週プレNEWS TOP 連載コラム こんな会社で働きたい! “伝説の死刑囚”に縁があった社長自ら受刑者を雇用する理由ーー「償ったら誰でもチャンスがある」

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“伝説の死刑囚”に縁があった社長自ら受刑者を雇用する理由ーー「償ったら誰でもチャンスがある」

[2018年02月04日]

セリエ・コーポレーションの岡本昌宏社長(写真は同社提供)

ニッポンには人を大切にする“ホワイト企業”がまだまだ残っている…。連載企画『こんな会社で働きたい!』第18回は、神奈川県横須賀市にある鳶(とび)専門会社「セリエ・コーポレーション」だ。

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「償ったら誰でも同じようにチャンスがある」「手に職つければなんとかなる!」

鳶専門会社「セリエ・コーポレーション」(以下セリエ)の岡本昌宏社長(43歳)はこの言葉を全国の少年院や刑務所で伝え続け、目の前に広がっているまっとうな人生に飛び込めと檄(げき)を飛ばしている。

口先だけではない。セリエで働きたいという入所者がいれば、健康でやる気さえあれば、自らが身元引受人となり、住まいも用意し採用する。その数、13年間で約70人。とはいえ、その多くが定着せずにセリエを去る。「それでもいい」と岡本さんは思っている。

「セリエに残るもよし。ここを辞めても、その後の人生に繋がる場であればいい」

絶対に立ち直る――その信念は、自らの少年時代がベースになっている。

小学校からサッカーが好きな普通の少年だった。それが、つい大人の真似をしたくなり、中1で喫煙を始めた。

中2でサッカー部を辞めた。3年生になると喫煙はやがて薬物へとエスカレートし、給食時間を除き、学校にも行かなくなった。

修学旅行にだけは行ったら?との周囲の大人の勧めで渋々参加したが、その一泊目で事件を起こす。翌日の早朝には母に連れ戻され、学校や教育委員会からは「もう学校に来ないでくれ」と言われた。

途方に暮れた親が知人である大谷恭子弁護士(一般社団法人・若草プロジェクト代表理事)に相談したところ、大谷弁護士は岡本少年に「じゃあ、うちにおいで」と居候を提案する。早速、その実家である米屋の2階で7月から8月にかけての居候生活が始まった。

ぶらぶらしているわけにもいかず、近くの蕎麦屋で働いた。中学生の就労は今なら児童労働でアウトだが、岡本さんはこの時、「働くことは楽しい」と思った。そして、びっくりしたことがある。

「昔から読書好きですが、その時、ある本で初めて大谷さんがあの死刑囚、永山則夫の弁護士だと知ったんです」

永山則夫は1968年に日本各地で警備員やタクシー運転手など4人を射殺した「連続ピストル射殺事件」で逮捕され、97年に死刑執行されたが、獄中から多くの小説を発表したことで知られる“伝説の死刑囚”だ。さらに、これは後日知るが、居候していた部屋の隣に住んでいた「誰か」が永山死刑囚と獄中結婚した女性であったことにまた驚く。

大谷弁護士宅に居候していたのは、今でいえば保護観察のようなものだが、岡本さんは蕎麦屋での経験から「自分でしっかり働いて食っていこう」と決めた。

やり直そう。兄が単身赴任していた岩手県宮古市に身を寄せ、10月から地元中学校に編入、高校にも進学しサッカーも再開した。そして猛勉強の末に都内にある私立大学の福祉学部に入学した。目標があったのだ。


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