一世帯あたりの携帯電話料金は2004年からの10年間で2.5%から3.9%に上昇。記者Yの料金請求もこの通り!

ケータイ料金はいつからこんなに高くなったというのか? 

記者のY(28歳)が14歳の時にケータイを初めて所持した頃は、確か月額3千円台だったのだが、今では基本1万円オーバー…。 

総務省の家計調査によれば、一世帯あたりの消費支出における携帯電話料金は2004年からの10年間で2.5%から3.9%に上昇。価格にして8217円から12279円に値上がりしている。特に近年、スマートフォンの普及が “爆上げ”を促している形だ。

こうした事態を受けて安倍総理は9月11日、「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題」だとして、携帯料金の引き下げを総務省に指示。現在、有識者会議で検討が進められている。もはや国が「ケータイ料金が高すぎるから安くしろ」と動いているのである。

有識者会議での検討事項は主に3つ。(1)「電話やデータ通信を頻繁に使わないライトユーザー向けの料金プランの多様化」 (2)「キャッシュバックといった端末の値引き競争から脱却し、サービス・料金での競争への転換」 (3) MVNO(仮想移動体通信事業者)サービス普及の促進、だ。

ここで注目したいのが、MVNOの普及促進である。有識者会議の初会合に出席した立教大学の舟田正之名誉教授は、ケータイ料金の規制強化には慎重な姿勢を示しつつ、こう述べている。

「これまで頑張って自由化してきた料金を直接規制するのは良くない。それよりも、MVNOの参入障壁を取り除いて参加を促進するような方向がいい」

MVNOとは、ドコモやauなど大手キャリアから回線を借りて「格安スマホ」「格安SIM」を提供するなど通信事業を展開している会社のこと。昨今、通信事業と関係のない会社が相次いでMVNOに参入し、各社、「価格破壊」とも言うべき低料金のサービスを提供している。ちなみに大手キャリアとの契約の場合、スマートフォン利用でおよそ月額7千円はかかるが、MVNOであれば、音声通話機能付きSIMで月額2千円前後。その差は歴然だ。

今年5月には、総務省がキャリアに対して他社のSIMカードでも利用できるようになるSIMロックの解除を義務化。規制緩和は進められており、MVNOへの乗り換え障壁はグッと下げられている。

にもかかわらず、MVNO契約者数は伸び悩んでいるという。総務省の調査によれば、2015年3月時点でMVNOサービスの契約数は952万とモバイル全体の契約数に占める比率は6.1%に過ぎない。

なぜか…? ひとつは、多くのユーザーにとってMVNOは「安かろう悪かろう」のイメージが強いことが挙げられる。確かに大手キャリアのサービスのほうが多くの面で充実しているのは間違いない。しかし、一方で「(本当は)MVNOで十分」という側面があることを利用者が気づいていないだけ…という事実も結構あるのではないか。

そこで今回、MVNOに移行しても問題ないユーザーのタイプについて簡単にまとめてみた。次の4つに当てはまる人は、ケータイ料金を“爆下げ”できる可能性があるのでチェックしてみてほしい。

MVNOに移行しても問題ないユーザー4タイプ

(1)通話をあまり利用しないスマホユーザーになり(というよりLINEを使うようになり)、通話の回数がめっきり減ってはいないだろうか? にもかかわらず、いわゆる「電話かけ放題」プランを利用している人は再考を促したい。仮に大手キャリアのスマートフォン料金プランで最安構成であるauの「カケホ―ダイライト」で契約した場合、スーパーカケホ(1700円)+データ定額3GB(4200円)+LTE NET(300円)で月額合計6200円となる。

対して、MVNOシェアトップの「OCN モバイル ONE」の音声対応SIMでは、データ通信3GBの月額基本料(1,100円)+SIMカード利用料(700円)で合計1800円。その差は実に4400円。後者は通話量として20円/30秒がプラスされるが、「通話はもっぱらLINEなどの無料通話で」という人には関係ない。

(2)キャリアメールの必要性を感じないMVNOでは、大手キャリアでは当たり前のキャリアメールが使えないことを覚えておきたい。キャリアメールとは「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」といったおなじみのメールアドレスだ。しかし日常的にLINEを始めとしたSNSを連絡手段にしている人であれば、MVNOに切り替えてもまず困ることはないだろう。

(3)とにかく2年縛りの煩(わずら)わしさから解放されたいMVNOには、基本的にキャリアで当たり前の「2年縛り」という概念が存在しない。一部の音声対応SIMを除いて、いつ解約しても違約金は発生することはないので自分の好きなタイミングで自分に合った料金プランを扱う会社や好みの機種に変更することができる。2年縛りを疎(うと)ましいと思っている人にとっては最適だ。

(4)ライトユーザーそもそもライトユーザーは大手キャリアの“豊潤なサービス”に固執する必要はない。大手キャリアはライトユーザー向けの通信料金プランが少なく、月額1700円の通話定額プランでは、auは3GB(4200円)、ドコモとソフトバンクは5GB(5000円)のデータ通信料とセット。月額2700円のかけ放題プランは、各社2GB(3500円)から選択する仕組みだ。

一方、MVNOでは各社とも通信容量1~3GBの低容量を選択可能。しかも月額1千円前後とリーズナブルな相場となっている。ちなみに、1GBでYouTube動画(5分7秒)を95回(約500分)閲覧できるので、ライトユーザーであれば十分な容量があるといえる。また、ぷらら、もしもシークス、OCNなどでは月単位ではなく1日あたりのプランを設けており、MB(メガバイト)単位で契約することも可能だ。

また、DMM.comは10GB、15GB、20GBの大容量プランを選択できるなどヘビーユーザーにマッチしたサービスも展開している。10GB以上のプランを提供している各社とも、およそ2千円から利用できるなど価格もリーズナブル。さらに、UQモバイルやU‐mobileなどではデータ無制限プランもある。ここまでくると、「安かろう悪かろう」のイメージは完全に払拭(ふっしょく)されるのではないだろうか。

ちなみに、MVNOは大手キャリアの回線を使っているため、通信エリアは大手キャリア、つまりドコモやauと同じ(基本、どこでもつながるってこと)。しかし、通信速度について比べると総じて若干遅い。ただ、そこまでの通信速度を必要としない人にとっては、これも関係のない話ではある。

結論。ほとんどのユーザーにとってMVNOを試してみる価値はある。ただし、「格安スマホや格安SIMを使うことはプライドが許さない」という意識が高い人に限っては、このまま大手キャリアで高い料金を支払い続けておいた方がよさそうだ。

(取材・文/週プレNEWS編集部)