『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ 『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『鳥山明作品』について語った。

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★今週のひと言「漫画家志望でド真ん中世代なのに鳥山明作品を読んでいない理由」

『週刊少年ジャンプ』と同じ集英社の『週刊プレイボーイ』の連載コラムで、元漫画家志望であり、同じ愛知県民でもある俺が、鳥山先生がお亡くなりになったこのタイミングでそれに触れないのもスカしすぎだろうということで、今回は鳥山明先生について。まずはご冥福をお祈りします。

今年41歳になった俺は小中学時代がモロに『ドラゴンボール』とかぶっている、いわばど真ん中世代なのだが、実は『ドラゴンボール』は未読だ。

俺の"どメジャー作品"を避けてしまうあまのじゃくな性格がゆえなのだが、つまり当時からそれぐらいど真ん中だったということだ。

それでもテレビアニメはリアルタイムで毎週楽しみに見ていた。『Dr.スランプ アラレちゃん』『ドラゴンボール』『ドラゴンボールZ』(すべてフジテレビ)、そのへんは漫画を読んでいなくても当時の子供、特に男の子はいやが応でも全員通過してたんじゃないだろうか。

それどころかゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズを含めて、その後の現在に至るまで日本、もしかしたら世界中の子供が何かしらの形で鳥山明先生の作品に触れているはずだ。うちにも今小学校3年生の娘がいるが、歴代のノーベル賞受賞者、アカデミー賞受賞者、国民栄誉賞受賞者、人間国宝、そんなのひとりも知らなくても鳥山明は知っているだろう。

今これを書いてて思ったけど、鳥山先生はそれらの賞を受賞してないし、国宝でもなかったよな。なんでだ?? 漫画家だから?? 漫画家でその手の賞を受賞したり人間国宝になってる人っていんのかな??(編集部注:長谷川町子氏が1992年に国民栄誉賞受賞)

話がそれまくってるけど、篠崎愛が20代のうちに国宝認定されてないのも俺は納得いっていないんだ。まぁいいわ、長くなる。

そうだ、鳥山先生の作品を子供たちは避けて通れないって話がしたかったんだ。もっと言うと、直接『ドラゴンボール』に触れずとも、現在に至るまで鳥山明以降の少年誌作品の多くはその影響を受けているはずで、間接的に鳥山明の世界に触れているのだ。もちろんそれはジャンプ作品に限らずだ。

鳥山先生が作り出した設定や世界観はあまりにも普及しすぎたがゆえに、すでに共通認識となり、変な話フリー素材のように使われ、いまだにこすり倒されている。例えば、一般的に願いをかなえる方法といえば、流れ星に祈るかドラゴンボールを7つ集めるかがすぐに頭に思い浮かぶのではないだろうか。

それはまるでダウンタウン・松本人志が使い始めたお笑いスラングを今や一般人までもが当たり前に日常会話で使用しているのと同じだ。

ラッパーになる直前まで漫画家を志していた俺は、意識的に鳥山作品を手にすることはなかったが、色濃くその影響を受けていることを自覚している。というか、逃れようがない。

本人が不在となるこの先も『ドラゴンボール』は半永久的に漫画は再版・デジタル配信され、アニメは再放送され、リメイクされ、別の誰かの手による新作も出続けるだろう。俺もそのうちそれらの漫画を手に取るときが来るはずだ。そしてきっともっと早く読んでおくべきだったと後悔するところまで予想がついている。

ちなみに手塚治虫作品もほぼ同じ理由で手をつけずにいる。あまりにもメジャーで巨大すぎる才能からの影響をなるべく受けまいとする俺の小さなプライドと抵抗だが、漫画家になる夢からラッパーにくら替えした今は、もうそんな意地を張る必要もない。

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