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信用しているから社員の持ち株を増やすんですーーランドセルメーカー・協和の「100年続く会社」への挑戦

[2017年08月27日]

西山國夫さん。今年73歳だが、協和で働きながらますます元気になっている

今年に73歳を迎えるが、協和の千葉工場で元気に働く西山國夫さん

知的障がいを持つ社員のひとりは黙々と封筒に糊付けをしてきれいに積み上げている。協和の封筒に宛先を押印する社員もいる。

まず封筒サイズの溝のある木枠に封筒をセットし、その上に印鑑サイズの窓が開いている蓋をかぶせる。こうすれば失敗なく、決められた場所にきれいに押印できる。この木枠は周りの社員たちの手作りだ。障がい者だからできないのではなく、工夫さえすればできるようになる。しかも健常者以上の集中力を発揮する。

集中力がすぐに切れるという知的障がい者の男性社員には、健常者の社員が付いて彼が飽きないように次々と違う部品の搬出を指示していた。

「皆、普通に働いているでしょ。本人に働く意思があるかどうかが採用基準です。仕事を覚えるまでには時間がかかりますが、皆が支えれば一人前になれるんです」(小森工場長)

「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」では「月の残業10時間以内」も審査対象となる。これもまた協和では実現している。

試しにタイムカードを見せてほしいと頼むと、小森工場長は社員出入口にあるタイムカードから適当に何枚かをサッサッと引き抜いた。千葉工場での作業終了は17時15分だが、タイムカードに打刻された退勤時刻はすべてそのわずか数分後だった。

この残業の少なさはランドセル製造が手作業であるからだ。太い針でのミシン縫いはすべて人が電動ミシンを駆使して行なう。ミシン作業は足踏みの力加減とタイミングと手の細かな動作を合わせる高等技術。強い圧力が必要なランドセルへの鋲打ちも、気を抜けば怪我につながる。集中力が必要な手作業において必要以上の残業は疲労を生み、事故に繋がる。だから、させない。はたして、労災事故はゼロである。

工場を案内されている間、何人かの社員に同じ質問をしてみた。会社のどこがいいのかと。すべて同じ答えが返ってきた。職場が和気あいあいとしていること。残業がないこと。

実は、小森工場長は社長の娘であり若松専務の妹である。つまり、協和は家族経営なのだが、若松さんは今ここも改革しようとしている。なぜなら、会社を継続させるのに必要なのは「血」ではなく「理念」だからだ。

一時期、若松さんの長男も会社に在籍していたことがある。だが、初めから長男を跡取りにとは考えていなかったとのことで要職にもつけなかった。長男もそのつもりはなく、実際、今は自分の道を見つけて違う仕事に就いている。

「中小企業では、多くは自分の家族に仕事や株、財産を継がせるのがほとんどです。でも、その人たちだって、きっと『はたしてそれでいいのか』と考えているはずです。ただ息子だからとの理由で、権限、財産を受け継ぐのを当たり前と考えてはいけません。誰が経営者になるのであれ、『企業とは何か』をきちんと考える人がなるべきです。だって、会社は社員のものですから」

協和・千葉工場のタイムカード。誰もが定時(17時15分)の数分後には退社している

協和・千葉工場のタイムカード。誰もが定時(17時15分)の数分後には退社する


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