今回の試乗は静岡県伊豆市にある有料道路「伊豆スカイライン」で行なわれた。マイチェンを受けた新型はワインディングで軽快な走りを披露

昨年12月に一部改良となったマツダのスポーツカー「ロードスター」が話題を集めている。ワインディングで試乗し、徹底チェックしたクルマ系YouTuberの河口まなぶ氏にその魅力を聞いた。

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■マイチェンで月販は約2倍に!

マツダ ロードスター990S 価格:286万9900円 改良:2021年12月 値引き:5万円 リセール:A 昨年末のマイナーチェンジを受けたロードスター。顔面は一切変わらなかったが、その走りは徹底的に磨き抜かれた

河口 今回、僕が試乗したのはマツダのロードスターです。具体的には昨年12月のマイナーチェンジで追加され、注目を集めている特別仕様車の「990S」ですね。

――990Sの注目ポイントは?

河口 車名のとおり車両重量は990kg。つまり、車重1t切りを達成しているところですね。

――アレレ。ロードスターには1tを切っている「S」というグレードがありましたよね?

河口 はい、そのとおりです。今回登場した990Sは、そのSをベースに、軽量なアルミホイールやブレーキなどを装着し、軽量化を徹底したモデルに仕上がっています。

Sグレード同様、ボンネットのインシュレーターは取り除かれている。もちろん、その理由は軽量化を追求するためだ

990SのベースグレードになっているSの標準装着品よりも、ホイールは一本当たり800gも軽量化されている

――試乗した率直な感想は?

河口 正直、世の中にはロードスターより速いクルマはありますし、気持ちいいクルマもあります。ただ、世界で一番楽しいクルマはやっぱりロードスターだと今回の試乗で再認識しましたね。

――ほおほお。

河口 特にこの990Sは、専用のセッティッングのショックアブソーバーとコイルスプリングにより、実にしなやかな乗り心地です。しかも、ロードスターならではの軽快な動きが磨き抜かれており、走ると本当に楽しいんです。

今回の改良で全車標準装備となった新技術「KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)」が効いてますね。

――KPCってなんスか?

河口 要は不安のない車両姿勢をつくり、安定した旋回を楽しめる制御ですね。

990Sは6速MTモデルのみ設定。「マニュアルのロードスターは本当に楽しい。ぜひ乗ってほしいですね」と河口氏

――そんな新型の評判は?

河口 4代目となる現行モデルは、デビューからすでに7年が経過していますが、早くもマイチェンの効果が販売面に出ています。今年1月、2月の販売を見ると、どちらも前年同月比約2倍となる1000台超をマーク。好調なセールスを記録しています。

――月販1000台超という数字はスゴいんスか? N-BOXは月販2万台近く売っていますが。

河口 正直、絶滅寸前のスポーツカーでこの数字をマークしたのは素直にスゴいと思いますね。何しろロードスターはふたり乗りのスポーツカーです。使い勝手を考えると、なかなか手が出せないクルマですよ。ちなみに以前1000台を記録したのは、ロードスターRFを追加した2016年11月です。

――今回のマイチェンでファンの注目を集めていると。河口さんが運営するYouTubeチャンネル『LOVECARS!TV!』の登録者数は40万人を軽く突破しています。ロードスター990Sの動画の反響はいかがです?

河口 現在、20万回再生を突破しています。スポーツカーとしては上出来の数字だと思いますね。

990Sのほろは専用色となるダークブルー。ちなみに今回のマイチェンで前後ともにブレーキ性能を改良、強化した

――そもそもの話ですが、ロードスターはいつデビュー?

河口 1989年です。累計販売台数は110万台超を誇り、これまでに日本カー・オブ・ザ・イヤーを2度受賞しています。加えて2016年には世界でイチバン売れているふたり乗り小型オープンスポーツカーとして、ギネスブックに認定されています。

――なるほど。ズバリ、新型ロードスターは推せる?

河口 繰り返しになりますが、僕はマツダのロードスターが世界で一番楽しいクルマだと思っています。一度は乗ってほしいクルマです!

●河口まなぶ 
クルマ系YouTuber&モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。YouTubeチャンネル『LOVECARS!TV!』

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