内容も大事だけど、やはり結果を最優先に求めたいと語るセルジオ越後氏

日本代表が今年6月にブラジルで開催されるコパ・アメリカ(南米選手権)への参加を正式発表した。

コパ・アメリカは南米各国が本気で臨むビッグトーナメント。ぶざまな試合をしたら母国のメディアもファンも許してくれない。W杯の次に重要視されている大会だ。

強豪のブラジルにアルゼンチン、ロシアW杯で対戦したコロンビア、昨年10月に対戦したウルグアイなど相手はどこも手ごわい。日本にとっては、強豪国とのマッチメイクが年々難しくなるなか、アウェーでの貴重な強化の場、経験を積む場となる。極端な表現をすれば、土下座をしてでも参加をお願いしたい大会だ。

日本は過去、日程の問題やメンバー招集の兼ね合いからコパ・アメリカへの招待を2度断っている。それだけに僕は今回も断るのではと心配していただけにホッとした。「A代表で行く」と決めた日本サッカー協会の判断は正しいよ。あとはどれだけのメンバーを招集できるかが宿題になるね。

さて、そのコパ・アメリカの前に、まずはアジア杯(UAE、1月5日開幕)だ。日本は昨年7月に森保監督が就任して以降、5試合を行なって4勝1分けと結果を出している。世代交代もスムーズに進んでいる。そんな彼らが初めて挑む真剣勝負の舞台でどれだけ戦えるか。

アジアで勝てなければ世界とは戦えない。しかも、今回は海外組も含めたベストメンバー。当然、優勝がノルマになる。内容も大事だけど、やはり結果を最優先に求めたい。

招集メンバーはこれまでの試合と大きな変化はなし。意外だったのは、故障から復帰して鹿島のアジアチャンピオンズリーグ初制覇に貢献した昌子の選外くらい。森保監督にすれば、ヘタにチームをいじるよりも、昨年のいい流れを継続したほうが勝算があると踏んだのだろう。

スタメンの顔ぶれもおおよその予想はつく。わからないのはCB吉田のパートナーが槙野、三浦、冨安のうち誰になるのか、そして青山、柴崎、遠藤、守田と4人がいるボランチはどんな組み合わせになるのか、それくらいだ。

注目はやはりこれまで森保ジャパンを牽引(けんいん)する活躍を見せてきた中島、南野、堂安の前線3人だね。期待を集めている彼らがアジア杯の舞台でも好プレーを見せれば、チームに勢いも生まれ、サッカー人気も盛り上がる。特に、五輪代表(現U-22代表)でも中心になるだろう堂安には活躍してもらわないと困る。

グループリーグを1位突破して順当に勝ち進めば、準々決勝でオーストラリア、準決勝でイラン、決勝で韓国との対戦になる。この3ヵ国を破っての優勝なら文句なしのアジアナンバーワン。特にイラン、韓国とはここ数年、お互いベストメンバーでの対戦機会がなかった。しびれる試合になるのは間違いないけど、決勝の舞台で韓国を倒して優勝カップを掲げる、そんなシーンをぜひ見たい。

逆に、ここで結果を出せなければ批判をされて当然だし、森保監督が兼任で率いる五輪代表の強化にも影響が出かねない。新年早々つまずくような事態は避けたいね。

アジアのタイトルをしっかり獲って、その勢いのままコパ・アメリカに殴り込みをかける。今年はそんな最高のシナリオが実現することを願うよ。

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