世界有数の悪路として知られる米国「ルビコントレイル」で行なわれた試乗取材。17台の新型ラングラーが約3kmの行程を余裕で走破した 世界有数の悪路として知られる米国「ルビコントレイル」で行なわれた試乗取材。17台の新型ラングラーが約3kmの行程を余裕で走破した

昨年12月の「ロサンゼルスモーターショー」でデビューした新型ジープ・ラングラー世界の男たちを熱くさせてきた名車の新型を、自動車ジャーナリストの小沢コージが取材してきた!

■大谷翔平もビックリ! 新世代は二刀流

男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。うーん、カッコいいじゃないの。かつて映画の宣伝にも使われた小説の名ゼリフだが、小沢は元祖クロカン4WDであり、アメ車代表でもある新型ジープ・ラングラーに乗って冒頭の名ゼリフを思い出したわけ。

今回、10年ぶりにフルモデルチェンジし、4代目となったラングラーを日本上陸直前に、ジープの聖地たる米カリフォルニアの過酷すぎる岩山道「ルビコントレイル」で試乗してきた。

コイツが大谷翔平もビックリのタフ&ジェントルな二刀流を初採用! オンロードとオフロード共に走りがいいのだ! しかも、モダンにカッコよくなった。

今年はこの手の硬派クロカン4WDの当たり年である。20年ぶりに新しくなった日本代表のスズキ・ジムニー、40年ぶりに新しくなったドイツ代表のメルセデス・ベンツGクラスも出色の出来だが、ある意味本格っぷりであり、同時に現代性を纏(まと)ったと言えばラングラーのほうが実は上だ。

それは走りのメカニズムを見れば歴然。本格クロカン4WDといえば、優れた悪路走破性を実現するための強固な床下ラダーフレーム、前後リジットサスペンション、副変速機付きパートタイム4WDシステム、柔軟なハンドリングを実現するボール循環式ステアリングがマスト!

だが、新型ジムニーこそそれらを踏襲したが、オンロード性能を優先した新型Gクラスはもともとフルタイム4WDシステムを導入済みな上、今回フロントサスペンションを独立懸架に、ステアリングもよりシャープなラック&ピニオン式に一新。悪路走破性もある程度は保っているが明らかにオンロード優先に。

出張前の草サッカーで左足を負傷したオザワだが、痛みをこらえ、悪路だけでなく、オンロードも試乗。この後、新型ラングラーの開発関係者も直撃した 出張前の草サッカーで左足を負傷したオザワだが、痛みをこらえ、悪路だけでなく、オンロードも試乗。この後、新型ラングラーの開発関係者も直撃した

その点、ラングラーは基本を守った上で、上手にモダン&エコ化を敢行。4WDシステムでも古典的パートタイム方式とフルタイム方式が選べ、その両立レベルがハンパない。

パワートレインは既存の3.6リットルV6をパワーアップしたエンジンと、ラングラー初のダウンサイジング2リットル直4ターボまでチョイス可能。コイツが270馬力&40・8kgmの十分すぎるパワー&トルクを発揮するだけでなくギアボックスは全車最新の8AT。

硬派ラングラーがエコな2リットルターボ!?って感じも多少あるが、その分、アメリカ基準の燃費では最良9.4km/リットル。測定の甘い日本のJC08モードですら旧型は7.5km/リットルだったから格段の進化だ。

ボディもスタイリッシュに大型化。グリルやフロントウインドウが微妙に寝かされ、空力が良くなっている上、伝統の丸目ライトがLED化、横長ウインカーはオーバーフェンダーとモダンに一体化した。よって5ドアモデルは膝回りと頭回りがグンと拡大。シートもリクライニング機能がついて相当快適に!

また、ボディが拡大した分、走りが鈍重になったと思ったら大間違い。4代目ラングラーはボディパネルをジープとは思えない新素材を採用。ボンネット、フロント窓枠、ドア、フェンダー、ドアヒンジはすべてアルミ化し、リアのスイングゲートはマグネシウム化。

全体で約90kgの軽量化が図られ、最軽量の5ドアラングラースポーツのV6モデルが1905kgといよいよ車重2t切りを実現。見た目はラングラーらしいワイルドさを守りつつ、中身はモダンに一新しているのだ。

オザワもルビコントレイルの過激な岩道と周辺のオンロードで試してみたが、まずは信じられない悪路走破性に感動。かつてゴールドラッシュ時代に死人が出たともいわれる険しすぎる山道だが、そこをプロの岩場ガイドの言うとおりにハンドルを切り、アクセルを踏めば切り抜けられる圧倒的トレース性能。

さらに床を思いっきり岩肌に打ちつけてもびくともしないボディ剛性。まさにラダーフレームボディがゆえの屈強性能だ。

片やオンロードに行けば、今までの岩道はなんだったの?という快適性。旧型ラングラーはロードノイズや乗り心地の硬さが何かと目立ったが新型4代目は違う。滑らかな乗り心地、8速AT付き2リットルターボがもたらすスムーズな加速感は最新SUV顔負けだ。

唯一、高速でのステアリングフィールこそ若干甘いが、まさに今までにないオン&オフロード性能両立の新二刀流クロカン4WDなのだ。

さらに『週刊プレイボーイ』42号(10月1日発売)では、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)アジア太平洋担当マネージング・ダイレクター、スティーブ・ザンランギ氏を直撃している。

■ジープ・ラングラー アンリミテッド ルビコン
●全長×全幅×全高:4785mm×1875mm×1868mm●ホイールベース:3008mm●車重:2034kg●駆動方式:4WD●エンジン:2リットル直4 DOHC 16バルブターボ●トランスミッション:8速AT●最高出力:270PS/5250rpm●最大トルク:40.8kgm/3000rpm●燃費:複合=22mpg(約9.4km/リットル)=(米国EPA値)

悪路中の悪路として有名な米国「ルビコントレイル」を走破! 悪路中の悪路として有名な米国「ルビコントレイル」を走破!