2013年に発売されたアウトランダーPHEVの世界累計は、今年9月末の時点で29万台以上。三菱の至宝的モデルである

12月16日から発売予定の新型アウトランダーPHEVが超絶進化したと話題だ。いったいどこがどう変わったのか? つうわけで、新型の走りと実力に迫るべく、サーキットで限界走行をブチカマした!

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■コスパ最強のワケは日産との共同開発!

三菱 2代目アウトランダーPHEV 価格:462万1100~532万700円 発売:2021年12月16日 値引き:5万円 リセール:B 存在感ありすぎのド迫力の顔面は、三菱自慢のダイナミックシールドを新世代へと進化させたもの。イカつい

これぞ一発逆転ホームランという感じだぜ! そう、2013年以来、約9年ぶりに登場した新作SUV、三菱アウトランダーPHEVのことだ。今回のフルチェンでアウトランダー自体は3代目となったが、アウトランダーPHEVは先代が初代なのでコイツが2代目となる。

ちなみに初代は世界初のSUVタイプの量産EVとして登場。コイツのコスパがスゴかった。12kWh強の大容量リチウムイオン電池を搭載していたのに価格は驚きの300万円台スタート! 中身も駆動を前後2モーターで行なう最先端ツインモーター4WDを搭載! その結果、PHEVでは世界最多となる累計29万台を達成している。そして、ついに今年12月にファン待望の新型が発売されることになった!

リアは六角形の形状を持つテールゲートと、水平基調で左右両端まで広がるテールランプが特徴

ということで、今回プロトタイプを千葉県にあるサーキット場で最速試乗したワケだが、オザワはマジで驚いた。2代目はコンセプト、ボディ、ハイテクがチョー充実! 全方位で出来映(ば)えがイイ!

刷新したプラットフォームのボディサイズは全長4710mm×全幅1860mm×全高1745mm。全幅は先代から6cm増でグローバルで通用するミディアムサイズのSUVに変身。三菱独自のダイナミックシールドデザインとのマッチングも抜群だ。20インチ大径ホイールを標準装備し、そのリッチ感はメルセデスやボルボのSUVに負けないレベルに仕上がっている。

12.3インチのフル液晶ドライバーディスプレイは大画面でとにかく見やすい。スマホ連動の大型ナビも目を引く

プラットフォームを全面的に刷新した新型は広い室内空間を誇る。インテリアの質感の高さは輸入車に匹敵する

さらに開発費で劣る三菱SUVの最大の欠点であったインテリアの質感&ハイテク度も格段に進化! フロントシートは2層ウレタン構造で座り心地がイイだけでなくサイズもデカく、本革シートの質感もガチで上がった。マテリアルもシフト回りに本アルミを配するなど上質化!

そしてなんといっても走りと電動性能がハンパない。ほぼ発電機として使う2.4リットルエンジンを高効率化しただけじゃない。自慢の前後ツインモーターは前を60kWから85kWへ、後を70kWから100kWと、実に4割以上も強化!

搭載電池量も初代の後期から4割以上アップした。そのため電動感はガチでスゴく、フル充電状態からWLTCモードで87kmもEV走行できる。災害時は一般住宅の12日分の電気をコイツで賄えてしまう。

「より力強く」「より遠く」を実現すべく、新型はPHEVシステムの構成要素を刷新したという

走りの爽快さもミラクルで、強化した前後モーターに加え、新作したプラットフォームと三菱自慢の電動4輪制御技術「S-AWC」が超絶進化し、全長4.7m超えで車重2t近いヘビー級ボディがマツダ・ロードスターのごとくサーキットで振り回せる。マジな話、ドリフト走行まで自由自在だからハンパない!

最後の驚きが価格である。これだけ進化してお値段は460万円台スタート! 2代目もコスパ最強だ。その秘密はアライアンスの力にある。三菱は2016年にルノー日産グループの傘下に入った。その関係で骨格は次期型日産エクストレイルと共同開発! 要はイイものを効率良く安く造れる開発態勢が整ったってワケ。

ただし、すみ分けの問題もある。世界初の量産軽EVを世に放った三菱だけに、「実はアウトランダーEVも用意しているのでは?」と質問してみたが、「詳しくは言えませんが、ほかとの関係もあるので」とのこと。オザワの読みではEVは日産に任せ、三菱はPHEV戦略を推し進めるはず。いずれにせよ、新型アウトランダーPHEVは三菱逆襲の切り札だ!

新型は5人乗りと7人乗りのモデルを用意。ご覧のように3列目を倒せば、荷室として使える

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