メルセデス・ベンツ Cクラス 436万円~ 子ベンツと呼ばれたコンパクトセダン190シリーズの後継。現行4代目はミディアムサイズになって2014年にデビューし、中核モデルに。中身は半分アルミの超ハイテクボディ

今、プレミアムセダンが熱~い。ハイブリッド、ダウンサイジングターボに先進技術もテンコ盛り♥ もちろん、輸入車のプレミアムセダンも侮れない。第1回第2回に続き小沢コージが徹底取材し、その魅力に迫った!!!

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日本で買える高級セダンで外せないのがやはりドイツ車だ。去年、輸入車ナンバーワンブランドに返り咲いたメルセデス・ベンツ、それに続くBMWがあり、どちらも日本では年間6万台以上も売れている。

表面的にはメルセデスがAクラス、BMWが2シリーズ系&コンパクトが伸びている。だが、一車種に限るとメルセデスはCクラスセダン、BMWは3シリーズセダンがベストセラーである。コンスタントに年間1万台前後も売れており、クルマの味を極めると、やはりセダンなのだ。メルセデス・ベンツ日本の広報担当者もこう話す。

2012年デビューのスポーツセダンの代名詞。BMW自慢の直6エンジンも相変わらず選べるが、この世代からエコなガソリンとディーゼルの4気筒エンジンが中心に。PHVも選べるぞ!! BMW 3シリーズ 409万円~

「ウチのエンジニアがいつも言うのは、セダンこそが完成型だ、と。スタイルはもちろん、空力、安全性、耐久性、さらにドイツは時速200キロ以上で走りますから高速でのスタビリティは大切。そのすべての性能を含めて考えると、セダンに勝るフォーマットはない、と。文化的側面もあるとは思いますけどね」

そのとおりである。世界に冠たる低速社会の日本じゃ気づきにくいが、総合性能は今もセダンが一番なのだ。特に居住性、高速性、安全性のバランスが高く、逆にミニバンはどんなに高性能でも欧州では全然評価されないし、良いクルマとは決して見なされない。日本でバカ売れしている高級ミニバンだが欧州では存在していないのが実情だ。

プレミアムセダンは国産・輸入車ともに500万円台で買える

エコロジー面でも輸入プレミアムセダンはスゲェのだ。前述した日本でも人気のBMW3シリーズセダンだが、そのうちの半分はディーゼルの320dでこれが速いのなんのってまさに異次元レベル。

エンジンはBMW自慢の2リッター直4ディーゼルツインパワーターボ。こいつが190馬力&400Nmのパワー&トルクを発揮しつつ、モード燃費は21.4㎞/リットルと、クラウンハイブリッドに負けるとも劣らない高級エコカーなのだ。

しかも! BMW320dの味わいは、やたらに濃厚でガソリンエンジンの倍近い巨大トルクを1750回転の低回転から発揮するからアイドリング状態からいきなり速いのだ! それはガソリンエンジンを高回転でぶん回すような快感ではなく、いきなりウオッカをストレートで飲むというか、濃厚な煮干しつけ麺をガツンと食べるがごときうまさ。その上、ハンドリングはスポーツカーが裸足で逃げ出す味わいを持つ、BMWのFRセダンだ。ウオッカのように加速し、曲がっても楽しい。これまたとんでもなく良くできた快楽エコカーなのだ!

しかもプレミアムセダンは国産・輸入車ともに500万円台で買える。実は価格差はあまりなく、自由に選び放題。プレミアムセダンの世界ではもはや国産、輸入車の壁はなくなりつつある。

今、長く続いた不況もあって日本人が過剰に「エコ」や「コスパ」にこだわる結果、極端に燃費のいいハイブリッドや、スペース効率の高い背高ノッポの軽自動車しか売れなくなった。そして高級セダン市場はシュリンクし切った。

確かにプレミアムセダンの価格は決して安くはない。だが、男はちゃんと働いて、稼いだらプレミアムビールが飲みたいもんだ。激安発泡酒で満足できるか!って話だ。

男よ、今こそ本当にうまくて、走りも楽しめるプレミアムセダンに乗ってみないか!

◆この続き『週刊プレイボーイ』47号「男よ、今こそ新世代プレミアムセダンに乗れ!」では、この10年で激変した自動車メーカー勢力図も大解説! こちらも是非お読みください!

(取材・文/小沢コージ 写真/BMWジャパン メルセデス・ベンツ日本 フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)