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日本が世界で炎上? 津田大介が捕鯨問題で嘆く“お粗末な世界戦略”と、その解決策とは…

[2017年10月06日]

佐々木(左)と津田(右)の対談はクジラ問題からポスト・トゥルースの話題まで広がった

9月27日、週プレ酒場で行なわれたイベントは、知的好奇心を刺激するオトナのトークショー!

登壇したのはジャーナリストの津田大介氏と、『おクジラさま ふたつの正義の物語』が公開されたばかりの佐々木芽生(めぐみ)監督。“メディア・アクティビスト”として幅広い視野に立った言論で知られる津田氏と、あの“過激な環境保護団体ト”シーシェパートから名指しで攻撃されるほどの世界的存在感を放つ佐々木氏の異色対談ということで、刺激的好奇心がそそられるはず!

「日本をめぐって世界が『炎上』している!? メディアが伝えない、日本バッシングの真実を知ってるか?」と銘打たれた今回のトークショー。熱心に聴き入る観客を前に、映画の裏話だけでなくSNS時代のメディア戦略、ポスト・トゥルースからの脱却まで話は広がり、濃密な1時間半となった。

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『おクジラさま ふたつの正義の物語』は、世界で論争を呼ぶクジラ・イルカ問題がテーマのドキュメンタリー映画。週プレNEWSでは先に佐々木監督の単独インタビューを配信しているが、映画『ザ・コーヴ』が2009年にアカデミー賞を受賞して以来、その追い込み漁を糾弾する環境活動家の攻撃ターゲットとなった和歌山県の小さな漁師町・太地町が舞台だ。

半年前にパイロット版を観て期待感を強めていたという津田氏は、本編を「王道のドキュメンタリー」とまずは賞賛。その上でふたりが共に問題視するのは、すでにグローバル化しているクジラ・イルカ問題に対しての、日本のお粗末さだ。

津田氏はまず、現代の日本ではクジラを食べる文化自体が廃れており、調査捕鯨で得たクジラの肉を大量に余らせている現実を指摘。世界から批判が集まるわけだが、そこで日本側が何をしたかというと「水産庁の長官が『クジラの味はおいしい』と国会で言っちゃった」のだ。「それが海外でも取り上げられて大炎上した。やるならちゃんと理論武装しなきゃいけないのに(苦笑)」と、低レベルな反論を嘆く。

「外からどう見られるかという視点が欠如している」という津田氏に同意する佐々木氏も、日本が捕鯨に関して説明責任を果たしていないと主張する。それは自身が、世界各国で開催されるIWC(国際捕鯨委員会)を3度取材してきた経験から感じたことだという。

日本の低レベルな対応を笑いながら話す佐々木

日本の低レベルな対応を笑いながら話す佐々木

「会議に対する日本政府の見解を説明するプレス発表があるんですが、これが日本のマスコミしか入れない。しかも全部、日本語で説明されるんです。世界中から日本が批難のターゲットになってるテーマで説明責任もあるし、海外の記者も来てるからいいチャンスなんですよ! おかしいなと思っていたら、2014年のスロヴェニアでの会見では私も追い出されたんです。その理由が『ちょっと違和感があるので』って(笑)」(佐々木)

あまりな対応に会場からは失笑が漏れたが、ちなみにその一部始終はカメラに収められているそう。津田氏の「DVDの特典映像に」との提案が実現すれば見られるかも!?

それとは真逆に積極的な情報発信で世界中の関心を集めたアメリカの反捕鯨サイドに比べ、日本側は有効な反論も発信しておらず、完全に出遅れていることは否めない。

この一因として津田氏は、日本がメディアの重要性を理解していないだけでなく、NGO(非政府組織)やNPO(非営利団体)の社会的重要性を誤って認識している可能性を指摘する。これらの組織は日本とアメリカにおいてはあまりに規模が違う現実があるのだ。

「日本ではNGOやNPOは力が弱く、大抵、補助金頼り。一方でアメリカでは日本の100~1000倍の寄付が集まる。そんな環境NPOやNGOは国際世論にも影響力が大きいことに日本は気付いてなくて、『頭のおかしく見える一部の環境団体なんて、主張がめちゃくちゃだから無視していればいい』と思いがち」(津田)

一方、環境保護団体にとって、『ザ・コーヴ』の舞台となった太地町は“ブランド”でもあると佐々木氏は言う。事実、創設時からメディア戦略に長(た)けたシーシェパードは、イルカが“残酷に”捕獲される「感情を煽(あお)る情報」を即座にSNSで拡散させ、膨大な寄付金を集めている。「どうしたら効率よくお金を集められるか考えている」結果が『ザ・コーヴ』だったのだ。

感情を煽る情報が跋扈(ばっこ)し、集団となって力を得る現代。津田氏も「それを信じている人にファクト(事実)を言って冷静になるなら、トランプ大統領も誕生しないわけで。もう信仰のようなもの」と問題視する。そこから話題は必然的に「ポスト・トゥルース(真実)を脱却するには?」というテーマに…。


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