2020年にバズった製品や機能は? 本誌ガジェット担当のライター・直井裕太(なおい・ゆうた)と、電子雑誌『デジモノステーション』(dマガジン、キンドルほかで配信中)の滝田勝紀(たきた・まさき)編集長が、年末年始の在宅QOLを爆アゲする製品を大紹介。仲良しガジェットおじさんの絶対に失敗しない物欲解放トークを、どーぞ!

■ワイヤレスイヤホンはマイク性能が重要!

直井 まずは2020年、ガジェット・家電業界のトピックスから!

滝田 PS5ですって! コロナでガジェット系の発表会の中止が相次ぐなか、世界的に最大の話題でしたからね。仮にコロナがなくても性能、3万9980円+税~という価格でPS5が一番のトピックスになったと思いますよ。

直井 PS5の供給不足問題はどうですかね?

滝田 正直これはしょうがないですよ。どの業界も生産&運送が遅延モードで、それこそライバルの新型Xboxも供給不足だし。現状、内容的にPS5でしか遊べないゲームはなく、PS4からのデータの引き継ぎもOK。PS4ユーザーなら安定供給されるまで"待ち"ですよ。

直井 確かに。一番人気の『フォートナイト』のPS5版なんか、商品説明に「今までと変わらないおなじみの~」と明記されてますからね。

滝田 ホント、それ(笑)。現状、PS5と4のゲームでの違いは4K画質と画像が滑らかに表示されるリフレッシュレートだけですからね。だったらPS5本体より、その映像性能をフルで生かせる4Kテレビを先にそろえるべきです!

直井 そんななか、PS5を販売するソニーグループはゲームやカメラ部門が好調で最高収益を記録。他メーカーは?

滝田 業界まとめてニューノーマル特需で過去最高レベルの好調っぷりですっ! ただ国内だと「もうもたない、限界!」みたいな他業種発の報道ばかりで、これまでのように「○○が好調で最高収益を記録!」と勝利宣言しづらいですよね。だから周囲に気を使ってIR情報でひっそりとやってます(笑)。

直井 ニューノーマル特需で注目された商品&機能は?

滝田 ワイヤレスイヤホン&ヘッドホン。そこでのウリ機能となるアクティブノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み機能ですよ。

直井 それ、ここ2年ぐらいで定番化してた感じだけど。

滝田 そんなのガジェット好き界隈(かいわい)の限定話ですって! 在宅ワークの激増で、音楽を聴くだけでなく通話やテレカン(電話会議)のマイク用途としても一般ユーザーに浸透したのが大きいです。

こうやって大衆化すると、製品は低価格化して機能面は大幅向上。ユーザーにとってはいいことしかない状況になってますね。

AirPods Max Apple/6万1800円+税 ANC&外音取り込み機能を搭載。Appleが激推し中の、音が全方位から聞こえる感覚を楽しめる新機能「空間オーディオ」にも対応した最新モデル

直井 ANCに関しては5000円台のヘッドホンでも、エアコンの送風音や車の走行音をしっかりカット。さすがにヘッドホンを装着したままでも周囲の音がクリアに聞こえる「外音取り込み機能」は格安モデルだと非搭載。

そんななか、Appleから「Air Pods Max」(6万1800円+税)が登場ですが!

滝田 うん。これはテレカン映えしそうなデザインですね。

直井 棒読みかよッ!

滝田 だって、9月に発売されて世界的にバカ売れしてるソニーの「WH-1000XM4」(実勢価格4万円前後)より2万円以上も高くて、本体重量は130gもアップの約385g。

ヘッドホンは長時間装着するものだから、100g以上の重量差って本当に負担が違うんですよ。これ、量販店で一瞬試用するだけじゃわかんないですからね。

WH-1000XM4 ソニー/実勢価格4万円前後 ANC&外音取り込み機能を搭載して世界的に大ヒット。本体側面のタッチセンサーで操作でき、音楽・映像・通話などデイリーユース最強!

直井 そんなこともあってAirPods Maxが12月8日に発表されると、逆にWH-1000XM4が「コスパ最強だろ!」と世界中でトレンド入りしてましたよね。

滝田 ユーザーは正直なんですって! あとヘッドホン・イヤホン選びの重要ポイントとしてはマイクの音質です。テレカンや通話で自分の声が相手にどう聞こえてるのか? これってしゃべる本人はあまり気にしないけど、聞いてる相手側は音質が悪いと相当ストレスじゃないですか。

直井 で、マイク音質の有能な製品は?

滝田 やっぱソニーや老舗オーディオメーカーのAKGがチューニングしてるサムスンの製品が一歩先いってます。マイクを設置する位置や角度を細かく調整し、効率よく声を拾う設定を出せるのは老舗のノウハウがあってこそ! ところで直井さんは今年もスマホばっか買ってたけど、年末年始のオススメ端末は?

直井 ありませんッ!

滝田 ウソでしょ?

直井 スマホは来年3月にローンチするドコモの2980円プラン「ahamo」専用端末の発表待ちですよ。ドコモは端末に関してもコスパ重視路線を発表してますからね。1月には端末の発表もありそうなんで、神コスパ端末に期待です。

一方、iPhone 12シリーズは即買いOK。ただしポイントが発生するお得な家電量販店でSIMフリー端末を購入すること!

滝田 なるほど。ahamoがローンチされたらMNPで使えますしね。

直井 そうなんです。ahamoの登場で、海外みたくSIMフリー端末を量販店で買ってきて好きな通信会社で使うのが一般的になりそう。そっちのほうがキャリアのローンや2年後の端末返却もなく契約がシンプルですからね。

なのでスマホ本体はahamo待ちだけど、スマホとの相性がいいスマートウォッチやジンバル(強力な手ブレ補正機能)搭載の動画カメラなんかは今買ってもすぐ活用できるから後悔ナシですっ!

■奥さまも単身者も歓喜の時短調理家電

直井 では、ここからは奥さまはもちろん単身男子も注目の生活家電もチェックしていきましょう。まずは大掃除の最適化アイテムは?

滝田 高圧洗浄機です。

直井 いやいや。それデカくて騒音MAXで意外と使いどころないやつでしょー!

滝田 それ、過去機種の話ね。コンパクトで静音設計のケルヒャー「K MINI」(実勢価格1万7500円前後)はベランダや外壁、水回りはもちろん、僕は出かける前に車のホイールをプシャー!してます。それぐらい手軽な高圧洗浄機なんですよ。

家庭用高圧洗浄機 K MINI ケルヒャー/実勢価格1万7500円前後 長さ280mm、幅233mm、高さ295mm。既存の高圧洗浄機に比べ圧倒的なコンパクト化を実現! 洗浄パワーも一般家庭なら十分なレベルですよ

直井 これ車に積みっぱにしてもOKなコンパクトサイズがイイ! で、みんな欲しいとは思ってるけど増殖しすぎて機種選びが困難になってるロボット掃除機は?

滝田 値段的には2万円前後で水拭き機能がマスト。あとブラシやフィルターなどの消耗パーツがECで即そろうこと。この条件だと+Styleやアンカーの製品を買っておけば間違いないですね。

直井 家での食事が増えたことで、調理家電界隈の変化とかはあるの?

滝田 実はコロナ禍で奥さまの家事時間が増えてるんですよ。旦那は在宅ワークだけど家事参加ゼロで奥さまの負担だけ増えるという状態です。これ、ソースは某大手メーカーの内部資料なんですけどね。

直井 それ、公表したらダメなやつだろ!

滝田 メーカー名は出してないから大丈夫でしょ。奥さまの負担が激増して、調理家電は時短機能が激売れしてます。特にカレーを15分で作れるティファールの電気圧力鍋(実勢価格1万5000円前後)は単身者にもオススメ!

ラクラ・クッカーコンパクト電気圧力鍋 CY3508JP ティファール/実勢価格1万5000円前後 具材を切って、入れるだけ! ほとんどの煮物系料理がアンダー20分で完成する究極の時短調理家電。ずぼら単身男子にも、ぜひ!

直井 あと最近、糖質をカットする機能を搭載した炊飯器が多いよね?

滝田 それも大ヒット。在宅で運動不足な上に飯いっぱい食べちゃうから、手軽に健康サポートできる機能が大好評なんです。コスパ的にアイリスオーヤマの製品が最強!

ヘルシーサポート炊飯器 IH 5.5合 RC-IJH50-W アイリスオーヤマ/実勢価格1万2800円前後 味はそのまま、最大20%も糖質カットしてふっくらご飯を炊き上げる独自機能を搭載。在宅メシが激増した今年、空前の大ヒット調理家電

直井 ほかに激売れ家電は?

滝田 空気清浄機です。最近、加湿機能搭載の製品が多いけど、これは設置場所の問題でオススメしません。空気清浄機はエアコンなどの暖房器具から対面する位置に距離を取って設置するのが基本。そして加湿器は湿気NGのテレビやオーディオには絶対に近づけない。

あとカビの原因になるので窓や壁付近もダメ。これだと意外と設置場所に困るから、空気清浄機と加湿器は別運用すべきです!

直井 あと連休前に必ず品薄になる、アマゾンやGoogleが販売してるテレビに接続して動画を楽しめるエンタメマシン。どっちを選ぶ?

滝田 僕の動画サブスクはアマプラ中心だからアマゾンの「Fire TV Stick 4K」(税込6980円)ですね。直井さんは?

Fire TV Stick 4K Amazon/6980円(税込) アマプラがメインならこちら! 例年、年末年始はアマゾンで入荷待ちになるので、品切れの場合は量販店ECのチェックも忘れずに!!

直井 スマホで視聴中のYouTubeをテレビに即出力できるのが便利な「Chromecast With Google TV」(7600円+税)推し!

これ、操作レスポンスはアマゾン製品以上に速く、動画やアプリの切り替えも快適すぎ! FANZAや各種18禁動画共有サイトもテレビへ出力できるから単身者ははかどりますよっ!

Chromecast with Google TV Google/7600円+税 YouTubeをテレビへ即出したいならこれ! もちろんアマプラやNetflix、さらにはFANZAもこれ一台でオールテレビ視聴できますよ

滝田 確かに。YouTubeと18禁重視なら、そっちを選ぶのが正解ですね。あと最後に僕が今年最も感動した製品を紹介したいです。

直井 そんな重要なのもっと早く言ってよ!

滝田 パイオニアの車載Wi-Fiルーターです。これ、一日500円、年契約1万2000円(dポイントで2000円分還元あり)でギガ無制限。さらに、回線はドコモです!

車載用Wi-Fiルーター DCT-WR100D パイオニア/2万5000円+税 一日500円、年契約1万2000円(21年1月31日まで、dポイントで2000円分還元あり)。ギガ無制限で使える車内専用Wi-Fiルーター。全国で安心のドコモ回線!

直井 最強かよ!

滝田 各種ダウンロードから音楽サブスク、もちろんカーナビの通信にも利用もできる。政府が、頑張ってる運送業の方々に無料配布すべき商品ですって! もちろん旅行でも役立ちますよ。

とにかく今年もさらなる驚愕(きょうがく)スペックで、日々の生活をサポートしてくれるガジェットや家電の登場に期待したいですね。

直井 まずはPS5の安定供給を頑張ってほしいですっ!

●直井裕太(なおい・ゆうた) 
『週刊プレイボーイ』ガジェット担当。スペック至上主義で動画は4K以上で再生。その一方、アマゾンの日本語紹介文が怪しい中華ガジェットも即ポチする物欲廃人おじさん

●滝田勝紀(たきた・まさき) 
『デジモノステーション』編集長。電子雑誌・デジモノステーションでは家計に優しいことを心がける家電のプロ。奥さまの家事サポート家電発掘の名人おじさん