新型コロナに負けず、今年も数多くの新車が登場した。そのなかから週プレ自動車班の担当者が取材しておもしろかったクルマをガチ厳選、クルマ好きでないデスクに報告する。どんなクルマがランクインしたのか? 前編に続き、今回はベスト3を発表するぞ!!

■面白かったクルマベスト3!

デスク 3位は新型アウトランダーPHEVね。正念場の三菱が3位のワケは?

3位 三菱 アウトランダーPHEV 3位 三菱 アウトランダーPHEV

担当 12月16日から発売された新型アウトランダーPHEVをサーキット試乗したんですが、車重2tというヘビー級にも程があるSUVながらドリフト走行までこなしてしまうんです。

デスク なぜそんなことが可能なの?

担当 三菱が世界に誇る電動4輪制御技術「S‐AWC」が超絶進化したからです。三菱のレジェンドカー・ランエボを彷彿させる走りでした。

デスク 売れ行きは?

担当 先行予約で目標の約7倍となる6915台を受注しました。しかも、購入者の7割以上が500万円台の最上級グレードを選択しています。

デスク 販売好調の背景には何があるの?

担当 そもそもアウトランダーはPHEVで世界最多となる累計29万台を達成しているクルマです。今回、約9年ぶりにフルモデルチェンジしました。これがまさに会心作で、走りはもちろんですが、その内装の質感は海外の高級SUVに匹敵するレベルに仕上がっています。自動車誌のスタッフや自動車ジャーナリストにも話を聞きましたが、「三菱らしからぬ内装だ」と絶賛していました。

デスク 要するに三菱逆襲の切り札が新型アウトランダーPHEVだと?

担当 そうです。つけ加えると、三菱は新型アウトランダーPHEVを嚆矢(こうし)とし、2022年はのっけから反転攻勢に出ると思います。

デスク そして2位は日産?

2位 日産 ノートオーラ 2位 日産 ノートオーラ

担当 12月10日に日産車として10年ぶりに日本カー・オブ・ザ・イヤーを戴冠したノートシリーズ(ノート、ノートオーラ、ノートオーラニスモ、ノートオーテッククロスオーバー)です。

デスク 10年前に戴冠した日産車って何だったの?

担当 リーフです。

デスク キミがノートを面白いと感じた最大のポイントはどこなの?

担当 新開発のプラットフォームと第2世代e‐POWERの組み合わせにより走りの質が大きく向上しました。これにより従来の国産コンパクトカーにはなかった〝小さな高級車〟というジャンルを作ったことです。特にノート オーラの内外装は質感が非常に高いです。

デスク ノートシリーズは売れているの?

担当 11月の国内新車販売の総合ランキングは9412台を売って7位です。

デスク 11月の国内新車販売の総合ランキング1位のクルマは何台売ったの?

担当 1位はホンダの軽自動車N‐BOXで、1万5482台をマークしています。

デスク ノートとN‐BOXの価格は被っているのかな?

担当 ノートの廉価グレードとN‐BOXの最上級グレードは200万円台前半なので被っていますね。前者は登録車、後者は軽自動車ですが。

デスク 1位はトヨタとスバルが共同開発したスポーツカーであると。世界的なEVシフトが進むなかで、なぜガソリンスポーツカーをわざわざ1位にしたんだ?

1位 トヨタ GR86 1位 トヨタ GR86

1位 スバル BRZ 1位 スバル BRZ
記者 300万円以下から購入できる本格スポーツカーは世界中を探しても、トヨタのGR86とスバルのBRZぐらいです。

デスク それは世界的に需要がないからじゃないの?

担当 ただ、環境規制が厳しさを増すなかで、ガソリンスポーツカーが発売されたのは奇跡です。特に、10月に発売となったGR86はサーキットを走りドリフトしたくなる楽しいクルマです。

デスク このガソリン高騰時に、マニア以外の人がサーキットを走るのかね? ましてやキミがよく口にするドリフトなんかしたらタイヤも減るじゃん。いったいそこにどんな意味があるの?

担当 クルマを自在に操るのは最高に楽しいじゃないスか。

デスク んー、わかんないなぁ。そもそも、なぜ自動車メーカーは開発車をサーキットで走らせるの?

担当 クルマを全開走行させると、当たり前ですが、クルマにかなりの負荷をかけることになります。コンピューター上ではわからない〝穴〟が見えてくる。そこを修正するワケです。要するに自動車メーカーは安全なクルマを開発するために膨大な時間を費やして走行実験を行なっているんです。

デスク 新車が出るとサーキットで試乗会を行なう理由は?

担当 サーキットで限界走行してもウチのクルマは破綻しないんですよと。まぁ、完成度の高さを誇示するためです。

デスク だから、そんな運転はリアルワールドでしないじゃん。僕が野球担当に聞いて腑に落ちないのが、「球が重い」なんだよ。いくら説明を聞いてもさっぱりわかんない。

「球が伸びる」は納得できたんだけどね。キミの担当する記事の「馬力」や「トルク」「プラットフォーム」「ドリフト」「人馬一体」の意味も同様によくわかんないんだよ。そもそも週プレ読者にそれらは必要な情報なのかね? 2022年は僕が納得する答えをクルマ班として見つけてください。以上です。さ、年末進行に戻るよ!

担当 はい......。