今、輸入車の勢いがハンパない。昨年の輸入車メーカーの国内新車販売台数は2年連続で30万台を突破。前年比を上回るのはこれで3年連続となる。この勢いはとどまることを知らず、今年に入っても売れに売れている。
決して輸入車人気に水を差すわけではないが、最新の輸入車に男心がたぎるクルマはあるのか。
ということで、2月6日、土砂降りの雨の中、首都高速、東名高速、小田原厚木道路と突っ走り、神奈川県の大磯プリンスホテルへ向かった。JAIA(日本自動車輸入組合)主催の第39回輸入車試乗会に参加するためだ。
で、合計12台の輸入車を西湘(せいしょう)バイパスや箱根ターンパイクで試したら......どれもこれもアツい車ばかり。その中から独断と偏見で最新輸入車ベスト3を選んでみた。
1位は昨年日本国内で6万7000台以上を売り、4年連続輸入車トップに輝いたメルセデス・ベンツの最新モデルS400dだ。
コイツは新開発の直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載したモデルで、エンジンの排気量は3リットル。最高出力は340馬力。最大トルクは700Nmなので、アクセルをちょいと踏むだけで、ハンパないにも程がある猛烈な加速を味わえてしまう。
しかも、ディーゼルエンジン特有の振動や騒音を全然感じない。ディーゼルであることすら忘れてしまうレベルなのだ。さすがはベンツの最上級Sクラス、防音などに抜かりはない。もちろん、周囲のクルマをムダに威圧する鬼神のオーラもすさまじく、男なら一度は乗るべし。
2位は6.2リットルのV8OHVという硬派すぎるエンジンを搭載するカマロSSだ。6代目となる新型カマロの骨格は、あのキャデラックのCTSやATSと一緒だから頼もしい。
アクセルをガツンと踏みつけてやると、超ワイルドなエキゾーストノートを響かせ、豪快に突き進む。その音と加速は男心がマジで震えるレベルだ。ただ、どっちかというと、ワインディングを駆け抜けるよりも、高速の直線をかっ飛ばすほうが似合うスペシャルティカーである。
3位はアルファ初のSUVとなるステルヴィオの最強モデル「クアドリフォリオ」。2.9リットルV6ツインターボを搭載し、最高出力は510馬力。昨年11月から日本でも受注を開始したモデルだ。ちなみに独のサーキット「ニュルブルクリンク」の北コースで7分51秒7という驚異的な記録を叩き出しているガチSUVだ。それが証拠にエンジンを始動させた瞬間から男がたぎる官能的な音が炸裂する。乗り心地は全体的に引き締まっているがとても上質だ。
高速の合流でアクセルを踏み込めば、SUVとはとても思えぬ音と、異次元の加速を披露する。そして峠ではスポーツカー顔負けの身のこなしである。まさにSUVの皮を被ったスポーツカーだ。
次点は昨年、11年ぶりにフルモデルチェンジを受けたジープ・ラングラー。トラック的な乗り心地が楽しすぎる。しかし3.6リットルV6エンジン音はとても静か。もっと荒々しいほうがよかった?
国産より値は張るが、個性豊かな輸入車は触れて損ナシだ。