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震災直後の被災地取材で外国人記者が感じた、日本人の「責任感」と「我慢の文化」

[2017年03月16日]

『雨ニモマケズ 外国人記者が伝えた東日本大震災』の日本語版を出版したルーシー・バーミンガム氏(左)とデイヴィッド・マクニール氏

全ての日本人にとって忘れがたい日、2011年3月11日の東日本大震災と福島の原発事故から6年。原発周辺で避難指示解除が始まる一方、被災地ではなお、地震や津波、原発事故の影響に苦しみ続ける多くの人たちが「震災の記憶」の風化と戦っている。

そんな中、昨年末に1冊の本が出版された。タイトルは『雨ニモマケズ 外国人記者が伝えた東日本大震災』(えにし書房刊)。著者は英紙「エコノミスト」などの東京特派員を務める、アイルランド人ジャーナリストのデイヴィッド・マクニール氏と、米誌「タイム」などに寄稿するアメリカ人ジャーナリスト、ルーシー・バーミンガム氏だ。長年、日本で暮らすふたりが震災直後の被災地を取材し、2012年に海外で出版したルポルタージュの日本語版が約5年の時を経て出版されたのだ。

被災者たちの声を現地で拾いながら、彼らは何を感じ、何を伝えたのか? そして、震災後の日本をどのように見つめてきたのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第68回は、マクニール、バーミンガムの両氏に話を聞いた――。

***

─まず、おふたりがこの本を書くことになった経緯から教えていただけますか?

バーミンガム 私は長年、日本で「タイム」誌などに寄稿するフリーランスのジャーナリストや脚本家、NHK外国語放送の構成作家などの仕事をしてきたのですが、震災直後に海外の出版関係者から「外国人ジャーナリストの目で見た震災と原発事故に関する本を書かないか」というオファーがあり、元々、知り合いだったデイヴィッドとふたりで分担して、この提案を引き受けることにしました。

ふたりの共著にしようと考えた理由は、そうすることでお互いの長所を活かせると思ったからです。デイヴィッドは原発事故などに関して豊富な知見を持っていましたし、私は津波被災者の取材に重点を置くことで結果的にいい役割分担ができたと思います。

マクニール 実際にはかなり多くの人たちにインタビューしているのですが、最終的にその中から6人の人物を選び、彼らの証言を通じて、6つの異なる視点を軸にしながら、あの震災と原発事故を描くことになりました。これは原爆投下直後の広島を取材したアメリカ人ジャーナリストのジョン・ハーシーの伝説的なルポルタージュ『ヒロシマ』(※20世紀のアメリカジャーナリズムのトップ100の1位にも選ばれている名著で、6人の被爆者の証言を中心に構成されている)と同じアプローチです。

─その6人は、どのように選んだのですか?

マクニール 僕が担当したのは、まず福島第一原発の作業員のカイさん(仮名)。原発作業員の証言者を見つけることはとても難しかったのですが、幸い、仮名を条件に彼の話を聞くことができました。彼は原発作業員であると同時に、福島第一原発のすぐ近くで生まれ育った「地域住民」でもあります。

それから南相馬市長、桜井勝延さん。彼は震災の時、自らYouTubeを使って支援を要請したことで海外でも注目されていましたし、市が壊滅状態にあった中、自分の家族のことよりも、まず市長としての責務を果たそうと必死に奮闘した点が、日本人の「責任感」に対する考え方を象徴していると考えたからです。

桜井市長はとても個性的な人で、政府に対する批判も躊躇(ちゅうちょ)なく口にするし、メディアに対しても自分たちが直面している問題を隠さず、オープンに取材に応じてくれました。これは日本の政治家としては珍しいことだと思います。

もうひとりは、漁師として働いている方を選びました。日本人の生活は海や魚と切り離せないものですが、その海が津波や原発事故によって深刻な被害を受けていたからです。そこで相馬双葉漁協を通じて知り合ったイチダ・ヨシオさんという方から、海で生業を立てている人たちの視点で見た震災について語ってもらうことができました。


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