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コンビニより多い“歯科医過剰”問題ーー食えないドクター続出…で今、求められる“医師の良心”とは?

[2017年09月10日]

埼玉県にある大月デンタルケア。院内に保育所を設置するなどスタッフの大半を占める女性が働きやすい職場づくりを実践している

ニッポンには人を大切にする“ホワイト企業”がまだまだ残っている…。連載企画『こんな会社で働きたい!』第11回は、埼玉県富士見市で歯科医院を営む医療法人満月会 大月デンタルケアを紹介する。

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“歯が痛い…治療に行かなきゃ”と思った時、歯科医院選びは悩ましい問題となっている。

現在、歯科医師の数は約10万人、この20年間で約2万人も増えた。診療所数も約6万9千件で、約5万店のコンビニより多い。“歯科医過剰”で診療所間の競争が激化する中、「メシが食えない歯科医が増えている」(都内歯科医院)のが実情なのだという。

一方、そんな現状から歯医者はもはや憧れの職業ではなくなったのか、歯科を志す若者が減っているのも最近の傾向なのだという。

「大学歯学部や歯科大学で定員割れを起こすケースが続出しています。競争倍率が2倍以下に落ち込み、入学試験に選抜機能が働かなくなっている大学も多く、歯科医の“質”の低下という問題も懸念されているところです」(前出・都内歯科医院)

経営が安定しない歯科医院が増え、さらには歯科医の質の低下も懸念されるため、「もしかして、この医師は儲けを増やすために不要な診療をしたり、ムダに治療を長引かせたりしないか…?」と疑心暗鬼に陥る人も少なくないはずだ。

今年7月には患者に不利益をもたらす現場の問題も明らかになっている。

全国の歯科医療機関の半数近くが、ハンドピースと呼ばれる歯を削る医療機器を患者ごとに交換せず、使い回している可能性があると厚生労働省が発表したのだ。口内に入れるハンドピースを使い回せば、当然、ウイルスや細菌が他の患者に感染する恐れがある。

「これも突き詰めれば、赤字体質から抜け出せない歯科医院が多く、ハンドピースを毎回、交換・滅菌するだけの経済的余裕がないという問題に行き着きます。経営が安定しない歯科医院が増えている今、歯科医の良心が試されているように思います」(前出・同)

歯科医療に対する信頼が揺らぐ中、埼玉県富士見市にある『医療法人満月会 大月デンタルケア』の取り組みに注目が集まっている。2日間、みっちり取材をさせてもらって感じたのは「こんな歯医者が近所にある富士見市民が羨ましい」ということだった。

大月晃院長への取材で、最も印象に残った話がある。

「私は患者さんの利益を第一に考える歯科医でありたい。では、患者さんの利益とは一体、なんでしょうか? それは虫歯などの口腔疾患が一切ないことでしょう。そして、それをさらに推し進めていくと、歯科医療における究極の患者の利益に辿りつきます。それは、ほとんどの国民に虫歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)や歯列不正がなくなるということ。つまり、歯医者がいなくてもよい世の中になるということです」

そこまでの“良心”を公言してしまう院長がいる歯科医院とは、一体どんなところなのだろうか。


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