12月16日から発売予定の新型アウトランダーPHEVが超絶進化したと話題だ。いったいどこがどう変わったのか? つうわけで、新型の走りと実力に迫るべく、サーキットで限界走行をブチカマした!
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■コスパ最強のワケは日産との共同開発!
これぞ一発逆転ホームランという感じだぜ! そう、2013年以来、約9年ぶりに登場した新作SUV、三菱アウトランダーPHEVのことだ。今回のフルチェンでアウトランダー自体は3代目となったが、アウトランダーPHEVは先代が初代なのでコイツが2代目となる。
ちなみに初代は世界初のSUVタイプの量産EVとして登場。コイツのコスパがスゴかった。12kWh強の大容量リチウムイオン電池を搭載していたのに価格は驚きの300万円台スタート! 中身も駆動を前後2モーターで行なう最先端ツインモーター4WDを搭載! その結果、PHEVでは世界最多となる累計29万台を達成している。そして、ついに今年12月にファン待望の新型が発売されることになった!
ということで、今回プロトタイプを千葉県にあるサーキット場で最速試乗したワケだが、オザワはマジで驚いた。2代目はコンセプト、ボディ、ハイテクがチョー充実! 全方位で出来映(ば)えがイイ!
刷新したプラットフォームのボディサイズは全長4710mm×全幅1860mm×全高1745mm。全幅は先代から6cm増でグローバルで通用するミディアムサイズのSUVに変身。三菱独自のダイナミックシールドデザインとのマッチングも抜群だ。20インチ大径ホイールを標準装備し、そのリッチ感はメルセデスやボルボのSUVに負けないレベルに仕上がっている。
さらに開発費で劣る三菱SUVの最大の欠点であったインテリアの質感&ハイテク度も格段に進化! フロントシートは2層ウレタン構造で座り心地がイイだけでなくサイズもデカく、本革シートの質感もガチで上がった。マテリアルもシフト回りに本アルミを配するなど上質化!
そしてなんといっても走りと電動性能がハンパない。ほぼ発電機として使う2.4リットルエンジンを高効率化しただけじゃない。自慢の前後ツインモーターは前を60kWから85kWへ、後を70kWから100kWと、実に4割以上も強化!
搭載電池量も初代の後期から4割以上アップした。そのため電動感はガチでスゴく、フル充電状態からWLTCモードで87kmもEV走行できる。災害時は一般住宅の12日分の電気をコイツで賄えてしまう。
走りの爽快さもミラクルで、強化した前後モーターに加え、新作したプラットフォームと三菱自慢の電動4輪制御技術「S-AWC」が超絶進化し、全長4.7m超えで車重2t近いヘビー級ボディがマツダ・ロードスターのごとくサーキットで振り回せる。マジな話、ドリフト走行まで自由自在だからハンパない!
最後の驚きが価格である。これだけ進化してお値段は460万円台スタート! 2代目もコスパ最強だ。その秘密はアライアンスの力にある。三菱は2016年にルノー日産グループの傘下に入った。その関係で骨格は次期型日産エクストレイルと共同開発! 要はイイものを効率良く安く造れる開発態勢が整ったってワケ。
ただし、すみ分けの問題もある。世界初の量産軽EVを世に放った三菱だけに、「実はアウトランダーEVも用意しているのでは?」と質問してみたが、「詳しくは言えませんが、ほかとの関係もあるので」とのこと。オザワの読みではEVは日産に任せ、三菱はPHEV戦略を推し進めるはず。いずれにせよ、新型アウトランダーPHEVは三菱逆襲の切り札だ!