週プレNEWS TOP 連載コラム こんな会社で働きたい! 「今の若者に“見て覚えろ!”は通用しない」 職人の世界に“モデリング”を導入、再生した原田左官の非常識

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「今の若者に“見て覚えろ!”は通用しない」 職人の世界に“モデリング”を導入、再生した原田左官の非常識

[2017年05月28日]

原田左官工業所の原田宗亮社長。“左官の常識”を覆す経営に注目が集まる

職人の数は最盛期の10分の1の3万人、平均年齢は60歳。そして60歳以上の職人は業界全体のおよそ半数を占める“超”高齢化状態…。これが左官業界の現状だ。

90年代以降、工場で大量生産される外壁パネルや内装クロスを現場で貼り付ける工法が主流となる中、漆喰やモルタルなどを壁や床に塗り上げる左官仕事は“効率が悪い”とされ、左官職人は激減している(前編記事「職人激減の業界で女性と若者の雇用も実現する『原田左官』が異色なワケ」参照)。

そんな左官業界の“救世主”とでもいうべき会社が東京・千駄木にある原田左官工業所(以下、原田左官)だ。社員数は50名弱と小規模ながら、そのうち職人の数は38人。毎年、10~20代の若者を数名採用し、社員の平均年齢も34歳と驚くほど若い。

建設現場の労働はきついイメージがあるが、入社した若者はやめないのだろうか? 原田宗亮(むねあき)社長(43歳)がこう話す。

「10年ほど前だと、その年に5人入社してもパラパラと辞め、半年後にはひとりも残ってないということが当たり前でした。これが左官業界の常識だったのです。でも、今は10人入って、3年以内に辞めるのはひとりいるかいないかというレベルです」

離職者が目に見えて減り出したのは今から5年ほど前。新人の育成方法を大きく変えたことがきっかけだったという。

「まず、それまで見習いが現場でやる仕事といえば、運搬や片づけ、掃除といった下働きばかりで、あとは黙々と材料をこねるか、先輩職人が塗っている姿を後ろからじーっと見ているだけ。1~2年でコテを持つと生意気だと先輩に怒られるので、昼休みに余った材料で隠れて練習したり…。

ようやく現場でコテを握らせてもらえるようになっても、職人によって教え方がバラバラだったので、前の現場で先輩に教わったことを次の現場でやると、『勝手なことをするな!』と別の先輩に怒られ、もう何をやっていいのかわからない状態になって翌日から急に来なくなる…」

左官を志す若者が挫折する典型パターンがコレだという。見習いが現場から姿を消してもベテラン職人は「最近の若いヤツは…」「仕事を覚えられずに辞めていくのは本人が悪い」と意に介さない。図太さと忍耐力が重視されすぎる職場は“ブラック”と批判される時代だが、それが左官屋の常識だったのだ。

しかし、原田社長は「若者が長続きしないのは我慢が足りないのではなくて、教え方に問題があるのではないか」と疑問を抱くようになる。そして2010年に4年間で見習いから職人に育成する独自の教育訓練システムを構築した。

「まず、入社後1ヵ月間で会社の倉庫にある“練習場”で基本的な動きを学んだ後、半年間は先輩職人を教育係に付けて左官の仕事に慣れさせ、その後は先輩から離れていろんな現場で材料の運搬や片づけ、掃除などの下働きの段取りを覚えさせます。

2年目はひとりで現場に行く機会を与え、クルマの止め方から施主への挨拶の仕方、今まで先輩から指示されてやっていたことを自分の頭で考えて判断するという場面を体験させる。3年目になると、現場リーダーとして責任とプレッシャーを感じながら仕事をさせるという体験を積ませます。

3年目から4年目には国家資格の左官技能士を取るように指導。受験料は会社で全額負担し、合格後は報奨金(1級合格者・5万円、2級合格者・1万円)を支給するなどして資格取得を後押しします。そして4年間の見習い期間を経て、晴れて職人の仲間入りとなります」


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