9月から発売となったカワサキの250cc4気筒モデルが空前絶後の爆売れ! 大きな話題を呼んでいる。人気の秘密はナニ? 実際の走りはどうなの? モーターサイクルジャーナリストの青木タカオがぶっちぎり濃厚解説する!
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■カワサキにはさらに隠し玉が!?
――カワサキがうれしい悲鳴を上げているってマジ?
青木(絶叫気味に)そうなんですよぉぉぉ! 9月10日に発売したニンジャZX-25R(以下、25R)がバカ売れ中ですよぉぉぉ!
――具体的には?
青木 来年3月までに5000台と予定していた販売台数をわずか1ヵ月で軽く突破! カワサキ広報部は「増産も検討中です」と話しています。
――今、25Rは品薄?
青木 はい。すでにショップからのオーダーは打ち止めです。ただ、店舗によって在庫や入荷の状況が異なるので欲しい人はまずカワサキ正規取扱店に相談するべしです!
――で、大ヒットの理由は?
青木 250cc4気筒が12年ぶりに復活し、新車で買えるというのは大きい。それと価格。正直、製造コストを考慮すると100万円超えは確実とファンも二輪業界も予想していたんです。
ところが、スタンダードモデルは82万5000円。上級モデルでも91万3000円というバーゲンプライスだった。その価格が発表されるや否や予約が殺到しました。
――ん? 25Rって価格発表の前から盛り上がっていませんでしたか。
青木 実は青木が寄稿する二輪専門誌『ヤングマシン』(内外出版社)が昨夏に25Rのスクープ記事をぶっ放して火をつけました。業界筋もファンもコスト面を考えると「新開発の250ccの4気筒は出ない」と踏んでいたから、『ヤングマシン』のスクープ記事は大きな反響を呼びました。
――そして昨年の東京モーターショーで25Rは本当に姿を現したと。
青木 当然、東京モーターショー以降はバイクファンが大コーフン! SNSでも25Rは常に話題の的でした。
――購入者の年齢は?
青木 もともとカワサキがターゲットにしていたのは、4気筒エンジンの爽快な吹け上がりを知る40代以上でした。ところがフタを開けたら10~20代が20%、30代が29%、40代が26%で50代が21%。60代は4%と若い世代も含め、幅広くウケています。
――ぶっちゃけ、どの程度のヒットなんスか?
青木 記憶に新しいビッグヒットもやはりカワサキで、Z900RSが去年、一昨年と2年連続で4000台超えを達成しています。ただし、派生モデルのZ900RSカフェも含んだ数です。片や25Rはわずか1ヵ月でそれを軽く上回りましたから圧巻のひと言。増産決定なら売れに売れると思いますよぉぉぉ!
――(無視して)乗り味は?
青木 4気筒エンジンならではの、官能的な超高回転サウンドとレブリミッター1万8000回転までよどみなく吹け上がるパワーフィールは感涙モノ。しかも排気量は250ccですから一般道でもポテンシャルをちゃんと引き出せる。
――ライバルは?
青木 ホンダのCBR250RRです。9月18日に大改良を受けた新型が登場。2気筒エンジンはさらに磨き込まれ従来比3PS増しの41PSを達成。装備もスリッパークラッチなどを標準装備して価格は据え置き。専門誌はホンダとカワサキの対決ネタで盛り上がっています。
――25Rの人気はしばらく続きそうスか?
青木 もちろん! そもそも車検がなく維持費も安い250ccは大人気のクラス。ここに待望の4気筒モデルがお手頃価格で登場したワケですから売れ行きが鈍ることはない。つけ加えるとカワサキには隠し玉があると青木はにらんでいます。
――隠し玉?
青木 バイクファンは25Rのカウルなしモデル、つまり4気筒のZ250の登場をびんびん状態で待っています。青木がカワサキ広報部にZ250発売の可能性を質問したところ「販売店やユーザーからバリエーションモデルなどさまざまな要望があり今後の開発の参考として検討中です」というコメントが!
――青木タカオ的にはZ250は出る? 出ない?
青木 ニンジャと共に"漢(おとこ)カワサキ"を代表する血統がZです。4発搭載をもったいぶる理由はありません。(絶叫気味に)青木は絶対に出ると踏んでいますよぉぉぉ!
(写真協力/川崎重工 カワサキモータースジャパン ホンダモーターサイクルジャパン)