9月10日に世界初公開された新型スバルWRX(北米仕様)。北米での発売は2022年初頭とアナウンスされている。日本登場はいつだ!? 9月10日に世界初公開された新型スバルWRX(北米仕様)。北米での発売は2022年初頭とアナウンスされている。日本登場はいつだ!?

9月10日に世界初公開された新型スバルWRX(北米仕様)に世界中のファンがたぎっている。いったい今回のフルモデルチェンジでどこが進化したのか? そして日本デビューはいつなのか? 自動車専門誌の元編集長で、カーライフジャーナリストの渡辺陽一郎氏がチョー特濃解説する!!!

■日本デビューは年内か!?

ーー9月10日に新型WRXの北米仕様が世界初公開されましたが、何だか世間の注目度が高いみたいですね?

渡辺 WRXはスバルの技術を凝縮した超高性能車ですが、ミドルサイズのセダンなので実用性も備えています。そのため幅広いユーザーが注目しているモデルでもあります。

ーー新型WRXは何代目になるんですか?

渡辺 初代は1992年に登場しましたが、このときはインプレッサのスポーティグレードだったので、正確には「インプレッサWRX」と呼ばれていました。今回登場した新型は5代目になります。

スバル・レヴォーグの内装を踏襲しているように見えるコックピット。縦長のディスプレイ画面が目を引く。 スバル・レヴォーグの内装を踏襲しているように見えるコックピット。縦長のディスプレイ画面が目を引く。

ーー新型WRXを見た率直な感想はいかがですか?

渡辺 北米仕様ではありますが、基本的には先代型の路線を踏襲しているなと。セダンボディに水平対向4気筒のターボエンジンを搭載。ただしエンジンの排気量は先代の2リッターから2.4リッターに拡大されています。

ーープラットフォームは?

渡辺 基本は現行インプレッサから採用を開始した「SPG(スバルグローバルプラットフォーム)」。ただし、レヴォーグや新型になったばかりのレガシィアウトバックと同様、SPGをアップデートしたフルインナーフレーム構造を採用していると思います。

ーーボディサイズは?

渡辺 北米で発表された仕様は、全長4670㎜×全幅1830㎜×全高1470㎜で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2670㎜になっています。先代型と比較すると、ほぼ同じ大きさです。ただ、全幅は先代の国内仕様と違い、1800㎜を超えている。ホイールベースも20㎜伸びた。これは現行レヴォーグと同じ数値です。つまりプラットフォーム自体は、先代のWRXもそうでしたが、レヴォーグの強化版なのかなと。

ーーなるほど。北米仕様のエンジンはどんな感じスか?

北米仕様のエンジンは2.4リッター水平対向4気筒の直噴ターボを搭載。最高出力は271PSを誇る。日本仕様はどうなるのか? 北米仕様のエンジンは2.4リッター水平対向4気筒の直噴ターボを搭載。最高出力は271PSを誇る。日本仕様はどうなるのか?

渡辺 北米仕様の最高出力は271馬力ですが、日本で発売されていた先代のWRX S4は300馬力でした。6速MT専用のWRX・STIに関しては308馬力を誇っていましたから、新型のエンジンも楽しみですね。

ーーズバリ、日本デビューはいつ? そしてMTモデルはあるんでしょうか。

渡辺 日本デビューは年内を予想します。スバルはまずCVTを搭載したWRX S4を登場させ、来年6速MTを搭載したWRX STIを加えると思います。WRX STIはモータースポーツの使用も視野に入れ、従来と同じく大型インタークーラーの装着などによって、過酷な使われ方にも対応するはずです。

ーー気になる価格はどう予想されます?

渡辺 排気量の拡大に伴う値上げは少ないのかなと。WRX S4の価格は、400~440万円だと予想します!

■渡辺陽一郎 Yoichiro WATANABE
カーライフジャーナリスト。1989年に自動車購入ガイド誌『月刊くるま選び』(アポロ出版)の編集長に。1997年に同社取締役を兼任。その後、フリーランスに。著書に『運転事故の定石』(講談社)など。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員