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性依存症を作品でカミングアウトした漫画家が赤裸々に描く実体験ーー“楽しくない、でもやめられない”苦悩とは

[2018年04月13日]

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セックス依存症を患い、現在も治療中の津島氏。真面目な性格で、世間がイメージしている性依存症患者とは程遠いが…

4月13日より、『週プレNEWS』で新たに連載スタートした漫画『セックス依存症になりました。』。本作がデビュー作となる漫画家・津島隆太氏が自身の壮絶な実体験をベースに性依存症の実態、そして克服への道のりを描く異色作だ。

今回、その津島氏と本作の監修を務める精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳(あきよし)氏との対談が実現。現在も依存症からの回復の半途にいる津島氏が、2千人以上の性犯罪加害者と面談してきた斉藤氏とともに知られざるその実情を明かす。

* * *

―本作のテーマでもある「セックス依存症」とはどのようなものなのでしょうか?

斉藤 専門家の間でも意見が分かれていて、実は明確な定義がないんです。例えば、反復する性犯罪は依存症ではないと主張している専門家もいます。したがって私の中での臨床的な定義ですが、まず「性依存症」という大きな枠組みがあり、その中に「犯罪性のある性依存症」「犯罪性のない性依存症」のふたつのカテゴリーがある、と考えています。

「犯罪性のある性依存症」はさらに「接触型」と「非接触型」に分かれていて、接触型は強姦や痴漢、小児性犯罪、監禁などの性的サディズム。非接触型は下着窃盗や盗撮、露出ですね。いわゆる「セックス依存症」は、このうち「犯罪性のない性依存症」に該当します。身体的損失や社会的損失があるにも関わらず、不特定多数との性交渉や風俗通いがやめられなかったりします。既婚者なのに不倫を繰り返し職を失ったり婚姻関係が破綻する、というのもこれに当てはまるといえるでしょう。

津島 斉藤先生の言われた通り、私は典型的なセックス依存症です。そして私の「嗜癖(しへき)」(熱中しすぎるとやめられなくなる行為)は、「処女である若い女性とのセックスがやめられない」というもの。しかも不思議なことに、援助交際や風俗といったお金が介在する行為では代替できないんです。あくまで恋愛関係という体をとっていないと欲望が満たされない。

―しかし一般的にも、若かったり性体験の少ない女性との性交渉を好む男性は少なくないと思います。どこからが「依存症」といえるのでしょうか?

斉藤 よくある質問ですね。セックスに限らずアルコールや薬物、ギャンブル依存症でも当てはまるのですが、その物質や行為によって社会的損失や経済的損失、身体的損失を被っているにも関わらず、それがやめられない状態にあれば依存症であるといえます。

例えば、アルコールを毎晩たしなむ人は多いでしょうが、それだけでは依存症ではありません。つまり飲酒量ではないんです。お酒を手に入れるために盗んだり、たび重なる飲酒問題が原因で会社を解雇されたり、アルコールによって体を壊しているのに酒が切れると離脱症状が出始め、それでもなお酒を飲み続けていれば依存症と診断されるわけです。

津島 アルコールの例ですと、楽しんでお酒を飲んでいる人であれば、体調が優れない時は自分の意思で飲酒を控えますよね。しかし「楽しくない、でもやめられない」というのが依存症で、私もまさにこういった状況でした。

私の場合のセックスにしたって、やりたくてやっているわけではなく、ある種の強迫観念に突き動かされ行為に及んでしまうんです。加えて「年齢の若い処女とのセックス」に限定しているのも、処女が好きだからというわけではないのに勝手に自分で作ったルールに縛られてしまっている。だから自分の中では常に罪悪感や自己嫌悪がある。それも依存症の辛いところです。

斉藤 依存症になると、その依存先が生きがいの全てになってしまうことが多いんです。ギャンブルをするために仕事に行かなくなったり、食事や睡眠を摂らずにやり続けたりと、他の行為に興味や関心がいかなくなってしまうんですね。

さらに、津島先生のように依存症患者の多くは自分の行動を「よくないこと」だと認識し、繰り返すたびに後悔や罪悪感を感じています。そのため、「ギャンブルはやめなよ」「お酒を控えたほうがいいよ」と忠告してくる友人との関係も断ち切ってしまう。そうなると、いよいよ社会との接点がなくなり、さらに依存先にのめりこんでいく、という悪循環に陥(おちい)ります。その先に待っているのは社会的な死、経済的な死、最悪の場合は身体的な死です。

『セックス依存症になりました。』の監修もしていただく斉藤章佳氏

漫画『セックス依存症になりました。』の監修を担当していただく斉藤章佳氏


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