(左から)女優兼レスラー万喜なつみ、我闘舞雲のエース里歩、仙台拠点の美人レスラー白姫美叶

女子プロレスといえばクラッシュギャルズ、北斗晶、アジャコング…で時代が止まっている読者も多いのでは? しかし今、じわじわと人気再燃! 各団体がしのぎを削り、交流しつつ盛り上げている。

実力はもとよりビジュアル的にも人気の“ツヨカワ女子”も続々輩出、発売中の『週刊プレイボーイ』24号ではその中から選りすぐりの6人をグラビアでピックアップ、水着姿まで撮り下ろしている。

そこで、宝城カイリ選手に続き、前編で登場した木村花、雪妃真矢ほかの選手にも登場いただき、今をときめくリングの女神たちをご紹介!

* * *

後編では3人をピックアップ。まずは150cmと小柄ながら、バツグンの身体能力でリングを軽やかに舞う万喜(まき)なつみ選手。女優レスラーが集まるアクトレスガールズの主要メンバーで、舞台女優としても活躍中だ。

―子供の頃から芸能活動をされてきたそうですね。

万喜 はい。事務所に入ったのが3歳で、地上波に初めて出たのが5歳です。CMとか映画にもちょこっと出たこともありますけど、再現VTRとかに結構出てるので探してみてください(笑)。

―元々、運動は得意だったんですよね?

万喜 はい、大好きです。器械体操もやってたし、幼稚園から高校卒業まで13年間ずっとバトンをやってました。

―そのバトンでは全国大会の常連だったとか! しかし、女優なのによくプロレスに挑戦しようと思いましたね!

万喜 最初は観たこともなかったし、スカウトされた時は「なんで!?」って感じでした(笑)。でも実際にスターダムさんの試合を観に行かせてもらったら、紫雷イオ選手とかホントにすごいし、他にもすごく心を打たれる試合をされている選手がいて、泣きそうになっちゃったんですよ。そういう試合ができるようになりたいなって。

―とはいえ、女優とプロレスの両立は大変では?

万喜 そうですね。舞台が始まると稽古が毎日あるのでトレーニングができなかったり…。今回の稽古中にも7試合あったんですけど、絶対ケガしちゃいけないし喉も潰しちゃいけないし、気は遣います。でも、女優とプロレスを同時にやるなんてなかなかできないことなので頑張りたいですね!

―女優だからこそ、プロレスにも生かされている部分はありますか?

万喜 アクトレスガールズでは、オープニングや入場にすごくこだわるんです。みんなパフォーマンスや表情で女優魂を見せようって気持ちがすごくあるので、どこの団体よりも明るく華やかにっていうのはめっちゃ意識してます!

-プロレスの楽しさとは? 

万喜 始めた頃は何に向かって練習しているのかよくわかっていなかったんですけど、初めてリングに立った時に「うわっ、楽しい!!」って。お客さんの顔がリングから見えて、その場から声援を送ってくださったり紙テープを投げてくださったりして。舞台とかでは経験できないことで、すっごく嬉しかったし。もう「生きてる!」って感じで、やめられなくなりました(笑)。

―では、将来の夢を教えてください。

万喜 プロレスに出会ったことで世界が広がって、アクションがすごい好きだし、やっぱりお芝居も好きなんですよね。だから、女優さんとかプロレスラーっていう枠にとどまらないスーパースターになるのが夢です!

次は19歳にしてキャリア11年の里歩選手!

続いて、我闘舞雲(ガトームーブ)の“絶対エース”里歩(りほ)選手は、なんと19歳にしてキャリア11年! 海外遠征経験もあり、今回登場してもらった中ではもっとも経験値が高い実力者だ。

―水着での撮影は初ということで、メモリアルかつカワイイ水着姿を披露してくれてありがとうございます!

里歩 新鮮です! プロレスしてる時はカワイイって言われることがないので(笑)。

―19歳で、すでにキャリア11年とか!

里歩 ええ、8歳からやってるんですよ。さくらえみ選手(我闘舞雲代表)が教える体操教室で始めました。

―そこから11年もプロレスを続けている理由は?

里歩 終わった後に選手同士で反省点を話し合ったり、先輩から「こうしたらもっと良くなるよ」とかお話しいただいたりすると、10年やっていてもまだまだ自分には足りないものがたくさんあるなと。そういうのが楽しくてずっとやってます。

―続ければ続けるだけ、道は深いんですね。でも学業との両立は大変だったんじゃ…。

里歩 そっちはホントに最低限しかやってなくて…(笑)。学生の頃は「学業に専念していいよ」と言われていて、プロレスは基本的に土日だけで、平日はちゃんと学校に行っていたんです。でもやっぱりトレーニングもしなきゃいけないし、毎日、学校とトレーニングでいっぱいいっぱいでした。部活もやっていなかったし、今思えばもうちょっと楽しんでおけばよかったと(笑)。

―プロレスへの意識が変わった瞬間はありますか?

里歩 大人数の団体から今の「我闘雲舞」に移籍して急に選手の人数が減ったことで、ひとりひとりの大切さがすごく感じられて。そこで「私がもっと頑張らなきゃ」と思って、1試合1試合をより力を入れてやるようになりました。

―19歳とはいえ、後輩の面倒も見なきゃいけない立場なんですね…。11年ともなると、ものすごい試合数を経験してるでしょうけど…。

里歩 えーっと、何試合かな…結構やってると思いますけど、全然数えたことがないんです。

―ちなみに調べたところ、2012年に移籍してからだけでも約300試合! 中でも特に印象的な試合はありますか?

里歩 2015年に我闘雲舞で初めて後楽園ホール大会があったんですけど、後輩の「ことり」という選手とメインイベントでシングルマッチをやったんです。メインを務める大変さをふたりで乗り越えた時にまた一歩、新しい世界が見えた気がしました!

―将来の夢はありますか?

里歩 なんだろうなー。「幸せになりたい」とかかな(笑)。プロレスでは将来何かになりたいっていうのは特にないんです。今がすごく楽しいので!

最後は仙台を拠点とする美人レスラー白姫美叶選手!

今回、最後を飾るのは、仙台を拠点とするセンダイガールズプロレスリング(仙女)の若手・白姫美叶(しらひめ・みか)選手。“女子プロレス界の横綱”里村明衣子の愛弟子で、最も将来を期待される選手のひとりだ。

―高校卒業後すぐにセンダイガールズプロレスリング(仙女)に入団されました。

白姫 高校だけは卒業しておこうとお母さんとも話してたので。でも中学の頃から仙女でプロレスラーになりたかったので、地元では総合格闘技の道場に通って、受け身の練習とかはしていました。

―デビューしてから今までで印象に残っている試合は?

白姫 宝城カイリ選手とのシングルマッチです。レスラーになる前から憧れていた選手だし、デビューして間もなかったので、対戦できるっていうだけでも嬉しくて。自分もすごく熱くなりましたし、鼻血も出ちゃうぐらいやりあって(笑)。やっぱり印象に残っていますね。

―プロレスの良さや楽しさとは?

白姫 観ている人を熱く元気にするところです。自分が観ている時にそう感じたので、自分もそんな選手になりたいです。

―ノアの試合を観てプロレスにハマったそうですが、他の団体の試合も観たり?

白姫 ドラゴンゲートとか新日本プロレスも観ていたんですけど、デスマッチが大好きなんですよ(笑)。葛西純さん(FREEDOMS)が大好きです!

―では、ご自身でもデスマッチをやりたくなったりは?

白姫 それはまた別です…。その方たちと同じ土俵には立てないというか、もう尊敬しすぎてて神的に崇めている存在なので(笑)。デスマッチをやりたいとは簡単には思えないですね。

―同じ若手には“魔界出身”キャラを確立したカサンドラ宮城選手、日大レスリング部初の女子レスラーですでにチャンピオンの橋本千紘選手もいます。

白姫 チャンピオンや個性の強い選手がいる中で、「ヤバイ、自分だけ出遅れてる…」って不安もいっぱいあって。悔しいし悩む時もありますけど、好きだから続けられるし、悩むより行動だと思って! 試合を数多くこなしていけば、答えは見つかると思っています。いつかベルトに絡んだ時には爆発できるように、地道に練習を積み重ねるだけですね。

「岩田美香」から「白姫美叶」にリングネームを変えたので、何をお客さんに見せていくかも考えてます。“白姫”らしく入場まではフリフリしていても、試合になると違う自分がいるのも自分で感じていますし。試合後は髪も振り乱してて“ライオンキング”って言われますけど(笑)。まずは自分を確立したいですね。

―憧れている選手はいますか?

白姫 いません。もちろん里村明衣子さんがカッコいいと思って仙女に入った部分はあるんですけど、越えてかなきゃいけないし。みんなを抑えて、のし上がっていければ。誰よりも目立つ存在になりたいです!

(取材・文/明知真理子 撮影/荻原大志[万喜なつみ・里歩] LUCKMAN[白姫美叶])

●万喜なつみ(まき・なつみ)アクトレスガールズ所属 1995年7月19日生まれ(21歳) 神奈川県出身 身長150cm 得意技=ジャーマン・スープレックス 2015年5月デビュー。Twitter【@n_poi07】

●里歩(りほ)我闘舞雲(ガトームーブ)所属 1997年6月4日生まれ(19歳) 東京都出身 身長155cm 得意技=そうまとう 2006年5月デビュー。“10代でデビュー10周年”というプロレス界前人未到の記録を達成。Twitter【@riho_gtmv】

●白姫美叶(しらひめ・みか) センダイガールズプロレスリング所属 1996年6月10日生まれ(20歳) 福岡県出身 身長160cm 得意技=ドロップキック 2015年7月デビュー。Twitter【@wEzRfpAtbfO0qe7】