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完成を東京五輪に合わせた“外環道ファースト”? 総工費1兆6千億円の問題だらけな大事業に小池都知事は無反応…

[2017年06月29日]

池田あすえさんの農場。奥に見えるのが東名高速道路。池田さんが立っているあたりから向こうが収用予定だが、池田さんは土地を明け渡すつもりはない

池田あすえさんの農場。奥に見えるのが東名高速道路。池田さんが立っているあたりから向こうが収用予定だが、池田さんは土地を明け渡すつもりはない

昨年、外環道計画に異を唱える市民団体「外環ネット」がこの問題についてのアンケートを都知事選の立候補者に送った。これに対し、小池候補(当時)は無回答。

さらにおかしなことには、高架での自動車走行を回避するための大深度計画だったのに都は15年、「外環ノ2」という名前で地上部での道路計画を策定。これにも都内の複数の市民団体から反対の声が上がっているが、小池知事は推進の立場だ。

今年2月13日、外環ノ2が通る武蔵野市の邑上守正市長は小池知事と対談、「外環ノ2計画は住民の合意が得られていない。現地を見てほしい」と要望し、小池知事は「検討する」と回答した。さらに2月28日の都議会では、畔上三和子議員(日本共産党)が小池知事と以下のやり取りを行っている。

畔上議員「都は、なくなるはずの地上部道路の計画を外環ノ2として推し進めました。地元住民や区市からは、約束が違うと厳しい批判が出されました。こうした経過をどう考えていますか。現地視察はいつ頃になるのでしょうか」

小池知事「外環ノ2について、様々な意見があることは承知をしており、都は沿線四区市の要望を踏まえて、地域住民の意見も広く聞きながら、整備のあり方などについて検討を進めてまいりました。今後も地元区市と連携をして、地域の様々な意見も聞きつつ、そのあり方を検討してまいります。現地視察については、状況を踏まえて判断をさせていただきます」

だが現在、市民団体が外環道計画の中止を求める10万人署名活動を展開しても、小池知事が現地視察をして地域住民と話し合いに臨む予定はない。

シールドマシン発進式での抗議行動。向こうに見えるのが工事用ゲート

シールドマシン発進式での抗議行動。向こうに見えるのが工事用ゲート

冒頭で先述した通り、2月19日のシールドマシン発進式では小池知事が祝辞を述べ、関係者によると、住民からの抗議のアピールは会場内にも届いたという。知事は反対住民の声を知っているはずだが、今のところ現地視察どころではないらしい。

自分たちの意見が反映されないままでの事業推進で、前出の池田さんに畑を譲る気はない。「最大の問題は民主的手続きを踏んでいないことです。だって発進式には泣く泣く土地を売った住民が招待もされていないし、そのお知らせすらなかったんです」

東京都議選は6月23日に告示されたが、市民団体「外環ネット」は、その少し前に都議選立候補予定者に外環計画についてのアンケート調査を実施した。都民ファーストの会の候補者には8人にアンケートを送ったが、回答があったのはわずかにひとり 、新人の鈴木邦和氏だけ。そこにはこう書かれていた。

「東京都では、一度決定した公共事業の計画が、前提条件や社会環境が変わった後も残り続けている事例が多くあります。不合理な計画は一旦立ち止まって見直すことが必要だと考えています」

だが、残り7人は揃って「無回答」――。これは小池知事の姿勢に合わせているのだろうか? 都民ファーストと言いながら、豊洲移転問題などのパフォーマンスばかりが目につき、住民の不安に寄り添う姿勢がいまだ見られないのが懸念される。

(取材・文・撮影/樫田秀樹)


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