"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は「ドワンゴ」の社長交代と今後について議論する。

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ホリ 川上量生(のぶお)さんが、「カドカワ」の社長と「ドワンゴ」の取締役を辞任したよね。で、ドワンゴの取締役だった夏野剛さんが新社長になった。

ひろ ドワンゴの創業者だった川上さんが取締役を辞任したのには、ちょっと驚きました。今後は顧問になるみたいですね。

ホリ 夏野さんはiモードコンテンツで培ってきたノウハウで「ニコニコ動画」にプレミアム会員を導入して黒字化させたわけだけど、今後はいろいろと大変だろうね。現状のニコニコって、有料会員がかなり減っているし、ほかの動画サイトに遅れている部分もたくさんあるから、大胆な立て直しを強いられることになるはず。

ひろ 僕は、夏野さんが社長やるのっていいことだと思うんですよ。っていうのも、僕的には夏野さんと堀江さんって同じカテゴリーですから。

ホリ ん? どういうこと?

ひろ ふたりとも、優秀すぎるがゆえに「自分で会社を経営しないほうがいい」ことに気づいちゃった経営者なんですよ。ある意味、日本に最適化しちゃったというか。

ホリ 夏野さんって、お堅い体質で有名なNTTドコモで、40代で執行役員になったりしたわけだけど、社長として大きな会社を率いてきたことはないよね。サポート役が多かった。

ひろ "プロ社外取締役"みたいな感じでしたからね(笑)。日本って、自分で会社を経営しないほうが何かと都合がいいんですよね。正面に立つと責任やら手間やら、いろいろ面倒が多いですから。

ホリ それ、すごくよくわかる。だから、俺も社長はやらないようにしているんだよ。ゴーン逮捕もそうだけど、社長ってリスクが大きいから。でも、たまに社長をやりたくなっちゃう気持ちはわかるなー。夏野さんもそうなんじゃないのかな?

ひろ どうなんでしょうね? 優秀な人が会社をつくったほうが社会は良くなるし、面白くなるのでいいと思うんですけどね。例えば、アマゾンやグーグル、ネットフリックスのおかげで、僕らは楽に、しかも楽しい生活ができていますから。

でも、日本って本当に賢くて優秀な人は、社長をやってみたいとは思っても実際にはやらないじゃないですか。

ホリ そうね。俺も会社の業務には関わるけど、社長はやらないみたいな仕組みにしてるから。ロケット開発をしている「インターステラテクノロジズ社」とかも、それだし。

ひろ まあ、今回のテーマでいうと、僕的には夏野さんが就任したというよりは、川上さんが降りたことのほうがビックリしているんですけどね。創業者が引退とかでもなく、自分のつくった会社の代表から降りるって、なかなか珍しいことなので。

ホリ ドワンゴもついに重い腰を上げたってことかね。というか、にっちもさっちもいかなくなったという感じなんじゃないかな。

★後編⇒ニコニコは復活するのか? ホリエモン×ひろゆきが「ドワンゴ」新社長・夏野剛氏の手腕に期待

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)

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