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久米宏の目からウロコが落ちたーー “日本列島全員立候補”のススメ「もっと権利を行使して意見を自由に言えばいいんです」

[2018年01月08日]

畠山 その他にも組織がない人は、煩雑な事務作業や膨大なポスター貼りも含めて全部自分でやらなければいけないなど、選挙に出るというだけでどれほど苦労しなければならないか。そんな高いハードルを乗り越えて立候補してきた人たちを、僕は本当に尊敬しています。

久米 この本の最後を読んでいて目からウロコが落ちたのは、僕はこの仕事に入ってから、選挙の時は「皆さん、投票に行きましょう」とずっと言い続けてきたわけですけど、「立候補しましょう」と言ったことはなかったな、と。それこそ、被選挙権がある年齢で、日本国籍を持っていれば、誰が立候補してもいいんですから。

畠山 実は、今回の開高健賞の賞金が300万円なんです。

久米 じゃ、供託金にちょうどいいじゃないですか。

畠山 皆さんにそう言われるんですけど、やっぱり自分自身が立候補する決断はできないと思っちゃったんですね。賞金は税金も引かれますし、何よりも、僕みたいに無頼系独立候補を取材する人がいなくなったらいやだなあと。正直に言うと、毎回、選挙は無頼系独立候補との出会いがあるから、その現場を離れるわけにはいかないんです。

久米 でも、どう考えても、一番まっとうな使い道は供託金でしょう(笑)。そうしたら次の本も書ける。

畠山 久米さんに立候補宣言してもらおうと思って対談を申し込んだのに、自分が出なきゃいけない感じに追い込まれてしまいました(笑)。

でも本当に、いつかは『日本列島全員立候補』という本を書きたいと思っています。実際に立候補しなくても、立候補することを考えてみるだけでも、投票行動はかなり変わってくるはずですから。

久米 そうですよ。公約や選挙演説をいろいろ考えてみたり、所属政党をどこにしようかなんて検討したりすることは、かなり有益だと思います。無頼系の人たちがしているように、もっと大勢の人が立候補の権利を行使して、自分の意見を自由に言えばいいんです。

例えば、東京1区で2500人立候補したら、それこそポスターを貼る掲示板が大変なことになるけど(笑)、これぞ民主主義です、ほんとに。

(構成/加藤裕子 撮影/三山エリ)

対談5

畠山理仁(はたけやま・みちよし)
フリーランスライター。1973年愛知県生まれ。早稲田大学第一文学部在学中より取材・執筆活動を開始。関心テーマは政治家と選挙。著書に『記者会見ゲリラ戦記』『領土問題、私はこう考える!』。取材・構成として『10分後にうんこが出ます』(中西敦士著)等。

久米 宏(くめ・ひろし)
1944年埼玉県生まれ。67年、TBSに入社。79年同社を退社しフリーとなる。『ニュースステーション』や『ザ・ベストテン』など多くの番組を担当。現在、TBSラジオ『久米 宏 ラジオなんですけど』を中心に活躍中。近著に『久 米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』がある。


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