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共謀罪施行は喉元をすぎた? 悪法による“権力の暴走”を食い止める3つのポイント

[2017年08月03日]

ついに施行された共謀罪。権力による恣意的な運用を阻止するためには「法による歯止めが必要」と語る金惠京氏(撮影/細野晋司)

7月11日、ついに改正組織犯罪処罰法――いわゆる「共謀罪」が施行された。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」は日本人の悲しき性(さが)なのか、国会審議であれほど紛糾したのに、今ではこの法律に関する議論はあまり目にしなくなった。

そこで「週プレ外国人記者クラブ」第86回は、昨年9月のインタビューに続き、韓国・ソウル出身の国際法学者、金惠京(キム・ヘギョン)氏に再び話を聞いた。この法律が戦前の悪法、治安維持法のようにならないためには今、何が必要なのか――。

***

─7月11日、共謀罪がついに施行されました。法案可決に至った国会での審議はとても十分とは言えませんでした。この問題の議論で特に欠けていたことは?

 最大の問題点は、選挙によって信任された国民の代表である国会議員が「国民の声」を聞いていないことだったと思います。日本国憲法41条で、国会は「国の唯一の立法機関」と定められています。法案について議論し、議論を尽くした上で採択していくのが国会議員です。つまり、市民生活の基本を形づくる立法の場に国民が代弁者を送り込んでいる構図が本来あるわけです。しかし、現在の日本の国会議員には、ある傾向が顕著に感じられます。

それは、選挙での勝利を国民からの「全権委任」と捉える傾向です。選挙結果を尊重するのは民主政治の基本ですが、過去に政府与党が国会で多数を占めた中でもたびたび廃案となった共謀罪は、直近の国政選挙で争点になっていませんでした。また、この法案の審議から可決に至る過程ではデモなどの形で多くの国民が不満を表明していました。そういった「国民の声」に耳を傾ける姿勢が、国会では明らかに欠けていたと思います。

─法案審議の過程では、金田勝年法務大臣の不安定な答弁にも注目が集まりました。日本では法務大臣のポストは他の閣僚に比べて軽く見られる傾向があります。死刑が確定している受刑者に対して刑執行の書類に署名する職務があるため敬遠されがちとも言われていますが…。例えば、米国で司法長官といえば国務長官・国防長官と並び、大統領に次ぐ3大要職と言っていいでしょう。韓国ではどうですか?

 韓国でも米国と同じように司法を担当する法務部長官は非常に重要なポストです。直近4代の法務部長官を見てみると、金賢雄(キム・ヒョンウン)、李昌宰(イ・チャンジェ)、李今魯(イ・グムロ)氏はいずれも司法試験の合格者で、検事を長く務めていました。現職の朴相基(パク・サンギ)氏もドイツで法学博士を取得した延世大学教授であり、法務部長官は「法律の専門家が務める職」という認識があります。

韓国や米国、他の先進諸国と比べて、日本では「法務は官僚の仕事」と考えられる傾向が強いのではないでしょうか。しかし、一定の法律知識がなければ官僚からの助言も理解できません。そういった問題点が共謀罪の審議過程で見られた金田法務大臣の不安定な答弁の背景にあったと考えられます。


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