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「福島から逃げない」――震災のどん底から最高収益を実現させた“人を惹きつける男”はひどい社長だった…

[2018年03月18日]

震災のどん底からV字回復したナプロアースの廃車リサイクル工場

ニッポンには人を大切にする“ホワイト企業”がまだまだ残っている…。

連載『こんな会社で働きたい!』第20回は、福島県伊達市で自動車リサイクル業を営む株式会社ナプロアースだ。

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廃車を次々と運ぶフォークリフトが走り回っている。廃車から取り出されたリサイクル部品は丁寧に洗浄され、製品棚にきれいに陳列されている。忙しい中でも、目が合えばどの社員も「こんにちは!」と挨拶をし、作業中でもイヤがらずに質問に丁寧に答えてくれた。明るい会社だ。

だが、ナプロアースの池本篤社長は自身を「ひどい社長だった」と振り返る。社員を罵倒すれば手を出したこともある。売り上げという数字が全てで、儲(もう)けにならないと判断した協力会社とは迷いなく取引きを絶った。

それがガラリと変わったきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災と続く原発事故だった。

日頃、叱責を浴びせていた社員が津波で一時期行方不明になる。このまま亡くなってしまったら、なんとかわいそうな扱いをしていたのかという後悔。そして被害者となった自分たちを、切り捨てたはずの協力会社が助けてくれた。そこで覚えた恥ずかしさと尊敬。さらに、残ってくれた社員がいたことへの感謝。

社屋は潰れ、社員の多くは県外避難する中でも、池本社長は「福島から逃げない」と決めた。社員や協力会社を尊重する会社を作ろうと決めた。そこから社員の8割が新人という再スタートでありながら、ナプロアースは震災後、1年で過去最高収益を記録したのだ。

「もう私が怒鳴る必要はない。ただ社員の自主性をいかに高めるかを考え、実践しただけなんです」

元々、池本社長はクリスチャンの両親の影響を受け、幼少時から牧師になると信じて育った。2年生で高校中退したのも、牧師に学歴は不要で布教活動に力を注ぐと思ったからだ。

だが21歳の時、「ある戒律」を破り教会を破門された。自分を支えていた唯一の人生設計が崩れ去る。以後、人生の底辺を何度も歩いた。

中退後、福島県内の部品製造業や品質管理業などの仕事を渡り歩くが、単純作業を繰り返す将来性のなさに退職したり、リストラされたりで長くは続かなかった。

その後、東京で働いた不動産会社はブラック企業。電話で不動産の営業をかける仕事で、成績の悪い社員はアポが取れるまで受話器と手を紐で結ばれていた。社会体験の浅い池本さんは「これが当たり前だ」と思い込み、月100万円以上を稼ぐほどの成績を上げたが、1千万円の不動産をその3倍で売るなどの販売手法に良心が痛んだ。

「このままではダメになる。辞めよう」と決めたが、辞意を知った上司は池本さんを殴り、「辞めさせない」と脅したという。池本さんは夜逃げをして福島県に戻る。

そこでは車のリサイクル部品会社に就職した。やはり優秀な営業成績を収め、2本の受話器を右耳と左耳に当てながら仕事をこなす猛烈な働きで年に1億円以上を売り上げ、最年少で課長に抜擢される。

この時の自分を本人は「数字が全てだ」と傲慢(ごうまん)になっていたと振り返る。同僚や先輩が忙しい時も手を貸すこともなかった。だが、ここも上司たちの一斉辞職で会社が立ち行かなくなり、またも職を失った。


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