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『あの花』『ここさけ』の人気脚本家・岡田麿里が初監督作で語る影響を受けたアニメ「私の世代では静かなトラウマじゃないかな」

[2018年03月04日]

岡田麿里さん初監督を務めた『さよ朝』からーー数百年の寿命を持つイオルフの少女・マキア

2017年に誕生から100周年を迎えた日本のアニメ――。日本が世界に誇る一大コンテンツのメモリアルイヤーに、週プレNEWSでは旬のアニメ業界人たちへのインタビューを通して、その未来を探るシリーズ『101年目への扉』をお届けしてきた。

第7回目は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(『あの花』)『心が叫びたがってるんだ。』(『ここさけ』)などのヒット作を手がけ、今やアニメ好き以外にもファンが多い脚本家・岡田麿里(まり)さん。

そんな気鋭の脚本家が、2月24日公開の映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』(『さよ朝』)で初めて監督に挑んだ。

10代の姿のまま成長が止まり、それから数百年にわたって生き続けるイオルフの民の少女・マキアと、赤ん坊の時に両親を亡くした男の子・エリアルの絆を描いた同作。同じ日々を過ごしているはずなのに、普通の人間であるエリアルは年を重ねる一方、イオルフの民であるマキアは全く老いない。

固い絆で結ばれていたふたりだったが、月日が経つにつれ思いはすれ違い、その関係は変化を迫られていく――。ファンタジーでありながらも、誰もが普遍的に感じる「出会い」と「別れ」の切なさを描いている一作だ。

自身のオリジナル脚本であり、「やりたいことを100%詰め込んだ作品」という『さよ朝』はいかにして生まれたのか? 初監督作の公開直前に話を伺った独占インタビュー後編!

■初監督作にファンタジーを選んだ理由

前編では初監督をされた感想について伺いましたが、今回、そもそもなぜファンタジーという形式を選んだのかという点についてもお聞きしたいと。ご自身は「子供の頃、夏休みに公民館でアニメを観た時のようなワクワク感を表現したかった」という趣旨のことを以前おっしゃっていましたが、実際に映画を観ると、内容は結構、大人向けで…。

岡田 がっつりそうですよね(笑)。

―映像や設定はファンタジーなんですけど、何百年も生きるマキアという存在を通して、「人間が生きて、誰かと出会うことにどんな意味があるのか?」みたいなことを考えさせられるんです。

岡田 子供向け、大人向け、みたいな対象年齢はあまり考えませんでした。「子供の頃のワクワク感」というのは、どちらかと言うと、今ではなく私たちの世代の経験のことを指して言ったつもりなんです。もちろん、試写会に小さなお子さんも来てくれてすごく嬉しかったんですけど。

今回は、完璧じゃない人たちが誰かを強く求める話にしたかったんです。故郷を追われたマキアは自分をひとりぼっちだと思っていて、その孤独感をとにかく回避したい。だから赤ん坊のエリアルを拾った時に、この子を2度と離したくないと思う。その時、マキアは親子関係というのを「離れないでいること」と考えちゃうんです。だから「エリアルのお母さん」という役割をまっとうすることにこだわるし、それに成長したエリアルが反発したりする。

人が誰かと繋がっていきたいという気持ちはすごく強いし、その中でもがいたり、得るものがあったりする。今回描きたかったのはそういう強い関係性で。じゃあ強い関係性って何かって考えたら、恋愛もそうなんですけど、やっぱり親子という関係が一番表現したいことに近かった。

ただ、こういう関係性を現実の時間軸で描いちゃうと、結構、強烈すぎるというか、あまりにも生々しくなる。でもファンタジーの世界にすれば、私たちの現実と地続きの感情を新しいかたちで描けるかもしれないと思ったんです。

―あくまで表現したいことが先にあって、それをうまく伝えるためにファンタジーという形式を選んだ、と。

岡田 だから、私が言った「ワクワク感」っていうのは、例えば子供の頃に『ガンバの冒険』を公民館で観た感じに近いものなんです。

―確かに『ガンバの冒険』は、すごく普遍的な物語を「動物もの」(同作の主役は擬人化されたネズミたち)という形式にすることで、世代を問わず胸に響く作品になった名作ですね。

岡田 はい、新たな道しるべができるというか。あるいは「世界名作劇場」っぽい感じ。起こっている出来事の激しさと、映像の暖かさのギャップがうまく噛み合うことで、自分が作ったことがないものになるんじゃないかって。そこに挑戦してみたかったんです。

幼くして両親を亡くした人間の男の子・エリアル。マキアに拾われ育てられる。

幼くして両親を亡くした人間の男の子・エリアル。マキアに拾われ育てられる


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