早稲田実業・清宮幸太郎の2年目の夏はこの舞台でその進化を見られるのか…

昨年、その猛打で全国的なフィーバーを巻き起こした清宮幸太郎(早稲田実業)の2年目の夏はいよいよ本日、準々決勝を迎える。

昨夏からすでに超高校級の貫禄を漂わせていた清宮だが、今年はさらなる進化を遂げ、早くもホームラン量産態勢に入ったとか!?

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10日に行なわれた注目の西東京大会初戦(対啓明学園戦)。清宮は早くも高校通算51号となるソロホームランを放ち、チームも11-1の5回コールド勝利と好発進。

この試合をスタンドから見つめていた某プロ球団のスカウトが目を細める。

「清宮はようやく大人の体になってきた。軽く振ってるように見えるけど、ジャストミートしたら、ほとんどの打球がホームランになりそうな感じ。彼が打席に立つときだけ球場が小さく見えるよ」

清宮を取材するスポーツジャーナリストも太鼓判を押す。

「昨年は、調子が悪いとバッティングが窮屈になり、スイングが一定でなくなる欠点があった。昨夏の甲子園でも、試合ごとに打ち方が変わってましたから。今年は本人が『ゆったりとタイミングを取り、フォロースルーを大きくするよう心がけている』と語るように、より長距離ヒッターらしいフォームになった。スイングもだいぶ安定してきたし、着実にパワーもついてます。順調にいけば、去年以上にホームランを打つでしょう」

となると、やはり気になるのがホームラン記録。神港学園の山本大貴(ひろき)が持つ歴代最多記録(107本)更新が期待されるのも当然で、この夏、どこまで記録を伸ばすかにも注目が集まっている。

スポーツ紙記者が言う。

「早実は春まで1番の金子と清宮のふたりしか打てるバッターがいませんでしたが、清宮の後を打つ4番に1年生の野村(大樹[だいじゅ])が入ったことでガラリと変わった。野村は初戦でもいきなりホームランを打ってますし、相手チームは簡単に清宮を歩かせることができなくなった。当然、清宮には長打の期待が高まります」

だが、入学当初こそ「高校3年間で80ホーマーを目指す」とビッグマウスぶりを発揮していた清宮だったが、最近は「チームの勝利が大切。ホームラン数は気にしない」と優等生的発言が目立っているとか。

「おそらく、監督から注意されたんでしょう(笑)。ただ、彼がチームプレーを心がけるなら、むしろ積極的にホームランを狙うべきです。彼は4本のヒットを打つより、1本ホームランを打つほうが相手チームに与えるダメージが大きい。発言はともかくとして、内面まで優等生にならないでほしいですね」(前出・スポーツ紙記者)

前出の某プロ球団のスカウトからも同様の声が。

「超高校級スラッガーとして清原、松井、中田翔らと比較されるけど、清宮は彼ら以上に器用。よく外角のボールを流して打ってるけど、彼クラスの選手なら、高校時代はあんなバッティングは必要ない。外角のボールはバックスクリーン、真ん中からインサイドのボールは全部引っ張る。そうすれば100本塁打は十分に可能だと思うね」

『週刊プレイボーイ』31号(7月16日発売)「2年目の夏に挑む早実・清宮『ジャストミートしたらほとんどホームラン』進化論」では、怪物・清宮の実力をさらに分析!

(取材・文/本誌ニュース班)