まもなく2022年のシーズンが開幕する「KYOJO CUP」。女性ドライバーだけで争われるこのプロレースシリーズの魅力とは? 立ち上げ時から参戦を続ける〝フジトモ〟こと、モータージャーナリストの藤島知子さんに話を聞いた。
藤島 5月15日(日)に開幕します!
ーースミマセン、何の話スか?
藤島 女性だけのプロレース「競争女子選手権 KYOJO‐CUP」が始まるんです。
ーーえっと、KYOJO‐CUPっていつから始まったんスか?
藤島 2017年ですね。
ーー立ち上げの経緯は?
藤島 ル・マン24時間で日本人初の総合優勝を果たし、若手ドライバーの育成や日本のモータースポーツの発展に貢献してきた関谷正徳氏が、「プロレーサーを目指す女性にスポットライトを当て、クルマ社会を活性化させたい」という思いからプロデュース。2017年から始まりました。シリーズチャンピオンに輝くと、スポーツ庁の後援により「文部科学大臣賞」が贈呈されます。
ーーふむふむ。それまで女性だけのレースはなかったんスか?
藤島 サッカー、陸上、ゴルフ、レスリング、卓球、柔道など多くのスポーツは男女の性差を考慮し、男女別で競技が分けられています。しかし、モータースポーツに関しては公認レースの競技人口が少なく、これまで女性だけで公式戦を成立させることは難しかった。
ーーつまり、男女混合レースだったわけですね?
藤島 そうです。もちろん、レースはマシンとドライバーと装備品を合わせた最低重量が決まっているカテゴリーもありますが、男女で身体能力は違いますからね。逆に言えばレースで負けても「混合レースだから」と自分自身に言い訳ができた。けれど、KYOJO‐CUPは正真正銘の女性限定のレース。もう負けても自分自身に言い訳はできませんよね。
ーー参加する選手はどんな人たち?
藤島 幼い頃からカートで戦ってきた20歳前後の若手から、レース経験を重ねたベテランまで幅広いですね。職業もいろいろでバラエティ豊か。学生さんもいます。
ーーなぜ藤島さんはKYOJO‐CUPに挑んだ?
藤島 女性同士で競えるという点に興味をそそられたからです。「これは願ってもいないチャンスだ」と迷うことなく飛びつきました。
ーーちなみにマシンは?
藤島 ウエストレーシングカーズ製の「VITA‐01」。搭載されているエンジンはトヨタの先代ヴィッツの1.5リッターでHパターンの5速MT。車両重量はドライバー込みで615kgという規定があります。全選手が同じマシンを使用することでイコールコンディションを保っていますね。
ーー全部で何戦?
藤島 今シーズンも全4戦を予定していますね。2020年、21年と2年連続で夏に鈴鹿サーキットで1戦していましたが、今シーズンはすべてのレースが富士スピードウェイで戦われます。
ーー全4戦のスケジュールは?
藤島 開幕戦が5月15日(日)、2戦目が10月23日(日)、3戦目が11月13日(日)、そして最終戦が12月11日(日)ですね。
ーー最後に今シーズンの目標は? もちろん、全4戦すべて優勝?
藤島 一筋縄でいかない難しいレースですが、目指すは表彰台! 小娘ちゃんたちに負けないよう頑張りますよー!
★藤島知子(ふじしま・ともこ)
モータージャーナリスト。連載媒体多数。テレビ神奈川の新車情報番組『クルマでいこう!』の出演は15年目に突入。2002年よりレースに参戦。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員