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出所したらこんな会社で働きたいーー裏切られても元受刑者を採用する北洋建設社長「人間は絶対に立ち直る」

[2017年11月19日]

北洋建設の小澤社長と、母親の静江会長

鳶(とび)、土工、解体工事を請け負う北洋建設(本社・札幌市)は全国でも数少ない、元受刑者を積極採用する会社として知られている。

約60人の社員のうち、元受刑者は17人。殺人未遂の前科を持つ社員の山村強さん(50代、仮名)は「罪を背負って生きている私をわだかまりなく受け入れてくれたこの会社には本当に感謝しています」と話す(前編記事「罪を犯した者ほど真剣に働く」参照)。

現在、日本の出所者の再犯率は実に48%(平成28年版『犯罪白書』)。約半数が出所後に再び犯罪に手を染める。それはなぜか。

刑務所では、一日作業をしても手元に入るのは50円に過ぎない。大抵の受刑者は出所時には数万円の現金を持つだけだ。当然、いざ出所しても、数日分の飲食費と宿泊費とでカネはあっという間になくなる。その短期間で住所も持たないのに仕事も決まるはずがない。

特に出所時が寒い冬ならば野宿できるものではない。冷暖房のある宿と食事や風呂が欲しい出所者の中には、それがある刑務所に戻るため、敢えて再び罪を犯す者もいる。

だからこそ、北洋建設の小澤輝真(てるまさ)社長は徹底して、やる気のある出所者に仕事を与えることを肝に銘じている。「仕事さえあれば、人は再犯をしない」。それが小澤社長の信念だ。

現在、寮の定員の約半数を出所者が占めるが、寮長を務める南原幸一さん(40代、仮名)にも窃盗・詐欺という前歴がある。

元々は大手飲食店の店長だったが、その後、引き抜かれた他の飲食店では何ヵ月も給料を払ってくれなかった。家賃も払えなくなり、やむを得ず、出前の集金で集めたお金で家賃を払ったら逮捕された。

執行猶予がついたため刑務所には行かなかったが、職は失った。判決後は更生保護施設に紹介された短期の清掃などの仕事を繰り返していたが、施設の教員の勧めで北洋建設に入職した。

南原さんは今、飲食店で磨いた料理の腕前を生かして1日3食を作り、同時に寮の生活を管理する。

誰もが不安を抱えて北洋建設に入社する。だが1年も経てば、体つきも頑丈になり、仕事にも精進する。その再起の様子を目の当たりにする南原さんは「この仕事は面白い。人間が再起できることを証明してくれますから」と声を弾ませた。

小澤社長もこう断言する。「彼らはいい人ばかりです。社会的に犯罪を起こさざるを得なかったが、でもみんな立ち直りたいと思っている。ここで一所懸命働けば、絶対に再犯はありません」


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