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異端児・辻 仁成が今、語る過去と未来「波風はあるし、敵もいるけど“自分に対して嘘がない”人生が大事」

[2017年05月20日]

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―この原作も96年に自身が書かれた同名小説ですが、それを改めて映画として作る意味があったというか。編集もご自身でやられているんですよね。

 自分の家に楽器や機材が全部あるスタジオみたいな部屋があるんだけど、そこで編集をしていると、息子が隣でずっと作業を見てるんですよ。それで「パパ、これはさっきのほうがいいんじゃない?」って(笑)。「前の編集のほうが気持ちがグッとくるけどな」とか言われて、もう1回見ると「確かにそうだね」ってなる。彼は小ちゃい時から映画の現場もコンサート会場も見てるし、最近は「小説書いてみようかな」って言い出したりもして。

―息子さんも小説を!? やはり、そこは親子というか。

 そんな姿を見ると「なるほど、“たったひとり”の人間かもしれないけれど、我が子に影響を与えてるってすごいことじゃないかな」って。もちろん、たくさんのファンが応援してくれているのも素晴らしいことだけど、このひとりの子が父の背中を見て、そう思ってくれたということに感動がありますね。

―創作をしている父親の姿はもちろん、日々面倒を見てくれている姿もきっと影響を与えているんでしょうね。

辻 弁当を作ることをひとつの“会話”にしようと思って。言葉で「パパはおまえのことを愛してるよ」って説明しても、そんなのタダの言葉じゃないですか? だから、見せるしかない、示すしかないと思って、毎日、朝メシを一生懸命作った。そうすりゃ、パパは大丈夫、と思うだろうとね。でも、3年それをやってると、最近は「もうウザいから弁当いらない。僕はトーストでいいんだよ」って言い出して。「そっか、それはそれでいいか」みたいな(笑)。

―やはり、「欠かさずおまえのためにやってきたことがあるよ」っていうのを示したいというか。

 そんな偉そうなことでもない(笑)。ただ、僕は働かなきゃいけないから。働くのが好きだし、やっぱり創作がすべてだとは思うんです。お金になるかならないかは別としてね。モノづくりをしてる親父を見ているからか、友達と一緒に短編映画を作り始めたり、すごいですよ、早くて。最近は「小説書きたい」って言い出してるわけでしょ(笑)。もうこれは僕の出る幕じゃない。でも息子との戦いというか、いいライバルが生まれたんじゃないですかね。

―恐るべき息子さんですね…!

 いつの間にか、彼は「自分が表現することで人が集まってくる」っていうことを自然に学んでたんだよね。うちにもユーチューバー好きの友達を連れてきて「あのユーチューバーがどうだ」とか議論してるから「おまえら、外に遊びに行けよ」って言うんだけど、「パパの時代は野原に行ってたかもしれない。でも、僕らにとっての野原はYouTubeなんだよ」って返してくるんだよ。

―それは、セリフとしてそのまま使えちゃいますね(笑)。

 (笑)本当にそのぐらい世界はどんどん変わってきてるんで、僕は息子からすごくヒントを得ているんですよ。


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