可燃ごみじゃなくて古紙の日に出せば、燃えるゴミは減る!紙は可燃ごみじゃなくて古紙の日に出せば、燃えるゴミは減る!

ワインもオーガニックのものを好んだり、そんなに量を飲まなかったり、健康志向からくる節制や自制もあるんでしょう。今が楽しければいいというだけでなく、自分の未来の健康ことも見据えているのかなと感心しました。ただの好み、と言われればそれまでですけど。

あと、「金持ちは賢い!」と感じたゴミがありました。それは、消費税が上がる直前にお金持ちの住む地域でたくさん捨てられていた、ロボット掃除機の空き箱です。高価なものをちゃっかり増税前に賢く買った、ということでしょうか。お金があるからと言って、少しでも安く買って決して無駄遣いはしないんだなと。

あと、お金持ちに限って家にものが少ないという印象もあります。お金持ちは家が広いんだから、いくらでも置き放題じゃないですか? なのに、みんなものが少ない。大金持ちのゴミ屋敷って、見たことないですもんね(笑)。物を大切にするのとため込むのと紙一重ではあると思いますが、なぜか一般家庭のほうがゴミをたくさん出す傾向にある。

最近になって思い出したんですが、僕がゴミ清掃員になる前から事務所の先輩の有吉さんが「タダだからってもらっても、結局ゴミになるだろ。だったらもらわないほうがいいじゃねえか」って言ってたのを思い出しました。

タダでもらえるものは何でも欲しくなりますよね? でも、そういうものに限ってやっぱり使わない。有吉さんのように、今の気持ちに流されず先を読める人というのが、お金がたまる人なのかもしれないなーとそのときに感じました。

僕が住んでいるのは東京23区なので、ゴミを捨てるのは基本タダなのですが、地方によっては有料ゴミ袋の使用が義務付けられている地域もあります。そうすると、余計なゴミは出さないようにしようと気を付けるのかもしれません。ゴミが増えた分、お金が必要なわけですから。

次回、「お金がたまらない人のゴミの特徴」についてお話します。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!